2011-09-15

「蚕まつり2011」レポート(その1)森本さんの思い

 ファッションショーを翌日に控えた夜遅く、森本さんはこう語ってくれました。
「今回2つのことが実現できることが、とてもうれしいと思っているんだ。ひとつは、モニク王妃の代理としてプリンセスが来席されること。
 これはすごいことだよね。16年前に僕個人が始めた養蚕再開プロジェクトが、IKTTという組織での伝統織物の復興という活動となり、そして織り手となる女性たちの生活支援と、染め織り技術の継承と発展へとつながり、その後もたくさんの人たちと関わるなかで、自然環境の再生と村づくりへと展開していった活動が、カンボジアの王室にまで伝わり、それが認められたということだからね。
 そしてもうひとつは、今回、ファッションショーのために制作した草木染めのバティックで、これまでとは違う技法を実現してしまったこと。普通、手描き友禅の手法は、裏返してみると、どうやって描いたかがだいたい想像がつくはずなんだが、今回のはどうやったのかわからないかもね。自分でも、ひょっとしたらこうなるんじゃないかと予想してはいたんだけれど、それが思った以上にいい効果がでているんだ」
 森本さんが「自分でも思ってもいなかった」という結果を生んだ技法で染めたバティックも、ファッションショーの衣装のひとつとして、明日のステージでIKTTのスタッフのひとりが身にまとうことになります。

 
■写真は、ともにプリンセスが臨席される雛壇に掲げられたパネル

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