2010-09-30

ウェブサイト「18か月間世界一周旅行」のご紹介

 2006年11月から2008年5月までかけて世界各地を旅した、いっちーとハッチさんの旅行記録ウェブサイト「18か月間世界一周旅行」で、シエムリアップにあるIKTTのショップの紹介が掲載されていますので、ご紹介します。
 「18か月間世界一周旅行」のトップページから、[秘密のアドレス]→[アジアのアドレス]→[カンボジア]と進んでいっても、ご覧になることができます。
 また、IKTTのショップ紹介以外にも、サイト内にある「ミュージカル・ジャーニー」のなかでの子連れ出勤OKの仕事場や、「ぶたびびと~旅する子ぶたの見聞録」でのカンボジアのとんこなどでも、IKTTのことが取り上げられています。
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 IKTTのことだけでなく、旅先でのさまざまな見聞をていねいに記録しているサイトなので、見ていて楽しいうえに、「世界一周」と気負った旅行ではなく、3泊4日程度の海外旅行の際にも、いろいろと参考になるような情報が得られるように思います。

2010-09-28

「IKTTカレンダー2011」制作中

 IKTT Japanでは、2006年にIKTTカレンダーの制作をはじめました。IKTTの活動を紹介しつつ、なおかつ販売収益によってIKTTの活動支援となるツールはないものかと考えた結果、カレンダーの制作・販売に取り組むことにしたのです。
 IKTTのシルクをお求めいただいた方のなかには、インターネットやメールをなさらない方もいらっしゃいます。このIKTT Japan Newsにアクセスされていなければ、日々変化していく「伝統の森」の様子をご存じない方もいらっしゃると思います。そうした方々へカレンダーという印刷物で、IKTTの絣布や「伝統の森」の様子などをご紹介することもでき、またこのカレンダーをきっかけにして、IKTTの活動に興味を持たれる方もいるのではないかと考えてのことです。
 2011年のカレンダーは、昨年に引き続き、フォトグラファー内藤順司さんに全面的なご協力をいただきました。内藤さんは、年内に再び「伝統の森」とIKTTの撮影取材に訪れる予定とうかがいました。来年以降の写真展にも、期待が高まります。

 この「IKTTカレンダー2011」は、10月下旬には完成予定です(予価1,000円)。
 都内では、例年どおり、神保町のアジア文庫、高円寺の茶房・高円寺書林、西荻窪の信愛書店さんなどに取り扱いをお願いする予定です。また、11月中旬以降、国内各地で開催される予定の展示会・報告会の会場でも販売いたします。
 上記の各会場でお求めになれない方は、information@iktt.orgまでお問い合わせください〔@を半角に変換してご送信ください〕。

2010-09-23

「アンコールの考古学-フランス極東学院写真資料展」のご案内

 フランスでの写真展情報です。
 パリ8区にある、セルヌスキ(チェルヌスキ、セルヌッシ)博物館(Musée Cernuschi)で、フランス極東学院(l'École française d'Extrême-Orient)が所蔵するアンコール遺跡群の写真資料が展示されています。
 19世紀末から1960年にかけて撮影された写真が100点以上、たとえば植物に覆われた状態のアンコール・ワットの周壁の写真(1866年撮影)とか、ニャック・ポアンの池の中心にある中央祠堂にバニヤンの木の根が巻きつき祠堂の上に大きく枝葉を広げている写真(1933年撮影)など、かつての遺跡の状態が見て取れます。資料写真といえども、なかなか美しいものばかりです。会場では、フランスチームの遺跡修復に関するドキュメントフィルムも上映されています(52分、フランス語)。
 このArchéologues à Angkor(アンコールの考古学-フランス極東学院写真資料展)は、2011年1月2日まで開催とのこと(Webサイトは残念ながらフランス語のみです)。
 これから、フランスにお出かけの予定のある方はぜひとも、足を運んでみてください。

Musée Cernuschi
7, avenue Velasquez 75008 PARIS
"Archéologues à Angkor, archives photographiques de l'Ecole Française d'Extrême-Orient"

