シエムリアップ周辺では、22日から再び大雨による河川の氾濫・増水が起きているようです(写真は、23日にIKTTの入り口で撮影されたものです)。
同様に「伝統の森」でも、かなりの増水となっているようです。水が引いた後の畑の復旧、故障した発電機など機械類の修復など、想定外の仕事が増えそうです。
twitterやfacebokで森本さんが書いているように、増水そのものについては、不便ではあるものの、皆あっけらかんとした対応をしているようではありますが。
IKTT Japanは、長い戦乱で失われつつあったカンボジア独自のすばらしい伝統織物の復興をつうじて、人びとの暮らしと、それを支える自然環境の再生を目指し、カンボジアで活動を続ける現地NGO、IKTT(クメール伝統織物研究所)と、その創設者である故・森本喜久男の活動を支援するために発足した非営利任意団体です。 IKTT Japan Newsは、おもに日本国内でのIKTTに関するイベント情報やメディア掲載情報をお伝えしていきます。
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2011-09-25
2011-09-22
「蚕まつり2011」レポート(その8)蚕供養
翌朝、空が明るくなる頃には、すでに何人かが起き出していました。朝食の準備に取りかかる者、昨夜のゴミを片付る者、それぞれが自分の持ち場で働いています。
昨夜の大雨でさらに増水し、「伝統の森」のあちこちが水に浸かっています。ゲストハウスは、ポーチのタイルまで水がついたようですが、室内への浸水はかろうじて免れました。
「伝統の森」のショップのある建物の、仏像を安置した部屋には、供物が運び込まれ、線香が焚かれています。
蚕供養の読経をするはずの仏僧たちの招聘も、足がないということで中止となりました。読経も、IKTTのスタッフと森に暮らす村びと自身で行ないます。
日本から参加した人たちに森本さんは、タコー村での養蚕再開プロジェクトとして、タコー村に蚕の繭を届けたのが95年9月のことであり、そしてタコー村から「伝統の森」へと蚕の卵が届けられ、養蚕が始まり、「伝統の森」で生糸が引かれるようになったのが2003年の9月と、IKTTの蚕は9月に縁があったのが、この時期に「蚕まつり」を始めた理由なのだと説明していました。
昨夜の大雨でさらに増水し、「伝統の森」のあちこちが水に浸かっています。ゲストハウスは、ポーチのタイルまで水がついたようですが、室内への浸水はかろうじて免れました。
「伝統の森」のショップのある建物の、仏像を安置した部屋には、供物が運び込まれ、線香が焚かれています。
蚕供養の読経をするはずの仏僧たちの招聘も、足がないということで中止となりました。読経も、IKTTのスタッフと森に暮らす村びと自身で行ないます。
日本から参加した人たちに森本さんは、タコー村での養蚕再開プロジェクトとして、タコー村に蚕の繭を届けたのが95年9月のことであり、そしてタコー村から「伝統の森」へと蚕の卵が届けられ、養蚕が始まり、「伝統の森」で生糸が引かれるようになったのが2003年の9月と、IKTTの蚕は9月に縁があったのが、この時期に「蚕まつり」を始めた理由なのだと説明していました。
2011-09-21
「蚕まつり2011」レポート(その7)バックステージ
ファッションショーが終わり、休憩と食事タイムとなりました。降り続く雨のなかで、小さな舟での機材搬送のリスクとバンドメンバーの深夜の帰路のことを勘案し、森本さんは第2部のミロのコンサートの中止を決めました。
参加者が食事を始めたことで、ダンシングのステージに登場する子どもたちも夕食を食べに家に戻っていきました。この時間になって、子どもたちに再度の招集をかけることも難しい状況です。森本さんは、第2部そのものの中止を決断しました。たいへん中途半端なかたちではありますが、こうして「蚕まつり2011」前夜祭は終了となりました。
