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2012-01-06

「伝統の森」にラックカイガラムシが復活

1月5日付で配信されたメールマガジン「メコンにまかせ」(vol.262)で、森本さんは、「伝統の森」にあるダムトランの木の枝に、ラックカイガラムシの巣を発見したことをとても喜んでいらっしゃいます。
 森本さんが、伝統織物の復興のひとつの指針として掲げていた「織り手のすぐ手の届くところに染め材のある暮らし」の実現、その具体化のひとつであり、なおかつ「森」の再生の象徴ともいえる「ラックカイガラムシの暮らす森」への思いは、2001年から森本さんがその実現を願い続けてきたことだからです。
 以下、メールマガジンから引用します。


 かつてカンボジアの各地で産出していたカイガラムシの仲間「ラック」。カンボジアの伝統織物の赤色を染める染料として、古くからその巣は使われてきました。しかし、長引く内戦とその後の混乱の中でラックカイガラムシが寄生していた木が切られ、森がなくなり、ラックカイガラムシはカンボジアから、30年以上絶滅していました。これを取り戻すことが、この「伝統の森」再生事業の象徴でもありました。
 そして10年が経ち、ラックが寄生する木が育ち、「伝統の森」がわずかなりともその姿を整え始めた昨年末。たまたま朝の散歩の途中に立ち寄った、寄生樹ダムトランの木を見上げると、ラックの巣らしきものが。感激しました。村長のトウルさんを呼び、木に上ってもらいました。いや、できていました。昨年の1月、天女が運んできてくれたラックから育ち、巣を作るようになったのです。
 絶滅した昆虫(ラック)を取り戻すことができた。それは、この「伝統の森」の自然環境を育むことで実現できたのです。洪水と濁流から、わたしたちの村を守ってくれた森。そして、そんな豊かな自然があることで、そこから生み出されてくる森の「幸」としてのラック。それは、自然と人の共生によって生み出される、豊かさについて改めて考えさせられる機会でした。織り手の手の届くところにラックの巣がある、その自然環境が鮮やかな赤い色を染めるためには不可欠です。その環境をいま、取り戻すことができたのです。その新鮮なラックで染めた布が、IKTTの店頭に並ぶ日も近いかと思います。


【以上、メールマガジン「メコンにまかせ」掲載記事から再掲】
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