8月1日発売の「をちこち(遠近)」30号(特集=メコンの暮らしから考える「人間と川」)に、森本さんが執筆した「豊かな自然と歴史がカンボジアの染め織りを支えてきた」というタイトルの原稿が掲載されます。
見開き4ページほどの原稿のなかに、ユネスコからの委託でカンボジア各地の織物の村を回り、そのことがきっかけとなりIKTTを立ち上げたこと、その後、シエムリアップの工房で研修生を受け入れ始め、さらには「伝統の森」再生計画に着手するに至った、これまでの経緯と、伝統の染め織りは自然とともにあったこと、そしてカンポジアの絹織物の特徴は、「綾織」と「絣」という、文化的背景が異なる2つの技法が融合したところにあるということなどをまとめています。すでに森本さんの『カンボジア絹絣の世界』をお読みになった方々にも、新しい観点が加わった刺激的な論考であるように思います。みなさま、ぜひともご覧ください。
この「をちこち(遠近)」は、国際交流基金が編集発行する隔月刊誌です(発売元は山川出版社)。
お求めは、アジア文庫をはじめとするお近くの書店あるいはインターネット書店からご注文ください。
定価:525円(本体500円)
発行:国際交流基金(ジャパンファウンデーション)
発売:山川出版社
ISBN:978-4-634-58048-0
IKTT Japanは、長い戦乱で失われつつあったカンボジア独自のすばらしい伝統織物の復興をつうじて、人びとの暮らしと、それを支える自然環境の再生を目指し、カンボジアで活動を続ける現地NGO、IKTT(クメール伝統織物研究所)と、その創設者である故・森本喜久男の活動を支援するために発足した非営利任意団体です。 IKTT Japan Newsは、おもに日本国内でのIKTTに関するイベント情報やメディア掲載情報をお伝えしていきます。
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2009-07-29
2009-07-26
京都市美術館「8.15国際平和美術展」にIKTTの絣布が展示されます
京都市美術館で開催される、第17回「8.15国際平和美術展」に、IKTTの絣布が展示されることになりました(入場無料)。
スペースも限られるため(個展ではないので)、ピダンとサンポットをそれぞれ1枚づつ、あとは絣柄のスカーフ数点と、インドシナ原産の黄金色の生糸が展示される予定とのことです。
なお、資料映像上映コーナーが設けられ、国立民族学博物館によるスバエク・トム(カンボジアの影絵芝居)のドキュメンタリー映像とともに、DVDビデオ「蚕まつり2008(完全版)」も上映される予定です。
会期は、7月29日(水)から8月2日(日)までの5日間です(最終日は、12時までですのでご注意ください)。
と き:7月29日(水)~8月2日(日)
開館時間:9時~17時まで
(入場は16時30分まで)
ところ:京都市美術館(本館2階)
京都市左京区岡崎円勝寺町124(岡崎公園内)
TEL:075-771-4107
▼京都市美術館(アクセス)
2009-07-10
クメール語小冊子『森の知恵』発行にむけて
現在、IKTTのWebサイトは、日本語、英語、クメール語で制作されています(すべての記事が3言語になっているわけではありません)。英語のテキストは、森本さんがメルマガ「メコンにまかせ」などに書いたものを、ボランティアの松岡さんが取捨選択しつつ、英訳したものが掲載されています。そして現在、その英訳された記事などのクメール語への翻訳を、IKTTスタッフであるサーカー青年が取り組みはじめています。
その、クメール語に翻訳されたものを、森本さんがIKTTのスタッフに見せたところ、みな一生懸命読んでいるようです。「お絵描き組」についての原稿を読んだ、お絵描き組の女性からは「なぜ給料を払いながら、絵を毎日描かせているのか、今日これを読んではじめてわかった、ありがとう」という反応があったそうです。サーカー君も、大学の同級生とその翻訳を読んで議論をすることもあるとのこと。さまざまな反応を見るうちに、森本さんは、このクメール語の翻訳を一冊の小冊子にまとめることを思い立ちます。