ところで、森本さんはつねづね「まつりというのは参加するみんなで作り、みんなで楽しむもの」と言っています。ファッションショーのステージでキャットウォークする女性たちだけが主役のイベントではないのです。食事の準備もIKTTのスタッフたちです。この日、食事をテーブルに運ぶ係となったのは「伝統の森」で働く若い男性陣でした。彼ら自身も、このイベントに彼らなりに参加し、楽しんでいるようです。いつもは着ることのないような白いYシャツを着て、胸にはリボンを付け、すっかりウエイター気分です。
ステージに上がったメンバーの着替えとメイク落しも終わり、食事もおおかた終わった頃、BGMのようにカンボジアの歌謡曲が流れていたスピーカーから、テンポのはやい曲が流れ始めました。例によって、ではありますが、ダンスタイムの始まりです。
ファッションショーというひとつのイベントを終えた興奮、まだ覚めやらずといったところでしょうか。ステージの上は大盛り上がりです。「蚕まつり」参加ツアーで「伝統の森」に宿泊している日本からの学生さんたちも加わります。森本さんも踊っています。……雨脚の衰えない大雨のなか、12時近くまで、ダンスは続きました。
参加者が食事を始めたことで、ダンシングのステージに登場する子どもたちも夕食を食べに家に戻っていきました。この時間になって、子どもたちに再度の招集をかけることも難しい状況です。森本さんは、第2部そのものの中止を決断しました。たいへん中途半端なかたちではありますが、こうして「蚕まつり2011」前夜祭は終了となりました。
ところで、森本さんはつねづね「まつりというのは参加するみんなで作り、みんなで楽しむもの」と言っています。ファッションショーのステージでキャットウォークする女性たちだけが主役のイベントではないのです。食事の準備もIKTTのスタッフたちです。この日、食事をテーブルに運ぶ係となったのは「伝統の森」で働く若い男性陣でした。彼ら自身も、このイベントに彼らなりに参加し、楽しんでいるようです。いつもは着ることのないような白いYシャツを着て、胸にはリボンを付け、すっかりウエイター気分です。
ステージに上がったメンバーの着替えとメイク落しも終わり、食事もおおかた終わった頃、BGMのようにカンボジアの歌謡曲が流れていたスピーカーから、テンポのはやい曲が流れ始めました。例によって、ではありますが、ダンスタイムの始まりです。
ファッションショーというひとつのイベントを終えた興奮、まだ覚めやらずといったところでしょうか。ステージの上は大盛り上がりです。「蚕まつり」参加ツアーで「伝統の森」に宿泊している日本からの学生さんたちも加わります。森本さんも踊っています。……雨脚の衰えない大雨のなか、12時近くまで、ダンスは続きました。
2011-09-20
「蚕まつり2011」レポート(その6)ファッションショー3
2011-09-19
「蚕まつり2011」レポート(その5)ファッションショー2
2011-09-18
「蚕まつり2011」レポート(その4)ファッションショー1
【ステージ1】
まず、はじめのステージは、ピダンのデモンストレーションです。チャーップという、ヤシの葉で作ったたくさんの小鳥をつけた飾り物を手に持った女性と、蘭の花を盛った器を手にした女性を先頭に、ピダン(絵絣)を広げた女性たちが登場です。
ステージ上で、ライトが当たり、揺れて輝く、手引きの生糸ならではの質感と光沢感が際立ちます。
【ステージ2】
次のステージは、婚礼の行列をイメージしたものです。
サンポット・ホール(絣布の巻きスカート)と、レースやビーズで飾りつけたブラウス着用が、基本のようです。このいでたちが、現在のカンボジアの正装といったところでしょうか。
【ステージ3】
続いては、男衆の登場です。
おのおのが酒器や楽器を手にして、ステージの上を練り歩いていきます。
大判のピダンの布を見せびらかすように踊っているのは、自分の奥さんが織り上げた絣布を自慢しているのだとか。(続く)
まず、はじめのステージは、ピダンのデモンストレーションです。チャーップという、ヤシの葉で作ったたくさんの小鳥をつけた飾り物を手に持った女性と、蘭の花を盛った器を手にした女性を先頭に、ピダン(絵絣)を広げた女性たちが登場です。
ステージ上で、ライトが当たり、揺れて輝く、手引きの生糸ならではの質感と光沢感が際立ちます。
