5月下旬に、森本さんが一時帰国することが決まりました。それに合わせ、森本さんの報告会ならびにIKTTの布の展示・販売を行ないます。
■カンボジア・クメール伝統織物研究所:再生した伝統織物の村からの報告
とき:2009年5月21日(木)18時開場(19時講演開始)、21時終了予定
ところ:ぎゃらりー&カフェ 今昔庵 岐阜県岐阜市今町1-11
内容:IKTT(クメール伝統織物研究所)代表の森本喜久男さんによる講演、ならびにIKTTで制作されたカンボジア絹織物の展示と販売
定員:50名
入場:500円~(飲食代:コーヒー500円、お食事1500円、ケーキセット800円)
※お食事・ケーキセットを、ご希望の方は数量に限りがありますので、事前にお申し出ください。
申し込み先/問い合わせ先:e-mail:k.mizuno0802@gmail.com
Tel/Fax:058-295-1221(平野)
IKTT Japanは、長い戦乱で失われつつあったカンボジア独自のすばらしい伝統織物の復興をつうじて、人びとの暮らしと、それを支える自然環境の再生を目指し、カンボジアで活動を続ける現地NGO、IKTT(クメール伝統織物研究所)と、その創設者である故・森本喜久男の活動を支援するために発足した非営利任意団体です。 IKTT Japan Newsは、おもに日本国内でのIKTTに関するイベント情報やメディア掲載情報をお伝えしていきます。
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2009-04-30
2009-04-26
「もうひとつのスーダン・カンボジア...そして地球環境写真展」のご紹介
昨年5月に、「伝統の森」に滞在したフォトグラファー内藤順司さんの写真展『もうひとつのスーダン・カンボジア・・・そして地球環境写真展』が、鹿児島市の「かごしま環境未来館」で、まもなく開催されます。
と き:2009年5月9日(土)~5月24日(日)
火曜から土曜:9時30分から21時まで/日曜:9時30分から18時まで
※月曜日は休館となります
ところ:「かごしま環境未来館」鹿児島市城西2丁目1番5号
問い合わせ先:099-806-6666
また、この写真展に連動して期間限定のブログが立ち上がりました。こちらも、あわせてご覧ください。
▼未来の君たちへ見せたい写真展ブログ
と き:2009年5月9日(土)~5月24日(日)
火曜から土曜:9時30分から21時まで/日曜:9時30分から18時まで
※月曜日は休館となります
ところ:「かごしま環境未来館」鹿児島市城西2丁目1番5号
問い合わせ先:099-806-6666
また、この写真展に連動して期間限定のブログが立ち上がりました。こちらも、あわせてご覧ください。
▼未来の君たちへ見せたい写真展ブログ
2009-04-19
「蚕まつり2009」と「ファッションショー」のご案内
みなさま、森本喜久男です。
昨年の、ファッションショーが好評だったからなのでしょうか。今年(2009年)の「蚕まつり」と、「ファッションショー」の開催予定について、すでにいくつかの問い合わせが入るようになってきました。
今年の「蚕まつり」は9月6日(日)、その前日の5日(土)に、前夜祭として「ファッションショー」を開催する予定です。
*
わたしたちIKTTは、これまで「伝統の森」で、毎年9月の満月の日にあわせ、蚕まつりを行なってきました。
ご存知のとおり、わたしたちは、カンボジア伝統の絹織物を制作しています。そして、その絹織物を販売することで、わたしを含め400人以上の研修生たちの生活が成り立っています。いわば、お蚕さんにわたしたちは「食べさせて」もらっているのです。
しかし、生糸を取るためには、そのお蚕さんを繭のまま釜茹でにします。つまり殺生をすることになります。カンボジアでは多くの人たちが敬虔な仏教徒です。仏教徒にとって、殺生はしてはならないことのひとつです。わたしが14年前、カンポットのタコー村で伝統的養蚕を再開しようと働きかけたときも、村びとのなかには「殺生するのはいや」と いう声がありました。しかし、わたしは、これは無益な殺生ではない、わたしたち自身がそれで生かされているのだ、と村びとたちに説明したのです。
「伝統の森」で養蚕を開始し、その蚕たちの繭からはじめて生糸ができたとき、わたしはそのことを思い出しました。そして、わたしたちがこの地でアンコールの神がみに生かされていることに感謝し、さらにはお蚕さんに生かされていることに感謝して、蚕を供養をしようと思い立ちました。古い中国の資料にも、蚕を祭る儀式があったことが記されています。日本やベトナムには、蚕寺があるそうです。養蚕が盛んだったところでは、蚕を祭る習慣があっても不思議ではありません。
2003年の9月の満月の日、「伝統の森」で、はじめて蚕まつりを催しました。午前中は、お蚕さんを供養する儀式を行ない、IKTTの研修生全員で昼食をとります。食事の準備もみんなで分担して行ないます。食事のあとは、青空ディスコで盛り上がるのが定番となりました。
今年は、9月6日(日)に、その蚕まつりを開催いたします。さらに、5日(土)の夜には、ファッションショーをメインイベントとする前夜祭を、「伝統の森」で開催いたします。このファッションショーの基本にあるのは、「自分たちが織り上げた布を、自分たちでまとって、ステージに立つ」ということです。自分たちの作っているものは、こんなにもすばらしいものなのだということを、IKTTのメンバーのひとりひとりに理解してほしいと思うのです。
昨年のファッションショーについては、見学された方たちから高い評価をいただきました。今年はさらなるバージョンアップを試みるつもりでいます。
みまさま、「伝統の森」の蚕まつりに、そして「伝統の森」のファッションショーにぜひともお越しください。お待ちしております。
【メールマガジン「メコンにまかせ」掲載記事に、一部加筆修正】
なお、昨年(2008年)の前夜祭の様子を伝えるレポート(伝統の森・蚕祭り前夜祭印象記)については、たとえば以下の記事をご参照願います。