じつは一般のカンボジアの人たちにとって、黄金色に輝くクメールシルクや精緻な柄のピダンも、ラックや藍などの自然染料による染色も、もはや身近な存在ではありません。「伝統の森」を視察した政府の役人やNGOのローカルスタッフのなかに、なぜIKTTが化学染料を使わず、自動織機の並んだ工場も作らず、高床式家屋の階下で昔ながらの機織りをやっているのか、不審に思った人がいてもおかしくないのです。
カンボジアのたくさんの人たちに、カンボジアの伝統織物のすばらしさ、伝統の技を受け継ぐことの意味、染め織りの作業がその土地の自然と密接な関係があることなどを伝え、IKTTの活動の意図を理解してもらうためにも、この小冊子の発行は意味あるものとなるはずです。
以下、森本さんからみなさまへの呼びかけを、一部修正のうえ掲載いたします。
《クメール語小冊子『森の知恵』発行へのご寄付のお願い》
当初、この『森の知恵』の出版は、IKTTの自費で出せる範囲で、と考えておりました。しかし、できるだけたくさんのカンボジアの人たちに、このクメール語小冊子『森の知恵』を届けたいという思いのなか、もし可能であれば、出版に必要な費用をみなさまのご支援・ご協力によって実現できればと考えるようになりました。カンボジアの若い世代にこの本を届ける、その一助をここにお願い申し上げます。
発行部数は1000部を想定しておりますが、資金的に可能であれば部数を増していきたいと考えております。寄付金は、一口3000円から、とさせていただきます。
なお、ご寄付をいただいた方々のお名前を、この小冊子の末尾に記載し、これは日本の方々からの贈り物であることを伝えたいと思っております。お手数ですが、森本(iktt.info@gmail.com)までメールで〔@を半角英数に変換してご送信ください〕、ローマ字でのお名前の表記と併せて、お申し込み口数と入金予定日のご連絡をいただきたく、ここにお願い申し上げます。折り返し、振込先のご案内を送らせていただきます。
※クメール語小冊子『森の知恵』が出版にいたる経緯は、メールマガジン「メコンにまかせ」のvol.160とvol.161に掲載されました。vol.160ならびにvol.161の該当部分は、以下をご覧ください。
▼クメール語の小冊子 ~「メコンにまかせ」vol.160より
▼続・クメール語の小冊子 ~「メコンにまかせ」vol.161より
※森本さんのメールアドレス変更に伴ない、文書中にあったメールアドレスを旧来のホットメールから、現在のグーグルメールに差し替えました(2010/11/7)。
その、クメール語に翻訳されたものを、森本さんがIKTTのスタッフに見せたところ、みな一生懸命読んでいるようです。「お絵描き組」についての原稿を読んだ、お絵描き組の女性からは「なぜ給料を払いながら、絵を毎日描かせているのか、今日これを読んではじめてわかった、ありがとう」という反応があったそうです。サーカー君も、大学の同級生とその翻訳を読んで議論をすることもあるとのこと。さまざまな反応を見るうちに、森本さんは、このクメール語の翻訳を一冊の小冊子にまとめることを思い立ちます。
じつは一般のカンボジアの人たちにとって、黄金色に輝くクメールシルクや精緻な柄のピダンも、ラックや藍などの自然染料による染色も、もはや身近な存在ではありません。「伝統の森」を視察した政府の役人やNGOのローカルスタッフのなかに、なぜIKTTが化学染料を使わず、自動織機の並んだ工場も作らず、高床式家屋の階下で昔ながらの機織りをやっているのか、不審に思った人がいてもおかしくないのです。
カンボジアのたくさんの人たちに、カンボジアの伝統織物のすばらしさ、伝統の技を受け継ぐことの意味、染め織りの作業がその土地の自然と密接な関係があることなどを伝え、IKTTの活動の意図を理解してもらうためにも、この小冊子の発行は意味あるものとなるはずです。
以下、森本さんからみなさまへの呼びかけを、一部修正のうえ掲載いたします。
《クメール語小冊子『森の知恵』発行へのご寄付のお願い》
当初、この『森の知恵』の出版は、IKTTの自費で出せる範囲で、と考えておりました。しかし、できるだけたくさんのカンボジアの人たちに、このクメール語小冊子『森の知恵』を届けたいという思いのなか、もし可能であれば、出版に必要な費用をみなさまのご支援・ご協力によって実現できればと考えるようになりました。カンボジアの若い世代にこの本を届ける、その一助をここにお願い申し上げます。
発行部数は1000部を想定しておりますが、資金的に可能であれば部数を増していきたいと考えております。寄付金は、一口3000円から、とさせていただきます。