【ステージ2】
次のステージは、婚礼の行列をイメージしたものです。
サンポット・ホール(絣布の巻きスカート)と、レースやビーズで飾りつけたブラウス着用が、基本のようです。このいでたちが、現在のカンボジアの正装といったところでしょうか。
【ステージ3】
続いては、男衆の登場です。
おのおのが酒器や楽器を手にして、ステージの上を練り歩いていきます。
大判のピダンの布を見せびらかすように踊っているのは、自分の奥さんが織り上げた絣布を自慢しているのだとか。(続く)
2011-09-17
「蚕まつり2011」レポート(その3)開会式そしてアプサラダンス
2011-09-16
「蚕まつり2011」レポート(その2)豪雨による予定変更
9月10日未明、再び激しい雨になりました。朝になると「伝統の森」の沼の水位が上がっています。ここ数日、断続的に降り続く豪雨のため、シエムリアップから「伝統の森」に到る道には車がスタックするポイントがいくつもできていて、マイクロバスで到着した参加者からは「途中でトラックに牽引してもらい抜け出しました」とうかがいました。「伝統の森」のすぐ横を流れる川の水位とともに、沼の水位も上がったようです。
太陽は、一瞬の晴れ間を見せてくれますが、いつの間にか雲が広がり、突然のスコールがやってきます。「伝統の森」の入り口から、ファッションショーのステージのある工芸村エリアまでの間に2か所、道が冠水しています。今のところ、車で通過できますが、これ以上、水嵩が増すと難しくなるかもしれません。いざというときに人や荷物を渡すためのボートが用意されました。
前夜祭開催に向けて最終確認と指示をしてまわる森本さんの作業の合い間をぬって、前日から取材に入っているカンボジア国営テレビ局のクルーによるインタビューが行われています。
昼過ぎ、森本さんの携帯に、シエムリアップで待機していた王室関係者から連絡が入りました。いわく、この天候ではプリンセスが「伝統の森」のあるピアックスナエンまで行くのは困難だと判断した。しかし、この日のための、モニク王妃からの贈り物があるので、それを受け取りに来てほしい――と。
そこで、急遽、森本さんは、シエムリアップへ向かう準備を始めます。同行するのは、ゼネラルマネージャーのバンナランと、今回イベントでの司会進行と通訳を担当するメンアンさんです。メンアンさんは、クメール語の冊子「森の知恵」の翻訳の監修も手がけていただいた方です。
シエムリアップまでとはいえ「蚕まつり」のために足を運ばれたプリンセスにお目にかかるために、「わたしの戻ってくる時間によっては、開始時間を少し遅らせることになるかもしれない」とスタッフに言い残し、水位の上がった「伝統の森」を出発していきました。
その後も雨足は、断続的に強くなるばかりです。大雨のなか、アプサラダンスのグループが到着しました。メイク担当のおネエさまたちは、出演者へのメイクに取りかかっています。来賓席とテントの設営も完了間近です。テントの下には、繭から生糸を引き、その糸を括り、織り上げるまでの作業工程を実演するスペースも作られました。シエムリアップ市内からやってきた、前夜祭の当日見学組もようやく到着しました。一方、森のなかの低い土地のところには水が広がり始めていました。
森本さんの帰りを待ちつつ、ステージの進行にかかわるスタッフたちは悩んでいました。じつは、舞台上手の袖と、楽屋としている建物の間には7~8メートルの距離があります。そこには屋根がありません。さらには、そこにも水が溜まりはじめていました。土砂降りのなか、それも水の溜まったところを走り抜けてステージに上がるのは難しい、スタッフ何人かで話し合った結果、そのように判断したようです。そして、上手から舞台に登場するすべての構成を、下手から登場するように変更しました(下手のほうが楽屋に近く、そこにはまだ水がついていなかったのです)。直前での、このような変更をして大丈夫なのか、ちょっと心配ではありました。
太陽は、一瞬の晴れ間を見せてくれますが、いつの間にか雲が広がり、突然のスコールがやってきます。「伝統の森」の入り口から、ファッションショーのステージのある工芸村エリアまでの間に2か所、道が冠水しています。今のところ、車で通過できますが、これ以上、水嵩が増すと難しくなるかもしれません。いざというときに人や荷物を渡すためのボートが用意されました。