▼伝統の森・蚕祭り前夜祭印象記(メールマガジン「メコンにまかせ」[vol.126]掲載)
昨年の、ファッションショーが好評だったからなのでしょうか。今年(2009年)の「蚕まつり」と、「ファッションショー」の開催予定について、すでにいくつかの問い合わせが入るようになってきました。
今年の「蚕まつり」は9月6日(日)、その前日の5日(土)に、前夜祭として「ファッションショー」を開催する予定です。
*
わたしたちIKTTは、これまで「伝統の森」で、毎年9月の満月の日にあわせ、蚕まつりを行なってきました。
ご存知のとおり、わたしたちは、カンボジア伝統の絹織物を制作しています。そして、その絹織物を販売することで、わたしを含め400人以上の研修生たちの生活が成り立っています。いわば、お蚕さんにわたしたちは「食べさせて」もらっているのです。
しかし、生糸を取るためには、そのお蚕さんを繭のまま釜茹でにします。つまり殺生をすることになります。カンボジアでは多くの人たちが敬虔な仏教徒です。仏教徒にとって、殺生はしてはならないことのひとつです。わたしが14年前、カンポットのタコー村で伝統的養蚕を再開しようと働きかけたときも、村びとのなかには「殺生するのはいや」と いう声がありました。しかし、わたしは、これは無益な殺生ではない、わたしたち自身がそれで生かされているのだ、と村びとたちに説明したのです。
「伝統の森」で養蚕を開始し、その蚕たちの繭からはじめて生糸ができたとき、わたしはそのことを思い出しました。そして、わたしたちがこの地でアンコールの神がみに生かされていることに感謝し、さらにはお蚕さんに生かされていることに感謝して、蚕を供養をしようと思い立ちました。古い中国の資料にも、蚕を祭る儀式があったことが記されています。日本やベトナムには、蚕寺があるそうです。養蚕が盛んだったところでは、蚕を祭る習慣があっても不思議ではありません。
2003年の9月の満月の日、「伝統の森」で、はじめて蚕まつりを催しました。午前中は、お蚕さんを供養する儀式を行ない、IKTTの研修生全員で昼食をとります。食事の準備もみんなで分担して行ないます。食事のあとは、青空ディスコで盛り上がるのが定番となりました。
今年は、9月6日(日)に、その蚕まつりを開催いたします。さらに、5日(土)の夜には、ファッションショーをメインイベントとする前夜祭を、「伝統の森」で開催いたします。このファッションショーの基本にあるのは、「自分たちが織り上げた布を、自分たちでまとって、ステージに立つ」ということです。自分たちの作っているものは、こんなにもすばらしいものなのだということを、IKTTのメンバーのひとりひとりに理解してほしいと思うのです。
昨年のファッションショーについては、見学された方たちから高い評価をいただきました。今年はさらなるバージョンアップを試みるつもりでいます。
みまさま、「伝統の森」の蚕まつりに、そして「伝統の森」のファッションショーにぜひともお越しください。お待ちしております。
【メールマガジン「メコンにまかせ」掲載記事に、一部加筆修正】
なお、昨年(2008年)の前夜祭の様子を伝えるレポート(伝統の森・蚕祭り前夜祭印象記)については、たとえば以下の記事をご参照願います。
▼伝統の森・蚕祭り前夜祭印象記(メールマガジン「メコンにまかせ」[vol.126]掲載)
日本国内での通信販売休止のお知らせ
現在、IKTT Japanによる日本国内での通信販売は、都合により休止させていただいております。
日本国内での、IKTTのクメールシルクのお求めは、このIKTT Japan News、あるいは森本喜久男が発信するメールマガジン「メコンにまかせ」でご案内する、日本国内でのイベント情報でご確認いただければ幸いです。メールマガジン「メコンにまかせ」の配信申し込みは、左側上部の〔メルマガ「メコンにまかせ」の登録〕から、配信元のまぐまぐのサイトでご登録ください。
日本国内での、IKTTのクメールシルクのお求めは、このIKTT Japan News、あるいは森本喜久男が発信するメールマガジン「メコンにまかせ」でご案内する、日本国内でのイベント情報でご確認いただければ幸いです。メールマガジン「メコンにまかせ」の配信申し込みは、左側上部の〔メルマガ「メコンにまかせ」の登録〕から、配信元のまぐまぐのサイトでご登録ください。
2009-04-14
4月19日放送、読売テレビ「グッと!地球便」
4月19日(日)放送の、読売テレビ「グッと!地球便 海の向こうの大切な人へ」で、IKTTの日本人スタッフ加藤尚子さんが紹介されます。
放送時間は、4月19日(日)の午前10時25分からです。シエムリアップのショップの様子なども、紹介されることと思います。ぜひともご覧ください。
※残念ながら、この番組は全国枠での放送ではないので、読売テレビのほかは、中京テレビ・西日本放送・テレビ大分・青森放送での放送となります(それぞれ放送時間は異なります)。
▼「グッと!地球便 海の向こうの大切な人へ」
放送時間は、4月19日(日)の午前10時25分からです。シエムリアップのショップの様子なども、紹介されることと思います。ぜひともご覧ください。
※残念ながら、この番組は全国枠での放送ではないので、読売テレビのほかは、中京テレビ・西日本放送・テレビ大分・青森放送での放送となります(それぞれ放送時間は異なります)。
▼「グッと!地球便 海の向こうの大切な人へ」
2009-04-12
伝統の森・再生計画のために(桑の木基金のご案内)
カンボジアは、アンコールの遺跡群で知られるように、古くから独自の文化を築き上げてきました。非常に繊細な絣の絹織物も、そのひとつといえます。その絹織物を支えていたのが、熱帯種の蚕が生み出す黄金色に輝くしなやかな生糸でした。しかし、1970年に始まった内戦とその後の混乱のうちに、優れた織り手の多くは亡くなり、その優れた技術は途絶えかけていました。村の暮らしとともにあった養蚕の伝統もまた、廃れかけていました。