2010-09-20

「蚕まつり2010」レポート(その5)蚕供養編

 9月12日、「蚕まつり」当日の朝は、食事の準備に始まりました。
 前の晩、ファッションショーを終えた後のステージで、遅くまで踊りまくっていた若者たちも、鶏をさばいたり、米を洗ったり、あるいは来客用テントの下の円卓テーブルを整えたりと、それぞれの持ち場で働いています。その様子を見ていて、森本さんはこう言いました。
「毎年やっているからだとは思うけれど、みんな作業の流れをわかっていて、どんどんテキパキ仕事が進んでいくんだ。ほら、ちゃんと全体を見回して、足りないものを指示するスタッフもいるんだ。すごいよね」
 昨夜、ステージとなった高床式家屋の2階、つまり「伝統の森」のショップ&ギャラリーのフロアに、儀式用のスペースが作られました。そこで、僧侶への捧げ物の準備をするのは、おばあたちです。
 8時を回ったころ、「伝統の森」に僧侶たちが到着し、蚕供養の儀式が始まりました。
 いくつかの読経が行なわれたあと、列席者たちが順に、僧侶に食事を供します。5人の僧侶の前に置かれた鉢に、列席者たちが交代で、ご飯を少しづつよそっていきます(上座部仏教では、僧侶に施しをする行為が自分の徳を積むことになるとされているからだと思います)。これが一巡し、蚕供養は終りました。
 蚕供養を終えた後も、森本さんの周囲はいろいろと忙しそうでした。地元メディアの取材もありました。IKTTに関するドキュメンタリー番組を制作するという前提で、プレ取材にやってきていたTVK(カンボジア国営テレビ)のディレクターとカメラマンは、森本さんと共同呼びかけ人のチアさんを前に、あれこれと質問していました。どんな番組になるのでしょうか。
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 その後、しばらくの休憩の後、日本から「蚕まつり」に参加した人たちを前に、森本さんがカンボジアの布の話をしました。IKTTで制作する布はどんなものなのか、なぜIKTTでは布を作るのに桑の木を育てるところからやっているのか。カンボジアでかつて織られていた「すばらしい布」とはどんなものなのか。そして、すばらしい布を織り上げるために、いま必要なものは何なのか。・・・そんなことを、いくつかの布のサンプルを手に、森本さんが語ってくれました。

2010-09-19

「蚕まつり2010」レポート(その4)前夜祭編

【ステージ6】
 いよいよ、最終ステージです。
 皆、ちょっと“大人ゴージャス”な雰囲気の装いでの登場です。
 今回は、このステージでも森本さんの手描きバティックが目立ちます。
 登場するメンバーは、これまでに何度かのファションショーへの出場経験のある女性たちですので、動きにも落ち着きと自信が感じられます。
 なお、このステージのトリを務めたのは(例年どおり)、IKTTの括りの名手、スレンさんです。

【フィナーレ】
 フィナーレでは、再びステージに全員が登場します。
 このステージのBGMには、マイケル・ジャクソンの「ビリー・ジーン」が採用されました。
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 例年のことではあるのですが、森本さんは衣装あわせの段階で、着付けにさまざまな工夫を凝らしています。
 とはいえ、素材はみな、一枚の布です。布にハサミは入れません。しばったりクリップで留めることはしても、針と糸も使いません。
 彼女たちがステージ上でまとった布の多くは、水通しをして、数日後には再びIKTTのショップに並ぶ布に戻るはずです。(続く)

2010-09-18

「蚕まつり2010」レポート(その3)前夜祭編

【ステージ4】
 後半のステージは、森本さんの着付け&アレンジの“技”が見どころのひとつです。

 このステージでは、シンプルなTシャツと、絹絣や森本さんの手描きバティック(=ローケツ染めの布)との組み合わせがポイントです。意外なことに、白いTシャツが、かえって絣の柄やローケツ染めの柄を引き立たせる結果になっているように思います。

【ステージ5】
 このステージでも、森本さんの手描きバティック(=ローケツ染めの布)がふんだんに使われました。
 森本さんは、8月も後半になってから、この日のために、何枚もの手描きバティックの制作に取り組んできました。
 ひょっとすると、このステージは、森本さんにとって、その制作発表の場でもあるのかもしれません。
 ステージの上のモデルたちの所作にも、新しい工夫が見られました。(続く)

2010-09-17

「蚕まつり2010」レポート(その2)前夜祭編

【ステージ1】
 さて、いよいよ「蚕まつり2010」前夜祭のメインイベントとなる、IKTTのファッションショーの幕開けです。
 まずは、チャーップという、ヤシの葉で作ったたくさんの小鳥をつけた飾り物を手に持った女性と、生糸と蘭の花を盛ったかごを手にした女性が並んで登場します。
 その後には、竹棹に吊るしたピダン(絵絣)を捧げ持った女性たちが続きます。
 たくさんのライトを浴びた、ピダンの美しさに目を奪われます。普段であれば、壁面に飾られているため動きのないピダンですが、ステージ上ではさまざまな角度から光が当たり、そしてそれが揺れるため、手織りシルクならではの光沢感がいっそう際立ってみえます。