前夜祭開催に向けて最終確認と指示をしてまわる森本さんの作業の合い間をぬって、前日から取材に入っているカンボジア国営テレビ局のクルーによるインタビューが行われています。
昼過ぎ、森本さんの携帯に、シエムリアップで待機していた王室関係者から連絡が入りました。いわく、この天候ではプリンセスが「伝統の森」のあるピアックスナエンまで行くのは困難だと判断した。しかし、この日のための、モニク王妃からの贈り物があるので、それを受け取りに来てほしい――と。
そこで、急遽、森本さんは、シエムリアップへ向かう準備を始めます。同行するのは、ゼネラルマネージャーのバンナランと、今回イベントでの司会進行と通訳を担当するメンアンさんです。メンアンさんは、クメール語の冊子「森の知恵」の翻訳の監修も手がけていただいた方です。
シエムリアップまでとはいえ「蚕まつり」のために足を運ばれたプリンセスにお目にかかるために、「わたしの戻ってくる時間によっては、開始時間を少し遅らせることになるかもしれない」とスタッフに言い残し、水位の上がった「伝統の森」を出発していきました。
その後も雨足は、断続的に強くなるばかりです。大雨のなか、アプサラダンスのグループが到着しました。メイク担当のおネエさまたちは、出演者へのメイクに取りかかっています。来賓席とテントの設営も完了間近です。テントの下には、繭から生糸を引き、その糸を括り、織り上げるまでの作業工程を実演するスペースも作られました。シエムリアップ市内からやってきた、前夜祭の当日見学組もようやく到着しました。一方、森のなかの低い土地のところには水が広がり始めていました。
森本さんの帰りを待ちつつ、ステージの進行にかかわるスタッフたちは悩んでいました。じつは、舞台上手の袖と、楽屋としている建物の間には7~8メートルの距離があります。そこには屋根がありません。さらには、そこにも水が溜まりはじめていました。土砂降りのなか、それも水の溜まったところを走り抜けてステージに上がるのは難しい、スタッフ何人かで話し合った結果、そのように判断したようです。そして、上手から舞台に登場するすべての構成を、下手から登場するように変更しました(下手のほうが楽屋に近く、そこにはまだ水がついていなかったのです)。直前での、このような変更をして大丈夫なのか、ちょっと心配ではありました。
2011-09-15
「蚕まつり2011」レポート(その1)森本さんの思い
ファッションショーを翌日に控えた夜遅く、森本さんはこう語ってくれました。
「今回2つのことが実現できることが、とてもうれしいと思っているんだ。ひとつは、モニク王妃の代理としてプリンセスが来席されること。
これはすごいことだよね。16年前に僕個人が始めた養蚕再開プロジェクトが、IKTTという組織での伝統織物の復興という活動となり、そして織り手となる女性たちの生活支援と、染め織り技術の継承と発展へとつながり、その後もたくさんの人たちと関わるなかで、自然環境の再生と村づくりへと展開していった活動が、カンボジアの王室にまで伝わり、それが認められたということだからね。
そしてもうひとつは、今回、ファッションショーのために制作した草木染めのバティックで、これまでとは違う技法を実現してしまったこと。普通、手描き友禅の手法は、裏返してみると、どうやって描いたかがだいたい想像がつくはずなんだが、今回のはどうやったのかわからないかもね。自分でも、ひょっとしたらこうなるんじゃないかと予想してはいたんだけれど、それが思った以上にいい効果がでているんだ」
森本さんが「自分でも思ってもいなかった」という結果を生んだ技法で染めたバティックも、ファッションショーの衣装のひとつとして、明日のステージでIKTTのスタッフのひとりが身にまとうことになります。
■写真は、ともにプリンセスが臨席される雛壇に掲げられたパネル
「今回2つのことが実現できることが、とてもうれしいと思っているんだ。ひとつは、モニク王妃の代理としてプリンセスが来席されること。