カンボジアで伝統織物の復興とその活性化に取り組みはじめたIKTT(クメール伝統織物研究所)は、1995年にカンポット州タコー村で小さな養蚕再開プロジェクトをはじめました。それは、生糸なくして織物の復興はありえないと考えたからであります。その経験をもとに、新たな地域での養蚕プロジェクトの展開を計画、バッタンバン、そしてポイペットへ苗木を準備、届けました。しかし、この両地域ではそれぞれ異なる理由で養蚕の再開にいたることはできませんでした。
この養蚕プロジェクトの経験は、シエムリアップへの研究所の移転と共に、あたらしい展開へと発展してきております。それは、シエムリアップでの「伝統の森・再生計画」の開始と、そこにおける養蚕の実施であります。
養蚕をはじめるためには、まず桑の苗木が必要です。その活動を、日本から多くの個人の方々よりこれまで支援してきていただいたのが「桑の木基金」です。2003年、新た始まった「伝統の森・再生計画」では、桑の木のみならず、綿花や自然染色の染め材となる植物――藍、プロフーやライチ、そしてラックカイガラムシが棲む木など――の苗を準備しながら、伝統織物を支えていたカンボジアの自然環境=森の再生、復興を進めていこうとしています。そのために現在、「桑の木基金」はその対象を桑の苗に限定せずに、森の再生に必要な苗木を準備するための基金として継続させていきたく、しかし、「桑の木」の基金名称は活動の象徴として残していきたいと考えております。
伝統織物の復活と、それを包み込む自然環境を取り戻すために、カンボジアに“森”を育てていきませんか? 皆様のご支援ご協力を、ここにあらためてお願いいたします。桑の木基金は、苗木3本を一口とし、一口3,000円とさせていただきます。(森本喜久男)
*************************************
1口:3000円
口座 国際ボランティア貯金 ぱるる
記号 14400-2 番号 29352321
名義 森本喜久男
*************************************
あるいは
*************************************
1口:3000円
ゆうちょ銀行
店番 448
店名 四四八店(ヨンヨンハチ店)
口座 普)2935232
名義 森本喜久男
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カンボジアで伝統織物の復興とその活性化に取り組みはじめたIKTT(クメール伝統織物研究所)は、1995年にカンポット州タコー村で小さな養蚕再開プロジェクトをはじめました。それは、生糸なくして織物の復興はありえないと考えたからであります。その経験をもとに、新たな地域での養蚕プロジェクトの展開を計画、バッタンバン、そしてポイペットへ苗木を準備、届けました。しかし、この両地域ではそれぞれ異なる理由で養蚕の再開にいたることはできませんでした。
この養蚕プロジェクトの経験は、シエムリアップへの研究所の移転と共に、あたらしい展開へと発展してきております。それは、シエムリアップでの「伝統の森・再生計画」の開始と、そこにおける養蚕の実施であります。
養蚕をはじめるためには、まず桑の苗木が必要です。その活動を、日本から多くの個人の方々よりこれまで支援してきていただいたのが「桑の木基金」です。2003年、新た始まった「伝統の森・再生計画」では、桑の木のみならず、綿花や自然染色の染め材となる植物――藍、プロフーやライチ、そしてラックカイガラムシが棲む木など――の苗を準備しながら、伝統織物を支えていたカンボジアの自然環境=森の再生、復興を進めていこうとしています。そのために現在、「桑の木基金」はその対象を桑の苗に限定せずに、森の再生に必要な苗木を準備するための基金として継続させていきたく、しかし、「桑の木」の基金名称は活動の象徴として残していきたいと考えております。
伝統織物の復活と、それを包み込む自然環境を取り戻すために、カンボジアに“森”を育てていきませんか? 皆様のご支援ご協力を、ここにあらためてお願いいたします。桑の木基金は、苗木3本を一口とし、一口3,000円とさせていただきます。(森本喜久男)
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1口:3000円
口座 国際ボランティア貯金 ぱるる
記号 14400-2 番号 29352321
名義 森本喜久男
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あるいは
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1口:3000円
ゆうちょ銀行
店番 448
店名 四四八店(ヨンヨンハチ店)
口座 普)2935232
名義 森本喜久男
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2009-04-11
シエムリアップ・IKTTまでの歩き方
オールドマーケット(プサー・チャー)の南側にあるタ・プローム・ホテルの玄関前に立ち、右斜め前の方向に、道路を挟んで流れるトンレサップ川に沿って進みます。川岸には遊歩道が整備されています。
道なりに(つまり川に沿って)歩くこと5~6分で、右手前方に「クメール伝統織物研究所」という日本語と、アルファベットでIKTTと書かれた緑色の看板が見えてきます。ここがIKTTです。
シエムリアップのショップ&ギャラリーの営業時間は、朝8時から夕方6時まで(年中無休)です。
工房の見学を希望されるかたは、平日の朝9時から夕方5時までの間にお越しください。(できるだけ事前にご予約をお願いします。なお、工房は、正午から午後2時まではお昼休み、日曜日はお休みです)。
【メールマガジン「メコンにまかせ」掲載記事に、一部加筆修正】
