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2013-02-23

2003年9月、はじめての「蚕供養」

 2月22日付で配信されたメールマガジン「メコンにまかせ」(vol.284)から、「伝統の森」で、2003年に「蚕供養」をはじめたときのことをご紹介します。

  「伝統の森」で蚕を飼い始めたのは2003年だった。最初にできた繭から、生糸を手引きしたのは2003年8月の末のこと。
 その収穫をよろこび、蚕への感謝の気持ちと、わたしたちは無益な殺生をしているのではないという心を込めて、わたしは「蚕供養」を思い立った。
 9月の満月の日、近くのお寺から僧侶を招聘し、蚕を供養した。蚕のおかげ、蚕が吐く生糸のおかげで、わたしたちIKTTのスタッフとその家族は、生かされているのだ。いまでは「蚕まつり」として実施しているが、その基本にあるのは、蚕への感謝の気持ちである。
 早いもので、まもなく11回目となる「蚕供養」の日を迎えることになる。深く、感謝。
森本喜久男

【以上、メールマガジン「メコンにまかせ」掲載記事から再掲】
※メールマガジン「メコンにまかせ」の講読は、こちらからお申し込みください(講読無料)。


 写真は、森本さんがfacebookにアップした、2003年の「蚕供養」のときのものです。

2013-02-22

「蚕まつり2013」のスケジュールが決まりました

 3月開催の「蚕まつり2013」の前夜祭は、3月16日(土)の午後3時にスタートとなります。
 開会の儀では、王室からシソワット・カンタレス妃殿下の祝辞も予定されています。
 その後、アプサラダンスの奉納、そしてファッションショーの開催です。
 休憩と食事を挟んだ後の第2部は、子どもたちのダンシングなどのパフォーマンス、そして最後はシエムリアップで活動するバンド“MILO”のライブが予定されています。
 翌17日(日)の蚕供養の儀式は、朝8時30分に、仏僧による読経が始まる予定です。

 以下の動画は、フランスで放送されたTVドキュメンタリーの一部です。ファッションショーのリハーサル風景がご覧になれます。

 これまでの「蚕まつり」については、このブログサイトの左側サイドバーのラベルのところから、 [蚕まつり] をクリックしていただくと、過去の記事がご覧になれます。

2013-02-16

全日空の国際線で「ガイアの夜明け」が機内上映されています

 全日空の国際線で機内上映されているANA SKY CHANNEL「ガイアの夜明け傑作選」の、2-3月の上映分として、9月に放送された「世界を救うヒット商品とは!?」が選ばれました。
 無印良品と森本さんのコラボレーションを、空の上でもご確認ください。

2013-02-10

東京国立博物館「アンコール遺跡バイヨン寺院~尊顔の記憶」

 2013年1月にリニューアルオープンした東京国立博物館東洋館アジアギャラリーの、地階ミュージアムシアターでは、現在「アンコール遺跡バイヨン寺院~尊顔の記憶~」が上映されています。
 300インチ大型スクリーンに超高精細(ハイビジョン映像の約4倍)4K映像で映し出されるVR作品は、3月31日(日)までの月曜日と火曜日を除く毎日12時、14時、16時に上映されます。
 以下、東京国立博物館のWebサイトから転載します。

 バイヨン寺院は、アンコール王朝の最盛期12世紀後半に、ジャヤーヴァルマン7世によって建造された都「アンコール・トム」の中心に位置する仏教寺院です。寺院には高さ45メートルの49にもおよぶ石塔がそびえ、その石塔の四面には慈愛に満ちた顔が彫刻されています。この「クメールの微笑」と言われる「尊顔」は、現在も173面が遺されています。東西160メートル、南北140メートル、高さ45メートルに拡がる、100万平方メートルにも及ぶ巨大な石造遺跡を、最先端のバーチャルリアリティ技術で完全に再現しました。
 東洋館11室に展示されているバイヨン寺院に関連した作品「ナーガ上のブッダ」、「浮彫アプサラス像」を三次元形状計測データによりコンテンツ化、実物展示と合わせて楽しめる作品です。(上演時間約30分)