これはすごいことだよね。16年前に僕個人が始めた養蚕再開プロジェクトが、IKTTという組織での伝統織物の復興という活動となり、そして織り手となる女性たちの生活支援と、染め織り技術の継承と発展へとつながり、その後もたくさんの人たちと関わるなかで、自然環境の再生と村づくりへと展開していった活動が、カンボジアの王室にまで伝わり、それが認められたということだからね。
そしてもうひとつは、今回、ファッションショーのために制作した草木染めのバティックで、これまでとは違う技法を実現してしまったこと。普通、手描き友禅の手法は、裏返してみると、どうやって描いたかがだいたい想像がつくはずなんだが、今回のはどうやったのかわからないかもね。自分でも、ひょっとしたらこうなるんじゃないかと予想してはいたんだけれど、それが思った以上にいい効果がでているんだ」
森本さんが「自分でも思ってもいなかった」という結果を生んだ技法で染めたバティックも、ファッションショーの衣装のひとつとして、明日のステージでIKTTのスタッフのひとりが身にまとうことになります。
■写真は、ともにプリンセスが臨席される雛壇に掲げられたパネル
2011-09-10
2011-09-09
Mr.John Wongのブログ「TROPIXBLUE」のご紹介
ベトナムのドキュメンタリージャーナリスト、John Wong氏のブログ(TROPIXBLUE)で、"Kikuo Morimoto - Wisdom from the Forest"と題した「伝統の森」の写真とレポートが紹介されています。John Wong氏は以前にも、「伝統の森」についての写真を掲載されています。
2011-09-08
「蚕まつり2011」の開始時間について
10日(土)の前夜祭(第1部)の開始時間が、当初の15時30分から、15時開始に変更になりました。
====================================
【前夜祭】9月10日(土)
15時00分~ 《第1部》アプサラダンスそしてファッションショー
(休憩/食事)
18時~ 《第2部》子どもたちのダンシング、そしてMILOによる演奏
【蚕供養】9月11日(日)
8時~ 仏僧を招いての蚕供養の儀式
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【前夜祭】9月10日(土)
15時00分~ 《第1部》アプサラダンスそしてファッションショー
(休憩/食事)
18時~ 《第2部》子どもたちのダンシング、そしてMILOによる演奏
【蚕供養】9月11日(日)
8時~ 仏僧を招いての蚕供養の儀式
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2011-09-07
2011-09-06
Amazonの著者ページに、森本さんのプロフィールが掲載されました
Amazonの著者ページに、森本さんのプロフィールが掲載されました。
■森本喜久男(もりもと・きくお)
IKTT(Institute for Khmer Traditional Textiles ;クメール伝統織物研究所)代表。1948年生まれ。
1996年にカンボジアの現地NGOとしてIKTTをプノンペン郊外のタクマオ市に設立。以来、内戦下で途絶えかけていたカンボジア伝統の絹織物の復興と、伝統的養蚕の再開に取り組む。2000年、IKTTをシエムリアップに移転。工房を開設し、研修生の受け入れを開始し、伝統的な絹織物の制作と並行して、若い世代への染め織り技術の継承に努める。2002年、シエムリアップ州アンコールトム郡に約5ヘクタールの土地を取得し、「伝統の森」予定地とする(後に23ヘクタールにまで拡張)。2003年、IKTTのプロジェクトとして「伝統の森・再生計画」に着手。荒れ地を拓くところから始め、小屋を建て、井戸を掘り、畑をつくり、野菜・桑・綿花を栽培し、養蚕をし、自然染色の素材となる木々を植え、自給的な染め織りが可能な工芸村を立ち上げた。自然染料による染織を核にしつつも、人びとの暮らしの再生と、人びとの暮らしを包み込む自然環境の再生に取り組むIKTTのプロジェクトサイトを「伝統の森」と呼ぶ。この「伝統の森」は、現在では、敷地のほぼ半分を木々の再生エリアとして保全・育成しつつ、約200人が暮らす「新しい村」として行政的認可を得るまでに成長。