道なりに(つまり川に沿って)歩くこと5~6分で、右手前方に「クメール伝統織物研究所」という日本語と、アルファベットでIKTTと書かれた緑色の看板が見えてきます。ここがIKTTです。
シエムリアップのショップ&ギャラリーの営業時間は、朝8時から夕方6時まで(年中無休)です。
工房の見学を希望されるかたは、平日の朝9時から夕方5時までの間にお越しください。(できるだけ事前にご予約をお願いします。なお、工房は、正午から午後2時まではお昼休み、日曜日はお休みです)。
【メールマガジン「メコンにまかせ」掲載記事に、一部加筆修正】
ピアックスナエン・「伝統の森」への道のり
「伝統の森」は、シエムリアップの町から北へ約30キロ、車で約1時間のところにあります。
通行証のチェックゲートを通過し、アンコール・ワットの環濠に突き当たったところを左に折れ、アンコール・ワットを右手に見つつ回り込み、直進します。アンコールトムの南大門をくぐり、四面仏の尊顔が微笑むバイヨン寺院を通り越し、さらに北に進みます。
プリアカン寺院の門前を過ぎて道路が大きく右にカーブした先に、左に折れる一本道が現われます。この道を道なりに約10キロ、途中何度か川を渡り、左手の木立の間にお寺が見えたらすぐ先の道を右へ。曲がり角に設置してあるIKTTとMORIMOTOの名前の入った緑色の看板を確認してください。ここから、さらに約4キロ、ふたたび川を渡り、しばらく行くと右手に「伝統の森」の入口が現われます(写真は「伝統の森」の入口です)。
2015年3月現在、シエムリアップの町から「伝統の森」までタクシーで往復40~60ドルが相場です(郊外に向かうタクシー料金は、シエムリアップ基点での往復運賃を請求されるので、片道でも料金は同じです)。
★ご注意★2015年3月現在、このルートは大型車両の通行ができません(路上に大型車の通行を阻むパイルが立てられています)。セダンタイプのタクシーやトゥクトゥク、バイクであれば問題ありません。大型車両は、バンテアイスレイへ向かう道からの右回りルートを選択してください。
なお、シエムリアップからアンコール遺跡群へ向かう途中で立ち寄る通行証のチェックゲートで「ピアックスナエンの養蚕の村へ行く」と説明すれば、通行証を購入しなくてもゲートを通過できるはずです。
※『カンボジア絹絣の世界』p.116 の「シエムリアップ周辺図」にも、「伝統の森」の位置がプロットされております。こちらも参考にしてください。【メールマガジン「メコンにまかせ」掲載記事に、一部加筆修正】
通行証のチェックゲートを通過し、アンコール・ワットの環濠に突き当たったところを左に折れ、アンコール・ワットを右手に見つつ回り込み、直進します。アンコールトムの南大門をくぐり、四面仏の尊顔が微笑むバイヨン寺院を通り越し、さらに北に進みます。
プリアカン寺院の門前を過ぎて道路が大きく右にカーブした先に、左に折れる一本道が現われます。この道を道なりに約10キロ、途中何度か川を渡り、左手の木立の間にお寺が見えたらすぐ先の道を右へ。曲がり角に設置してあるIKTTとMORIMOTOの名前の入った緑色の看板を確認してください。ここから、さらに約4キロ、ふたたび川を渡り、しばらく行くと右手に「伝統の森」の入口が現われます(写真は「伝統の森」の入口です)。
2015年3月現在、シエムリアップの町から「伝統の森」までタクシーで往復40~60ドルが相場です(郊外に向かうタクシー料金は、シエムリアップ基点での往復運賃を請求されるので、片道でも料金は同じです)。
★ご注意★2015年3月現在、このルートは大型車両の通行ができません(路上に大型車の通行を阻むパイルが立てられています)。セダンタイプのタクシーやトゥクトゥク、バイクであれば問題ありません。大型車両は、バンテアイスレイへ向かう道からの右回りルートを選択してください。
なお、シエムリアップからアンコール遺跡群へ向かう途中で立ち寄る通行証のチェックゲートで「ピアックスナエンの養蚕の村へ行く」と説明すれば、通行証を購入しなくてもゲートを通過できるはずです。
※『カンボジア絹絣の世界』p.116 の「シエムリアップ周辺図」にも、「伝統の森」の位置がプロットされております。こちらも参考にしてください。【メールマガジン「メコンにまかせ」掲載記事に、一部加筆修正】
「伝統の森」とは
「伝統の森」とは?
IKTT(クメール伝統織物研究所)の森本さんが、現地で取り組んでいるプロジェクト「伝統の森・再生計画」のプロジェクトサイトを指します。
どこにあるの?
シエムリアップの町からは、北へ車でおよそ1時間ほどのところに位置し、シエムリアップ州アンコールトム郡のピアックスナエンと呼ばれる地域にあります。
どんなところ?
2009年4月現在、森本さんをはじめ、IKTTのスタッフたちとその家族約200人が暮らしています。
カンボジアの伝統織物の制作が行なわれている工芸村エリアでは、養蚕に始まり、糸繰り、括り、染色と、生糸が絹織物に織り上げられるまでの工程の、さまざまな作業が行なわれています。織り上がった絣布などを展示販売するショップ、訪問者が宿泊するゲストハウスも、この工芸村エリアにあります。
「伝統の森」のうち、ほぼ半分のエリアでは「森」の再生を促しています。残りの半分が開墾され、桑畑、綿花畑、藍畑などのほか、工芸村や居住地区、学校、野菜畑になっています。
いつ始まったの?
2002年7月に、まず約5ヘクタールの土地を取得しました。これが、「伝統の森・再生計画」の第一歩でした。翌2003年の2月からは、タコー村の若者たちが住み込み、開墾に着手します。一方で、桑や染め材となる植物の苗を準備して育てていきます。こうして、シエムリアップの工房での織物づくりと並行して、「伝統の森」での森の再生と、新しい村づくりが始まったのです。荒れ地をひらき、道をつくり、少しづつ開墾エリアを広げ、そこに桑や藍の苗を植え、野菜畑をつくり、家を建てたりと、すべては手づくりです。その後、何度かの土地の拡張を経て、現在「伝統の森」は、約22ヘクタールの規模にまで広がりました。
なぜ森を育て、村までつくるの?
