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2017-07-23

IKTTの布 クロマー/Kroma

 細かいチェック柄の平織りの布。カンボジアではコットンのクロマースカーフが一般的だが、IKTTではあえてシルクで織っている。シルクではないものには、アーモンドの鉄媒染で染めたコットンのクロマーと、コットンとシルク混紡のクロマーがある。
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 IKTTのシルクのクロマーには、定番ともいえる赤や黒のチェック柄のほか、茶色(ココナッツ)や緑(プロフー)で染めたクロマーもある。


左:ラックで染めた赤のチェック柄のシルクのクロマー
右:インディアン・アーモンドの鉄媒染で染めたコットンのクロマー

2017-07-22

IKTTの布 ファブリック/Fabric

 平織りしたシルクを、自然染料で後染めした布。ハンカチ同様、さまざまな染め材を使って染めている。
 日常的に使える一枚である。大判のものはストールとして、細幅のものはスカーフに。日本では、夏の冷房対策としてオフィスなどで使用する女性も多い。


写真左から順に、黒(インディアン・アーモンド+鉄媒染)、グレー(ライチ+鉄媒染)、茶(ココナッツ+石灰媒染)、薄茶(ココナッツ+明礬媒染)、淡いベージュ(ブーゲンビリア+明礬媒染)、緑(プロフー+鉄媒染)、黄(プロフー+明礬媒染)です。
 この他に、赤(ラック+明礬媒染)、紫(ラック+鉄媒染)、淡いベージュ(バナナ+明礬媒染)、青(藍)、白(生成り)などもあります(ブーゲンビリアとバナナ、どちらも淡いベージュとしていますが、染め材は異なるものの、染め上がりはほとんど同じになっています)。

2017-07-19

IKTTの布 ストライプ/Stripe

 絣と同じように括り分けて染めた緯糸(よこいと)と、括らずに染めた緯糸とを、それぞれ一定の間隔で交互に細かく織り込むことで、味のある縞柄に仕上げた布である。
 絣やパムアンと同じく、三枚綾(さんまいあや)である。
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 IKTTの“おばあ”のひとりオムチアは、このストライプが得意でした。
 1995年、森本さんが、カンボジア・ユネスコの事務所で紹介され、はじめてタケオの織物の村に向かったとき、訪ねた先の織り手がオムチア(ウォン・チアさん)だったのです。IKTTの物語はこのとき始まったと言えるかもしれません。


2017-07-17

IKTTの布 パムアン/Phamong

 経糸(たていと)と緯糸(よこいと)に異なる色の糸を用いて織り上げた布(同じ色糸を使う場合もある)。
 無地ではあるが、絣と同じく三枚綾(さんまいあや)で織り上げるため、表と裏で配色が異なり、玉虫色に輝く表情のある布に仕上がる。
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 パムアンという言葉の語源は、パー(=布)、ムアン(=都)から来ているという説明を聞いたことがあります。都、すなわち宮廷で好んで着用された、ハイカラな布ということでしょうか。たしかに、美しくきらびやかな布です。


写真中央部分の布は、経糸にラックの赤、緯糸にプロフーの黄色を用いたパムアン。

2017-07-14

IKTTの布 絣(かすり)/Ikat

 絣(かすり)とは、布を織る前に糸を括り分け、先染めして柄をつくりだす技法をいう。
 カンボジアの絹絣は、経糸(たていと)か緯糸(よこいと)のどちらかが2対1の割合で表に出る三枚綾(さんまいあや)の緯糸絣のため、布に施された柄に表裏があるようにも見える。
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 カンボジアの絣の柄に用いられるモティーフには、生命樹や仏陀、そしてナーガ(蛇あるいは龍の象徴)などの吉祥的な意味合いのモティーフ、鳥や蟹、魚などの身近な生き物を具体的に描いたモティーフ、そして「牛の目」とか「蓮のつぼみ」などと名づけられてはいるものの、かなり抽象化されたデザインのモティーフがある。


上;中央下部に寺院のなかに鎮座する仏陀、その上には生命樹。生命樹の左右にはアプサラが舞う。
下左:左右対称なかたちで括り出されたナーガのモティーフ。
下右:中央に蟹、その左右には羽ばたく鳥にも見えるモティーフが繰り返されている。

2017-07-03

お知らせ

2017年7月3日

IKTT(クメール伝統織物研究所)代表代行 岩本みどり
IKTT Japan有志代表 西川 潤

訃  報

IKTT(クメール伝統織物研究所)代表の森本喜久男は、病気療養中のところ、7月3日早朝、享年70で永眠いたしました。

ここに心から哀悼の意を表すとともに謹んでお知らせ申し上げます。

ついては通夜及び葬儀告別式は故人の意思、ご家族の意向として家族葬にて執り行うとのことですので、ご会葬およびご厚志につきましてもお控えいただきますようお願い申し上げます。
なおご家族葬とのことですので、葬儀の日時、場所等については控えさせていただきます。ご了承ください。
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July 3, 2017

Midori Iwamoto, Deputy Representative, IKTT (Institute of Khmer Traditional Textiles)
Jun Nishikawa, Representative, Friends of IKTT Japan

Mr. Kikuo Morimoto

It is with great sadness and sorrow that we inform you that Kikuo Morimoto, the founder and representative of IKTT (Institute of Khmer Traditional Textiles) passed away in the morning hours of July 3, 2017, after prolonged illness. He was 68 years old.

A private funeral will be held with close family members in accordance with the will of Mr. Morimoto and his family. Mr. Morimoto has asked that there be no condolence payments in the Japanese tradition.