著書に『メコンにまかせ 東北タイ・カンボジアの村から』、『カンボジア絹絣の世界 アンコールの森によみがえる村』、ほかに私家版の『Bayon Moon - Reviving Cambodia's Textile Traditions』(英語版)、『森の知恵 The Wisdom from the forest』(クメール語版)など。また、「伝統の森」で開催されたイベントを記録したDVD『IKTT伝統の森 蚕まつり2008』などがある。
第11回ロレックス賞受賞(2004年)、社会貢献者表彰(2010年)。
日本国内での、講演会や「伝統の森」で制作された絹織物などの展示販売イベントなどの詳細は、メールマガジン「メコンにまかせ」(http://www.mag2.com/m/0000070073.html)や、ブログサイトIKTT Japan News(http://ikttjapan.blogspot.com/)で随時更新中。
■森本喜久男(もりもと・きくお)
IKTT(Institute for Khmer Traditional Textiles ;クメール伝統織物研究所)代表。1948年生まれ。
1996年にカンボジアの現地NGOとしてIKTTをプノンペン郊外のタクマオ市に設立。以来、内戦下で途絶えかけていたカンボジア伝統の絹織物の復興と、伝統的養蚕の再開に取り組む。2000年、IKTTをシエムリアップに移転。工房を開設し、研修生の受け入れを開始し、伝統的な絹織物の制作と並行して、若い世代への染め織り技術の継承に努める。2002年、シエムリアップ州アンコールトム郡に約5ヘクタールの土地を取得し、「伝統の森」予定地とする(後に23ヘクタールにまで拡張)。2003年、IKTTのプロジェクトとして「伝統の森・再生計画」に着手。荒れ地を拓くところから始め、小屋を建て、井戸を掘り、畑をつくり、野菜・桑・綿花を栽培し、養蚕をし、自然染色の素材となる木々を植え、自給的な染め織りが可能な工芸村を立ち上げた。自然染料による染織を核にしつつも、人びとの暮らしの再生と、人びとの暮らしを包み込む自然環境の再生に取り組むIKTTのプロジェクトサイトを「伝統の森」と呼ぶ。この「伝統の森」は、現在では、敷地のほぼ半分を木々の再生エリアとして保全・育成しつつ、約200人が暮らす「新しい村」として行政的認可を得るまでに成長。
著書に『メコンにまかせ 東北タイ・カンボジアの村から』、『カンボジア絹絣の世界 アンコールの森によみがえる村』、ほかに私家版の『Bayon Moon - Reviving Cambodia's Textile Traditions』(英語版)、『森の知恵 The Wisdom from the forest』(クメール語版)など。また、「伝統の森」で開催されたイベントを記録したDVD『IKTT伝統の森 蚕まつり2008』などがある。
第11回ロレックス賞受賞(2004年)、社会貢献者表彰(2010年)。
日本国内での、講演会や「伝統の森」で制作された絹織物などの展示販売イベントなどの詳細は、メールマガジン「メコンにまかせ」(http://www.mag2.com/m/0000070073.html)や、ブログサイトIKTT Japan News(http://ikttjapan.blogspot.com/)で随時更新中。
2011-09-05
2011-09-04
「蚕まつり2011」ファッションショーのリハーサル
2011-09-03
「蚕まつり2011」まで、あと数日
9月3日に配信されたメールマガジン「メコンにまかせ」(vol.254)のなかで、森本さんは、直前に迫った「蚕まつり2011」への思いについて記しています。以下、メールマガジンより引用します。
開催まで、あと数日となった「蚕まつり」。早いもので、今年は第8回。8年目を迎える。