カンボジアの伝統織物の復興に携わるうちに森本さんは、織物を再生するだけではなく、織り手を育て、さらには織り手である村びとたちが暮らす自然環境までを再生しなければ、伝統織物を再生したことにはならない、と考えるようになりました。かつてカンボジアの村には、手の届くところに染め織りの素材があり、村の外から何も持ち込まなくても、すばらしい織物が生み出せる自然と環境がありました。そうした自然環境(=森)の再生と、その自然の恵みを上手に生かすカンボジアの人びとの「暮らし」と「知恵」の復活、それらすべてを統合したかたちで「伝統織物の復興」を進めようというのが、森本さんが「伝統の森・再生計画」と名づけたプロジェクトなのです。
[注:「伝統の森」の見取図は日本放送出版協会の掲載許諾を得たもので、転載は不可です]
IKTT(クメール伝統織物研究所)の森本さんが、現地で取り組んでいるプロジェクト「伝統の森・再生計画」のプロジェクトサイトを指します。
どこにあるの?
シエムリアップの町からは、北へ車でおよそ1時間ほどのところに位置し、シエムリアップ州アンコールトム郡のピアックスナエンと呼ばれる地域にあります。
どんなところ?
2009年4月現在、森本さんをはじめ、IKTTのスタッフたちとその家族約200人が暮らしています。
カンボジアの伝統織物の制作が行なわれている工芸村エリアでは、養蚕に始まり、糸繰り、括り、染色と、生糸が絹織物に織り上げられるまでの工程の、さまざまな作業が行なわれています。織り上がった絣布などを展示販売するショップ、訪問者が宿泊するゲストハウスも、この工芸村エリアにあります。
「伝統の森」のうち、ほぼ半分のエリアでは「森」の再生を促しています。残りの半分が開墾され、桑畑、綿花畑、藍畑などのほか、工芸村や居住地区、学校、野菜畑になっています。
いつ始まったの?
2002年7月に、まず約5ヘクタールの土地を取得しました。これが、「伝統の森・再生計画」の第一歩でした。翌2003年の2月からは、タコー村の若者たちが住み込み、開墾に着手します。一方で、桑や染め材となる植物の苗を準備して育てていきます。こうして、シエムリアップの工房での織物づくりと並行して、「伝統の森」での森の再生と、新しい村づくりが始まったのです。荒れ地をひらき、道をつくり、少しづつ開墾エリアを広げ、そこに桑や藍の苗を植え、野菜畑をつくり、家を建てたりと、すべては手づくりです。その後、何度かの土地の拡張を経て、現在「伝統の森」は、約22ヘクタールの規模にまで広がりました。
なぜ森を育て、村までつくるの?
カンボジアの伝統織物の復興に携わるうちに森本さんは、織物を再生するだけではなく、織り手を育て、さらには織り手である村びとたちが暮らす自然環境までを再生しなければ、伝統織物を再生したことにはならない、と考えるようになりました。かつてカンボジアの村には、手の届くところに染め織りの素材があり、村の外から何も持ち込まなくても、すばらしい織物が生み出せる自然と環境がありました。そうした自然環境(=森)の再生と、その自然の恵みを上手に生かすカンボジアの人びとの「暮らし」と「知恵」の復活、それらすべてを統合したかたちで「伝統織物の復興」を進めようというのが、森本さんが「伝統の森・再生計画」と名づけたプロジェクトなのです。
[注:「伝統の森」の見取図は日本放送出版協会の掲載許諾を得たもので、転載は不可です]
2009-04-10
『メコンにまかせ~東北タイ・カンボジアの村から』
【書誌データ】
書名:メコンにまかせ~東北タイ・カンボジアの村から
著者:森本喜久男
発行所:第一書林
発行:1998年4月1日
定価:2000円(+税)
ISBN:978-4-88646-138-7 C025
【内容紹介】
1996年1月に、IKTT(クメール伝統織物研究所)は、カンボジアの現地NGOとして設立されました。2009年のいま、この『メコンにまかせ』を読み返してみると、本書はIKTTが設立されるまでの記録、まさにIKTT前史として読むことができます。
IKTTを設立する前に、森本さんはどこで何をしていたのか。東北タイの村びとたちとどんなことを話し合い、何をしようとしていたのか。カンボジアユネスコのコンサルタントとしてのフィールドワークのなかで、どうやって村を訪ね、だれに話を聞き、どんな現実を目にしたのか。養蚕の経験のあるタコー村の人たちに出会い、彼ら彼女らとどうやって「伝統的養蚕」の再開にこぎつけたのか。そうしたさまざまな経験の延長線上に、いまの森本さんがあるのだと思います。
京都で友禅染の工房を営んでいた森本さんは、1980年にはじめてバンコクを訪れクロントイ-スラムに滞在し、その後しばらくして、工房をたたみ難民キャンプのボランティアとしてタイに渡り、いくつかの紆余曲折を経て、東北タイの村びとと手織物と草木染に取り組むようになります。そうした経験の積み重ねが、森本さんとカンボジアを結びつけ、カンボジアで訪れた村でのちょっとした発見が、カンボジアユネスコのコンサルタントとしての調査実施へとつながっていったのです。そして、その調査の過程でカンボジアの伝統織物の現状をつぶさに知り、そのことで森本さんは、より深くカンボジアの伝統織物にかかわるようになっていきます。
カンボウジュ種の黄金の生糸に導かれたかのように、日本からタイへ、東北タイの村からカンボジアへ、そして現在の「伝統の森」へと、森本さんの「現場」は移っていきます。そのときどきで適うべくベストな選択をしてきただけで、初めからカンボジアでIKTTを始めようと思っていたわけではないのにもかかわらず、振り返ってみると、すべてが現在のIKTTへと繋がっているように思えるから不思議です。
