2010-01-24

『季刊 民族学』112号

【書誌データ】
書名:季刊 民族学 112号(2005年春)
発行所:財団法人千里文化財団
発行:2005年4月20日
会員頒布:2100円

【内容紹介】
 『季刊 民族学』112号の「クメールの伝統織物」と題した小特集では、福岡市美術館の「カンボジアの染織」展の企画を担当された福岡市美術館学芸員である岩永悦子さんによる「東南アジア織物文化におけるカンボジア ~チャム-マレー人の技術を中心に」と、森本さんによる「次代につなぐ、営みとしての染めと織り ~伝統の知恵を育む森の再生」という2本の論考が掲載されています。この小特集では、写真家の大村次郷さんが撮影した写真が、全編にわたって使用されています。
 このときの写真を担当された大村次郷さんは、『季刊 民族学』108号(2004年春)の特集「クメール文化の至宝 アンコール遺跡」でも、全編にわたって撮影を担当されました(この特集の執筆者は、上智大学アンコール遺跡国際調査団長の石澤良昭先生です)。この108号のp.46-47では、アンコールワットにあるデヴァダー(女神)の浮き彫りの着衣のデザインと、カンボジアの伝統的な絣、そしてカンボジアの伝統的な絹絣の復興に取り組んでいるIKTTの工房の織物を紹介する写真も掲載されています。

 なお、本誌は、国立民族学博物館協力のもとに制作されている国立民族学博物館友の会の機関誌のため、一般の書店では入手できません。バックナンバーについては、国立民族学博物館にあるミュージアムショップか、同ミュージアムショップが運営するオンラインショップWOLRD WIDE BAZAARで、お求めください。

2010-01-07

2月21日、アルカディア市ヶ谷での講演会のご案内

 昨年来、「伝統の森」を訪ねていただいている黒田悦司氏の発案による、森本さんの講演会の開催が決まりました。
 「カンボジアの染織文化~伝統の森プロジェクト」と題して、森本さんがカンボジアで行ってきた活動の報告と、そのなかで見えてきた「伝統の再生」が意味することなどについての講演となります。会場では、あわせて「伝統の森」で織り上げられたクメールシルクの伝統織物の展示と販売も行ないます。

と き:2月21日(日)13時~16時(12時30分受付開始)
ところ:アルカディア市ヶ谷
    東京都千代田区九段北4-2-25(JR市ケ谷駅から徒歩約3分)
会 費:3000円(カンボジア語のブックレット「森の知恵」発行支援を含む)
定 員:45名(事前申し込みをお願いいたします)
締 切:2月10日(以下まで、メール、電話あるいはFAXでお申し込みください)
【問合せ先・申し込み先】
 森本喜久男氏講演会事務局(黒田悦司)TEL&FAX:0299-57-0377
 email:kurodaya@po.mmm.ne.jp
〔このメールアドレスの@を、半角に変換してご送信ください〕

2010-01-03

「伝統の森」ビフォー&アフター[2004.6>2009.12]

 2004年9月、森本さんはロレックス賞(the Rolex Awards for Enterprise)を授賞しました。このロレックス賞とは「世界中の新規及び進行中の独創的かつ革新的なプロジェクトを実行している個人」に対し、ロレックス社から贈られるものです。
 ロレックス賞への応募は、すべての人に開かれています。応募申請者の学歴や経歴、所属ではなく、現に進行しつつあるプロジェクトの内容とその将来性のみが問われます。自薦他薦を問わず個人の資格で応募し、ほぼ1年間に渡る、いくつもの予備審査(書類選考、本人ならびに複数の関係者に対するメールでの質疑応答、プロジェクトの現地視察など)を経て、ロレックス本社での最終審査によって決定されるのです。
 2004年9月、パリで開催された第11回目の授賞式で、森本さんの活動の概要を紹介する映像が紹介されました。その映像を担当したナショナルジオグラフィックフィルムによって制作されたビデオ映像がYouTube上に公開されていることは、2009年10月5日付のこのブログで紹介したとおりです。
 このビデオ映像(3分割されて公開されています)のうちの3本目「Reconnecting the Threads (Part 3)」の最後のほうで、森本さんが「伝統の森」にできたばかりの小屋の階段の上がり口にマグカップを持って座っているシーンがあります(タイムスタンプは6:53~6:57)。
 森本さんの向こうには、牛が一頭と背の低い潅木の茂みが広がっているだけです。このカットが撮影されたのは、2004年の6月のことでした。
 先日、「伝統の森」でこのビデオ映像を見ながら、森本さんと「わずか4~5年のうちに、ずいぶん “森” は立派になりましたよね」という話をしました。そして、このシーンの “今” を撮ってみようということになりました。
 今回、ここにアップした写真は2009年12月撮影のものです。ほぼ同じカットながら、森本さんが眺める先には、枝葉を広げた木々の向こうに高床式の建物(二階がショップ、階下は織り機が並ぶ作業場になっています)の赤い屋根が見えています。この建物の手前の木々が豊かに茂っているのは、毎日欠かさず行なわれている水遣りの成果です。その水遣りのために「伝統の森」の工芸村エリアのあちこちには、潅水用の配水パイプが張りめぐらされてもいるのです。
 わずか数年のうちに、こうした仕組みまでを作り上げることができたからこそ、「伝統の森」が生きているのだと思います。それを絶妙のタイミングで後押ししてくれたのは、2004年のロレックス賞受賞であったことは、まぎれもない事実です。

2010-01-02

日本橋三越本店で「世界遺産アンコールワット展」開催中

 すでに会期半ばとなってしまいましたが、日本橋三越本店(新館7階ギャラリー)にて「世界遺産アンコールワット展」が開催中です。
 ジャヤヴァルマン七世の尊顔や、ラクシュミー(吉祥天)像をはじめとするプノンペン国立博物館所蔵の仏像に加え、上智大学調査チームがバンテアイ・クデイで発掘した仏像(シハヌーク・イオン博物館所蔵)などが公開されています。
 会期は1月18日(月)までです。

2010-01-01

報告会レポート~12月4日、学習院女子大学での特別講義

 2009年12月4日、「カンボジアの染織文化-その担い手としての女性たち-」と題して学習院女子大学で行なわれた森本さんの特別講義の報告が、学習院女子大学のホームページのNews&Topicsで紹介されています。