そして今朝、プノンペンの王宮から、シハモニ国王の母君、モニック王妃の代理としてプリンセス妃がご臨席いただけると、ご連絡をいただいた。とても、光栄なこと、IKTT一同、緊張しながらお迎えすることになる。そして、シェムリアップ州知事からもご出席いただけると、ご連絡をいただいた。今年は、ほんとうに記念すべき「蚕まつり」となる。
そのため、前夜祭の会場はこれまでの作業所ではなく、屋外に舞台を準備することにした。そして、時間も早くに変更。午後3時から、ご来賓の方々をお迎えしたあと、ファッションショーの前に、アプサラの踊り手たちによる客人を迎える踊りから始める予定。それに続き、織り手たちによるファッションショーとなる。例年の子どもたちのダンシングとバンド「ミロ」による演奏は、食事を挟んでの後半第二部、午後6時からの開催となる。明るい時間での、野外のファッションショーのため、メイクや照明などに工夫がいる、というか大変。でも、自然の染料だけで染め上げられたIKTTのクメールシルクの本来の美しさを、自然光の下で見ていただけると思っている。
今日も、みんなでステージのウォーキング練習。最後の追い込み。今年のエンディングはマドンナに決定。野外でのショーだからの演出もあります。おいでいただける方、楽しみにしていただければと思います。
カンボジアの伝統織物の復元から、それを取り囲む自然の再生、生活環境の再生、村づくりにまで発展してきたIKTTの活動が第一のステージを終え、第二のステージに向かおうとしている。そんなことをいま、「蚕まつり」の準備をしながら感じている。
これからも、IKTTの活動、そして自然と、布への思いを、みなさまと共有していきたいと思っております。よろしくお願い申し上げます。深謝。
【以上、メールマガジン「メコンにまかせ」掲載記事から再掲】
※メールマガジン「メコンにまかせ」の講読は、こちらからお申し込みください(講読無料)。
※写真は、ファッションショーのために、森本さんが制作した手描きの草木染バティックです。
開催まで、あと数日となった「蚕まつり」。早いもので、今年は第8回。8年目を迎える。
そして今朝、プノンペンの王宮から、シハモニ国王の母君、モニック王妃の代理としてプリンセス妃がご臨席いただけると、ご連絡をいただいた。とても、光栄なこと、IKTT一同、緊張しながらお迎えすることになる。そして、シェムリアップ州知事からもご出席いただけると、ご連絡をいただいた。今年は、ほんとうに記念すべき「蚕まつり」となる。
そのため、前夜祭の会場はこれまでの作業所ではなく、屋外に舞台を準備することにした。そして、時間も早くに変更。午後3時から、ご来賓の方々をお迎えしたあと、ファッションショーの前に、アプサラの踊り手たちによる客人を迎える踊りから始める予定。それに続き、織り手たちによるファッションショーとなる。例年の子どもたちのダンシングとバンド「ミロ」による演奏は、食事を挟んでの後半第二部、午後6時からの開催となる。明るい時間での、野外のファッションショーのため、メイクや照明などに工夫がいる、というか大変。でも、自然の染料だけで染め上げられたIKTTのクメールシルクの本来の美しさを、自然光の下で見ていただけると思っている。
今日も、みんなでステージのウォーキング練習。最後の追い込み。今年のエンディングはマドンナに決定。野外でのショーだからの演出もあります。おいでいただける方、楽しみにしていただければと思います。
カンボジアの伝統織物の復元から、それを取り囲む自然の再生、生活環境の再生、村づくりにまで発展してきたIKTTの活動が第一のステージを終え、第二のステージに向かおうとしている。そんなことをいま、「蚕まつり」の準備をしながら感じている。
これからも、IKTTの活動、そして自然と、布への思いを、みなさまと共有していきたいと思っております。よろしくお願い申し上げます。深謝。
【以上、メールマガジン「メコンにまかせ」掲載記事から再掲】
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※写真は、ファッションショーのために、森本さんが制作した手描きの草木染バティックです。