この本には、現在のIKTTの活動をかたちづくる「下地」ともいえるさまざまなエピソードが詰まっています。東南アジアにおいて、よそ者の日本人が、現地の人たちを何かを成し遂げるために、一人の人間として必要なこと――NGOや国際援助の場で常に問われることの原点が、ここから見て取れるように思います。
※残念ながら『メコンにまかせ』は現在品切中です。「復刊ドットコム」というサイトで、復刊リクエスト投票を呼びかけています。復刊リクエストでの『メコンにまかせ』の復刊リクエスト投票、ならびに「復刊ドットコム」の詳細については以下のサイトでご確認ください。
▼『メコンにまかせ』復刊リクエスト投票
▼復刊ドットコム
書名:メコンにまかせ~東北タイ・カンボジアの村から
著者:森本喜久男
発行所:第一書林
発行:1998年4月1日
定価:2000円(+税)
ISBN:978-4-88646-138-7 C025
【内容紹介】
1996年1月に、IKTT(クメール伝統織物研究所)は、カンボジアの現地NGOとして設立されました。2009年のいま、この『メコンにまかせ』を読み返してみると、本書はIKTTが設立されるまでの記録、まさにIKTT前史として読むことができます。
IKTTを設立する前に、森本さんはどこで何をしていたのか。東北タイの村びとたちとどんなことを話し合い、何をしようとしていたのか。カンボジアユネスコのコンサルタントとしてのフィールドワークのなかで、どうやって村を訪ね、だれに話を聞き、どんな現実を目にしたのか。養蚕の経験のあるタコー村の人たちに出会い、彼ら彼女らとどうやって「伝統的養蚕」の再開にこぎつけたのか。そうしたさまざまな経験の延長線上に、いまの森本さんがあるのだと思います。
京都で友禅染の工房を営んでいた森本さんは、1980年にはじめてバンコクを訪れクロントイ-スラムに滞在し、その後しばらくして、工房をたたみ難民キャンプのボランティアとしてタイに渡り、いくつかの紆余曲折を経て、東北タイの村びとと手織物と草木染に取り組むようになります。そうした経験の積み重ねが、森本さんとカンボジアを結びつけ、カンボジアで訪れた村でのちょっとした発見が、カンボジアユネスコのコンサルタントとしての調査実施へとつながっていったのです。そして、その調査の過程でカンボジアの伝統織物の現状をつぶさに知り、そのことで森本さんは、より深くカンボジアの伝統織物にかかわるようになっていきます。
カンボウジュ種の黄金の生糸に導かれたかのように、日本からタイへ、東北タイの村からカンボジアへ、そして現在の「伝統の森」へと、森本さんの「現場」は移っていきます。そのときどきで適うべくベストな選択をしてきただけで、初めからカンボジアでIKTTを始めようと思っていたわけではないのにもかかわらず、振り返ってみると、すべてが現在のIKTTへと繋がっているように思えるから不思議です。
この本には、現在のIKTTの活動をかたちづくる「下地」ともいえるさまざまなエピソードが詰まっています。東南アジアにおいて、よそ者の日本人が、現地の人たちを何かを成し遂げるために、一人の人間として必要なこと――NGOや国際援助の場で常に問われることの原点が、ここから見て取れるように思います。
※残念ながら『メコンにまかせ』は現在品切中です。「復刊ドットコム」というサイトで、復刊リクエスト投票を呼びかけています。復刊リクエストでの『メコンにまかせ』の復刊リクエスト投票、ならびに「復刊ドットコム」の詳細については以下のサイトでご確認ください。
▼『メコンにまかせ』復刊リクエスト投票
▼復刊ドットコム
2009-04-08
『カンボジア絹絣の世界~アンコールの森によみがえる村』
【書誌データ】
書名:カンボジア絹絣の世界~アンコールの森によみがえる村
著者:森本喜久男
発行所:日本放送出版協会(NHKブックス1102)
発行:2008年1月30日
定価:970円(+税)
ISBN:978-4-14-091102-0 C1339
【出版にあたっての森本さんからのメッセージ】
このたび『カンボジア絹絣の世界~アンコールの森によみがえる村』が、NHKブックスから発売になりました。前著『メコンにまかせ』から10年、ようやくかたちにすることができました。多くの方たちから、続編は出さないのかとたずねられておりましたから、これでようやく肩の荷がひとつ下ろせたような気がしております。
早いもので、わたしがIKTTを設立してから12年になります。この『カンボジア絹絣の世界』には、これまでわたしたちが取り組んできたこと、現在のIKTTの状況、そして「伝統の森」再生計画が目指していることなどについて、かなりくわしく書いたつもりです。染め織りに関する描写もできるだけ書き込みました。巻末には「IKTTの絣布ができるまで」と題し、桑の苗を育て、養蚕をし、生糸を引き、それを括り、染め、織り上げるまでの工程を、写真とともに簡潔に説明したページもつきました。本文中には「伝統の森」の位置をプロットした「シエムリアップ周辺図」と、現状でいちばん詳細な「伝統の森」の見取図も掲載されています。
前著『メコンにまかせ』は、わたしがタイを訪れ、黄金の生糸に出会い、そして東北タイの村びとたちと試行錯誤しながら染め織りを手がけてきたことと、カンボジアユネスコのコンサルタントとして「カンボジア絹織物の現状調査」を担当したことで、 カンボジアの伝統織物が置かれた現状を知り、その結果としてタコー村で伝統的養蚕の復活プロジェクトに取り組み、そしてIKTTを設立するに至るまでのことが記されています。いわば、IKTT前史とでもいえる内容でした。
今回の『カンボジア絹絣の世界~アンコールの森によみがえる村』が出版されたことで、IKTTは何をやっているところなのか、そして森本はこれから何をしようとしているのか、というみなさまの疑問に対する、ひとつの回答とさせていただけるのではないかと思っております。お読みいただければ、幸いです。(2008年2月 森本喜久男)