 なお、観覧料は高校生以上500円、中学生・小学生300円、未就学児、障がい者及び介護者1名は無料です。
 チケットは、東京国立博物館への入館時に正門観覧券売場(窓口)で、入館券とシアター券の両方を購入すると100円の割引があります。シアター券そのものは、東洋館地下ミュージアムシアター前でも購入できますが、この場合は割引はないようです。また、上演開始後のご入場はできませんのでご注意ください。

2013-02-06

自然の恵みを色にする

 先日、「伝統の森」で行なわれた自然染色のワークショップの成果です。今回は、かなり本格的な取り組みになったようです。
 染め材と媒染を紹介します。左から、インディアン・アーモンドの葉で染めて鉄媒染した黒、ライチの木(心材)で染めて鉄媒染したグレー、インド藍を一晩水に浸け生葉染めした藍色。ラック(ラックカイガラムシの巣)で染めて鉄媒染した紫、同じくラックで染めて明礬媒染した赤。ココナツの殻(中果皮)で染めて明礬媒染したベージュ、フクギの木(樹皮)で染めて鉄媒染したグリーン、同じくフクギの木で染めて明礬媒染した黄、バナナの葉で染めて明礬媒染したベージュです。

2013-02-03

プレア・コー

 2月2日付で配信されたメールマガジン「メコンにまかせ」(vol.282)から、「伝統の森」の近況をご紹介します。

 プレア・コーと呼ばれる、聖なる牛の神様を「伝統の森」に奉納することにした。もう6年ほど前になるのか、「伝統の森」には牛の神様が鎮座されるべきだという、ささやきのお声があった。しかし、それを心に留めながらも、なかなか実現する機会が訪れなかった。
 「伝統の森」の事業に着手してから、今年で10年目を迎える。150人からの人々が暮らす村となり、小さいながらも自然の森を再生させることもできた。念願のラックカイガラムシも、わたしたちが育てた森に戻ってきてくれた。そうした記念にもなる。そしてこれからも末永く、牛の神様に守られながら「伝統の森」の事業が発展していくことを願い、お迎えすることにした。
 カンボジアには古くから、牛の神様に対する信仰があったようだ。昔話というか、伝承として人々のなかに伝えられている。それは農業を基本とする人たちの豊かさと自然と牛への感謝の気持ちともいえる。自然とそこにおられる八百万の神々に感謝の心をもつ身として、神様をお迎えすることができ、わたし的には少し緊張の日々をすごしている。
 牛の神様は、日本でも多くの神社などで見受けられる。たとえば、京都でいえば北野の天神さん。境内には、たくさんの牛の神様が奉納されている。それを子どもの頃から見てきたせいか、わたしには違和感がない。
 カンボジアでは、プノンペンの北、ウドンの古い寺院に牛の神様が安置されている。それ以外のところでは、失われてしまったようだ。唯一、プノンペンのナショナル・ミュージアムに一メートルほどの青銅製のものが残されている。本来なら、アンコールの寺院にも牛の神様があってしかるべきだと思える。タイにあるクメール寺院には、まだ牛の神様が残されているところが何か所かある。
 大きさは1メートル20センチほど。石はバンテアイスレイ寺院と同じく、赤い砂岩にした。シェムリアップの石工にお願いし、作業にとりかかってもらっている。じつは不思議な縁があり、60センチほどの古い木製の、黒く漆が塗られたプレア・コーをすでに奉っている。それを参考に、併せてウドンの寺院の黒光りした石のプレア・コーの写真も見てもらいつつ、である。クメールの牛の神様の特徴は、頭が少し上に上がっているところ。石工的には作り辛いようだ。
 奉納する場所は「伝統の森」の入り口近く、6メートルほどに育っている菩提樹のすぐそば。その菩提樹の苗木も不思議な縁で、10年ほど前に「伝統の森」に植えることになったもの。そんな、すべてが、不思議な縁で結ばれている。でも、いちばん不思議な縁は、日本人のわたしがカンボジアのシェムリアップ郊外に、アンコールの森を再生しながら村を作り、カンボジアの人たちと暮らしていることかもしれない。
 3月16日-17日に、恒例の「蚕まつり」を開催する。それにあわせて、プリア・コー奉納の儀も執り行なう予定である。
森本喜久男

【以上、メールマガジン「メコンにまかせ」掲載記事から再掲】
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