【ステージ2】
 次のステージは、婚礼の行列をイメージしたものです。
 サンポット・ホール(絣布の巻きスカート)と、レースやビーズで飾りつけたブラウス着用が、基本のいでたちです。現在のカンボジアでの、オーソドックスな場での正装といったところでしょうか。
 最後に登場したのは、ひとつの家族のようです。母親と子どもが3人、なぜか父親は登場しません。

【ステージ3】
 続いては、男衆の登場です。
 昨年と同じく、おのおのが酒器や楽器を手にして、ステージの上を練り歩いていきます。
 昨年、肩に掛けていたパムアンの布は、大判のピダンの布になりました。(続く)

2010-09-16

「蚕まつり2010」レポート(その1)前夜祭編

【オープニングアクト】
 9月11日(土)、「伝統の森」で「蚕まつり2010」の前夜祭が開催されました。
 オープニングアクトは、在シエムリアップの日本人を中心としたバンド ‘MILO’ による演奏で、今年も幕を開けました。今年は、ベース、ドラムそしてフルートも加わり、安定した演奏を聞かせてくれました。途中、飛び入りボーカルも加わり、大盛り上がりのうちにステージは終了。
 続いては、日本人アンコール補習授業校の生徒さんたちによる「南の島のハメハメハ大王」の合唱です。

【開会挨拶】
 「蚕まつり2010」の開始にあたり、森本さんがステージ上で挨拶しました。
 クメール語の招待状に、蚕まつり共同呼びかけ人として名を連ねてくれたチア・ノルさんが、同じくマイクを手に横に並びます。
 チアさんが、森本さんの挨拶をクメール語にして、会場に集まったカンボジアの人たちに向けて、「蚕まつり」開催の主旨を説明します。
 こうした姿勢が、森本さんが現地のスタッフや行政関係者からの協力を取り付けていられる理由なのかもしれません。



【寺子屋の子どもたちの日本語発表】
 続いては、「伝統の森」の寺子屋で学ぶ17人の子どもたちによる日本語の発表がありました。
 ひとりひとりが、まず日本語で自己紹介をし、そして絵本「くまさん くまさん なにみてるの?」のストーリーを、クメール語と日本語で順に読み上げていきます。彼らは、「伝統の森」の寺子屋で、毎日45分くらい日本語の授業を受けているそうです。ステージ前列で、長い文章を読んだ子どもたちは日本語の授業を受けはじめて約10か月、後列で短い文章を読んだ子どもたちは約3か月とのこと。
 みんな一生懸命、練習した様子がうかがえました。

【子どもダンスパフォーマンス】
 そして「蚕まつり」の定番となった、子どもたちのダンスパフォーマンスです。
 ビートの効いた曲も、民謡調の曲も、みな踊り馴れた様子で元気に踊りまくります。
 腰に赤ちゃんを抱えたままで踊る女の子がいたのには、びっくりしました。(続く)

2010-09-08

山田隆量「悠かなる大地 カンボジアⅡ」日本画展のご紹介

 9月15日(水)から21日(火)まで、松坂屋名古屋店画廊(南館6階)において、日本画家の山田隆量氏による「悠かなる大地 カンボジアⅡ」日本画展が開催されます。
 山田隆量氏は、2008年にプノンペン王立芸術大学の客員教授に就任され、現在は年に3回の集中講義を行なっていらっしゃるそうです。
 しかし、カンボジアを初めて訪れたのは1994年とのことです。そして、森本さんとの出会いは、1999年にシェムリアップ川のほとりでスケッチをしようとしたのが、IKTTのすぐ前だったことから、とのこと。
 なお、9月16日(木)、18日(土)、19日(日)の午後2時からは、山田隆量氏のギャラリートークも開催されます。

と き:9月15日(水)~9月21日(火)
    10:00~17:00(入場は16:30まで)
ところ:松坂屋名古屋店画廊(南館6階)
    名古屋市中区栄三丁目16番1号
    〔アクセス・駐車場案内はこちら〕
問い合わせ先:052-251-1111(代表)

2010-09-05

森本さんの作品「生命の木」で、ファッションショーの衣装合わせ

 先日、制作中だった森本さんの手描きバティックの作品たちも、ファッションショーのステージに向けての衣装合わせが終ったようです(写真はツイッターからの再掲です)。
 ここまで準備がで整えば、あとはウォーキングなどのステージ上の構成に集中できます。舞台づくりは、「伝統の森」の男衆が作業に入ります。
「蚕まつり」まで、あと一週間。 カンボジアのテレビ局が取材に入ることも決まったようです。