書名:カンボジア絹絣の世界~アンコールの森によみがえる村
著者:森本喜久男
発行所:日本放送出版協会(NHKブックス1102)
発行:2008年1月30日
定価:970円(+税)
ISBN:978-4-14-091102-0 C1339
【出版にあたっての森本さんからのメッセージ】
このたび『カンボジア絹絣の世界~アンコールの森によみがえる村』が、NHKブックスから発売になりました。前著『メコンにまかせ』から10年、ようやくかたちにすることができました。多くの方たちから、続編は出さないのかとたずねられておりましたから、これでようやく肩の荷がひとつ下ろせたような気がしております。
早いもので、わたしがIKTTを設立してから12年になります。この『カンボジア絹絣の世界』には、これまでわたしたちが取り組んできたこと、現在のIKTTの状況、そして「伝統の森」再生計画が目指していることなどについて、かなりくわしく書いたつもりです。染め織りに関する描写もできるだけ書き込みました。巻末には「IKTTの絣布ができるまで」と題し、桑の苗を育て、養蚕をし、生糸を引き、それを括り、染め、織り上げるまでの工程を、写真とともに簡潔に説明したページもつきました。本文中には「伝統の森」の位置をプロットした「シエムリアップ周辺図」と、現状でいちばん詳細な「伝統の森」の見取図も掲載されています。
前著『メコンにまかせ』は、わたしがタイを訪れ、黄金の生糸に出会い、そして東北タイの村びとたちと試行錯誤しながら染め織りを手がけてきたことと、カンボジアユネスコのコンサルタントとして「カンボジア絹織物の現状調査」を担当したことで、 カンボジアの伝統織物が置かれた現状を知り、その結果としてタコー村で伝統的養蚕の復活プロジェクトに取り組み、そしてIKTTを設立するに至るまでのことが記されています。いわば、IKTT前史とでもいえる内容でした。
今回の『カンボジア絹絣の世界~アンコールの森によみがえる村』が出版されたことで、IKTTは何をやっているところなのか、そして森本はこれから何をしようとしているのか、というみなさまの疑問に対する、ひとつの回答とさせていただけるのではないかと思っております。お読みいただければ、幸いです。(2008年2月 森本喜久男)
2009-04-06
メールマガジン「メコンにまかせ」のご案内
IKTT(クメール伝統織物研究所)代表の森本喜久男さんが、カンボジア・シエムリアップ郊外の「伝統の森」から発信するメールマガジン「メコンにまかせ」の配信申し込みは、左側上部の〔メルマガ「メコンにまかせ」の登録〕から、配信元のまぐまぐのサイトでご登録ください。
2009-04-05
IKTT(クメール伝統織物研究所)とは
【IKTTとは】
IKTT 、すなわちクメール伝統織物研究所(Institute for Khmer Traditional Textiles)は、カンボジアの伝統織物、とくに絹の絣布の復興を目的に、1996年1月に森本喜久男さんがカンボジアで設立した現地NGOです。IKTTの活動については、http://iktt.esprit-libre.org/ をご覧ください(左上のボタンからもサイトにリンクしています)。
【これまでの活動の履歴】
IKTTの発足当初は、カンポット州タコー村での養蚕再開プロジェクトを進めつつ、タケオ州などのかつての織物産地をまわり、存命する織り手の発掘と制作依頼を行なっていました。同時に、研究所に何名かの織り手を呼び寄せ、絣の柄や自然染料の復元のための調査研究を進めていました。当時のIKTTの活動のポイントを説明する際に、森本さんは「伝統の掘り起こし」という表現を使っています。
2000年1月、森本さんは活動の場をシエムリアップに移します。そして、研究所に工房を併設し、研修生の受け入れを始めました。プノンペンから移ってきたスタッフは、森本さんを含めて5人。そこに、少しづつ人を受け入れ始め、生糸の扱い方から、染め・織りへと少しづつ仕事を教えていきました。新たな担い手を育てなければ、カンボジアの織物は廃れてしまうという危機感がありました。
織物の担い手は、女性がほとんどです。そして、周囲を見回してみれば、その日の食事を工面するのがやっとのこと、という生活をしている人たちがたくさんいました。内戦の影響なのか、父親のいない、あるいはダンナさんのいない女性たちが子どもを抱えて暮らしています。であるなら、苦しい生活をしている女性たちに働く場を提供し、仕事として伝統織物の技術を身につけてもらうというのが、もっとも着実に織り手を育てていく方法であると考えたのだと思います。
研修生の受け入れに始まり、新しい世代に、伝統織物をつくる技術と「すばらしい布をつくる心」を伝えていく作業を、森本さんは「伝統の活性化」と説明します。これが、IKTTの活動における、いわば第2期のテーマでもありました。
2002年7月、シエムリアップ州アンコールトム郡に約5ヘクタールの土地を取得しました。これが、現在の「伝統の森」となる第一歩です。翌2003年の2月からは、タコー村の若者たちが住み込み、開墾に着手します。一方では、桑や染め材となる植物の苗を準備して育てていきます。こうして2003年からは、シエムリアップの工房での織物づくりと、「伝統の森」での村づくり、この2つが並行して動いていくことになります。IKTTの歴史のなかでは、ここからが第3期ということができるでしょう。そして、この頃から、いろいろなことが動き出します。
