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2010-06-14

IKTTで使われている染め材~プロフー


(左:乾燥させたプロフーの樹皮、右:写真左側がプロフーの樹皮、右側は樹皮を細かく刻み、染め液を煮出した状態)

【名称】
日本語:ガンボージ(雌黄あるいは藤黄)
英語:Gamboge
カンボジア語:プロフー(Prohut)
ラテン語名 [garcinia vilersiana]
【使用部位】
樹皮(bark)
【染色結果】
明礬媒染で黄、鉄媒染で緑。
【染色方法】
・樹皮を細かく刻み、煮出して色素を抽出する。


(左:育ち始めたプロフーの苗、右:工房に運び込まれたプロフーの幹)

【メモ】
・沖縄で紅型染めに使用されるフクギ(福木)と同じ染め材。
・周達観『真臘風土記』の「出産(産物)」の項には、「画黄(藤黄か)」との記述がある。そしてこの注釈には「藤黄は一種の樹脂で、黄色で絵画・顔料などの用に供する」とある。
・沢地久枝『琉球布紀行』には、城間栄喜の工房の周囲に茂る福木について、こんな逸話が記されている。終戦直後、「焼跡の仮小屋で紅型作家として再起の第一歩を踏み出すとき、栄喜はまず福木を植えようとした。(中略)全島に散らばっていた栄喜の友人たちは、各地からえりすぐりの福木の種子を栄喜のもとに届けたという。樹齢の多い福木の種子からは、つよいいい福木が芽生える。選び抜かれた福木の実が集まった。(中略)福木は春に小さな黄色の花をつけ、秋には丸い実となって生命をつないでゆく。そして樹齢が二百年近くなったとき、王家の色、高貴な色である「黄」の極上の染料をもたらす。」
・有機顔料としてのガンボージは、インドシナ半島のほか、スリランカなどで産する。

(乾燥させたフクギの樹皮、石垣島のギャラリーku-yaにて撮影)

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