なお、ご寄付をいただいた方々のお名前を、この小冊子の末尾に記載し、これは日本の方々からの贈り物であることを伝えたいと思っております。お手数ですが、森本(iktt.info@gmail.com)までメールで〔@を半角英数に変換してご送信ください〕、ローマ字でのお名前の表記と併せて、お申し込み口数と入金予定日のご連絡をいただきたく、ここにお願い申し上げます。折り返し、振込先のご案内を送らせていただきます。
IKTT(クメール伝統織物研究所) 森本喜久男
※クメール語小冊子『森の知恵』が出版にいたる経緯は、メールマガジン「メコンにまかせ」のvol.160とvol.161に掲載されました。vol.160ならびにvol.161の該当部分は、以下をご覧ください。
▼クメール語の小冊子 ~「メコンにまかせ」vol.160より
▼続・クメール語の小冊子 ~「メコンにまかせ」vol.161より
※森本さんのメールアドレス変更に伴ない、文書中にあったメールアドレスを旧来のホットメールから、現在のグーグルメールに差し替えました(2010/11/7)。
2009-07-03
IKTTのDVDビデオ「蚕まつり2008」が完成しました
昨年9月に「伝統の森」で開催された“蚕まつり2008”の映像を収めたDVDビデオ「蚕まつり2008/The Silkworm Festival 2008 at "Wisdom from the Forest"」が、ようやく完成しました。
5月下旬に、岐阜・高円寺・西荻窪・上田の各地で開催された森本さんの報告会会場では、10分ほどのダイジェスト版が上映されましたが、今回リリースされるのはその完全版です。
2002年に始まった「伝統の森」での活動について、5回目にして新たな展開を迎えた今回の「蚕まつり」について、そして回を重ねるごとに出演希望者が増えていくというIKTTのファッションショーについて、映像とともに森本さん自身が語ります。
このDVDの、いちばんの見どころといえば、なんといっても豪雨とPAトラブルに見舞われながらも敢行された前夜祭のメインイベント、ファッションショーのステージです。IKTTで織り上げられた絹絣を身にまとってステージに登場した、男女あわせて55名のIKTTのスタッフたちの晴れがましい姿、その緊張した横顔、そして自信に満ちた笑顔の数々を堪能してください。
翌朝に行なわれた蚕供養(僧侶を招いての読経に始まる一連の行事)の様子と、近くの村から招いた村の楽団の演奏、そして「伝統の森」に暮らす村びとたちの日々の暮らしの様子も、垣間見ることができるででしょう。
このDVDの発売日、ならびに入手方法等については、詳細が確定でき次第、IKTTのWebサイトならびにメールマガジン「メコンにまかせ」で告知される予定です。
もちろん、このIKTT Japan Newsでもご案内させていただきます。ご期待ください。
5月下旬に、岐阜・高円寺・西荻窪・上田の各地で開催された森本さんの報告会会場では、10分ほどのダイジェスト版が上映されましたが、今回リリースされるのはその完全版です。
2002年に始まった「伝統の森」での活動について、5回目にして新たな展開を迎えた今回の「蚕まつり」について、そして回を重ねるごとに出演希望者が増えていくというIKTTのファッションショーについて、映像とともに森本さん自身が語ります。
このDVDの、いちばんの見どころといえば、なんといっても豪雨とPAトラブルに見舞われながらも敢行された前夜祭のメインイベント、ファッションショーのステージです。IKTTで織り上げられた絹絣を身にまとってステージに登場した、男女あわせて55名のIKTTのスタッフたちの晴れがましい姿、その緊張した横顔、そして自信に満ちた笑顔の数々を堪能してください。
翌朝に行なわれた蚕供養(僧侶を招いての読経に始まる一連の行事)の様子と、近くの村から招いた村の楽団の演奏、そして「伝統の森」に暮らす村びとたちの日々の暮らしの様子も、垣間見ることができるででしょう。
このDVDの発売日、ならびに入手方法等については、詳細が確定でき次第、IKTTのWebサイトならびにメールマガジン「メコンにまかせ」で告知される予定です。
もちろん、このIKTT Japan Newsでもご案内させていただきます。ご期待ください。