2003年の秋には、福岡市美術館で「カンボジアの染織」展が開催されました。ここにIKTTの布が展示されたわけではないのですが、織りと括りのデモンストレーションのため、IKTTから2名のスタッフが福岡にやってきました。また、2003年12月には、在シエムリアップの学術系NGOであるCenter for Khmer Studies(センター・フォー・クメール・スタディーズ)と共同で、2日間にわたるカンボジアの染織に関するセミナーを開催。そして、2004年9月に森本さんは、第11回ロレックス賞を受賞します。この受賞をきっかけにIKTTの活動は、欧米からも注目を集めるようになりました。
2008年1月、森本さんは、自身の生活の場をシエムリアップから「伝統の森」へと移しました。それまでにシエムリアップの工房の作業場の半分以上が「伝統の森」に移転を済ませたこともあり、「伝統の森」での本格的な作業に取り組むため、文字どおり、森の住人となったのです。シエムリアップには、括りと織りを担当する部門の一部と、研究所の運営と生産管理を担うアドミニストレーション部門、そしてギャラリー兼ショップが、これまでどおりの仕事を続けています。森本さんは、週に何度か、必要のあるときに「伝統の森」からシエムリアップまで出勤しています。
IKTT 、すなわちクメール伝統織物研究所(Institute for Khmer Traditional Textiles)は、カンボジアの伝統織物、とくに絹の絣布の復興を目的に、1996年1月に森本喜久男さんがカンボジアで設立した現地NGOです。IKTTの活動については、http://iktt.esprit-libre.org/ をご覧ください(左上のボタンからもサイトにリンクしています)。
【これまでの活動の履歴】
IKTTの発足当初は、カンポット州タコー村での養蚕再開プロジェクトを進めつつ、タケオ州などのかつての織物産地をまわり、存命する織り手の発掘と制作依頼を行なっていました。同時に、研究所に何名かの織り手を呼び寄せ、絣の柄や自然染料の復元のための調査研究を進めていました。当時のIKTTの活動のポイントを説明する際に、森本さんは「伝統の掘り起こし」という表現を使っています。
2000年1月、森本さんは活動の場をシエムリアップに移します。そして、研究所に工房を併設し、研修生の受け入れを始めました。プノンペンから移ってきたスタッフは、森本さんを含めて5人。そこに、少しづつ人を受け入れ始め、生糸の扱い方から、染め・織りへと少しづつ仕事を教えていきました。新たな担い手を育てなければ、カンボジアの織物は廃れてしまうという危機感がありました。
織物の担い手は、女性がほとんどです。そして、周囲を見回してみれば、その日の食事を工面するのがやっとのこと、という生活をしている人たちがたくさんいました。内戦の影響なのか、父親のいない、あるいはダンナさんのいない女性たちが子どもを抱えて暮らしています。であるなら、苦しい生活をしている女性たちに働く場を提供し、仕事として伝統織物の技術を身につけてもらうというのが、もっとも着実に織り手を育てていく方法であると考えたのだと思います。
研修生の受け入れに始まり、新しい世代に、伝統織物をつくる技術と「すばらしい布をつくる心」を伝えていく作業を、森本さんは「伝統の活性化」と説明します。これが、IKTTの活動における、いわば第2期のテーマでもありました。
2002年7月、シエムリアップ州アンコールトム郡に約5ヘクタールの土地を取得しました。これが、現在の「伝統の森」となる第一歩です。翌2003年の2月からは、タコー村の若者たちが住み込み、開墾に着手します。一方では、桑や染め材となる植物の苗を準備して育てていきます。こうして2003年からは、シエムリアップの工房での織物づくりと、「伝統の森」での村づくり、この2つが並行して動いていくことになります。IKTTの歴史のなかでは、ここからが第3期ということができるでしょう。そして、この頃から、いろいろなことが動き出します。
2003年の秋には、福岡市美術館で「カンボジアの染織」展が開催されました。ここにIKTTの布が展示されたわけではないのですが、織りと括りのデモンストレーションのため、IKTTから2名のスタッフが福岡にやってきました。また、2003年12月には、在シエムリアップの学術系NGOであるCenter for Khmer Studies(センター・フォー・クメール・スタディーズ)と共同で、2日間にわたるカンボジアの染織に関するセミナーを開催。そして、2004年9月に森本さんは、第11回ロレックス賞を受賞します。この受賞をきっかけにIKTTの活動は、欧米からも注目を集めるようになりました。
2008年1月、森本さんは、自身の生活の場をシエムリアップから「伝統の森」へと移しました。それまでにシエムリアップの工房の作業場の半分以上が「伝統の森」に移転を済ませたこともあり、「伝統の森」での本格的な作業に取り組むため、文字どおり、森の住人となったのです。シエムリアップには、括りと織りを担当する部門の一部と、研究所の運営と生産管理を担うアドミニストレーション部門、そしてギャラリー兼ショップが、これまでどおりの仕事を続けています。森本さんは、週に何度か、必要のあるときに「伝統の森」からシエムリアップまで出勤しています。
2009-04-02
IKTT Japan Newsを始めます
長い戦乱のうちに失われつつあったカンボジア独自のすばらしい伝統織物の復興をつうじて、人びとの暮らしと、それを支える自然環境の再生を目指し、カンボジアで活動を続ける現地NGO、IKTT(クメール伝統織物研究所)と、その代表である森本喜久男の活動を日本から支援するため、IKTT Japanは非営利任意団体として発足しました。
このIKTT Japan Newsは、主に日本国内でのIKTTに関するイベント情報やメディア掲載情報をお伝えしていきます。
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