その公益財団法人 大同生命国際文化基金は、アジア諸国の現代文芸を日本語に翻訳出版する「アジアの現代文芸」シリーズと、日本の文芸作品・文献をアジア各国語へ翻訳出版する「ジャパニーズ・ミラーズ」シリーズという、翻訳出版事業も手がけています。
最近では、こうした翻訳作品の電子書籍化も進めており、同基金のWebサイト上での無償公開もすすめています。
同基金による、この『萎れた花・心の花輪』の作品紹介は、以下のとおりです。
本書には、カンボジアで最も著名な作家ヌー・ハーイ(1916-1975)氏の2つの作品が収録されています。『萎れた花』は1949年、『心の花輪』は1972年に出版されました。いずれも同国の国民文学と して広く知られた作品です。
封建的な社会の中で一途な愛を貫き通す若い男女を描いた『萎れた花』、愛する恋人と祖国への愛のはざまで心を揺らす青年を描いた『心の花輪』。それぞれの人生で愛と葛藤する主人公の姿が胸に熱く迫ります。
また、両作品では1930年代から40年代のカンボジアの若者の流行・生活様式などが、当時の伝統習慣とともに細やかに描写されています。彼らの考え方、生き方、悩みなどをあわせて感じ取っていただければ幸いです。