その、クメール語に翻訳されたものを、森本さんがIKTTのスタッフに見せたところ、みな一生懸命読んでいるようです。「お絵描き組」についての原稿を読んだ、お絵描き組の女性からは「なぜ給料を払いながら、絵を毎日描かせているのか、今日これを読んではじめてわかった、ありがとう」という反応があったそうです。サーカー君も、大学の同級生とその翻訳を読んで議論をすることもあるとのこと。さまざまな反応を見るうちに、森本さんは、このクメール語の翻訳を一冊の小冊子にまとめることを思い立ちます。
じつは一般のカンボジアの人たちにとって、黄金色に輝くクメールシルクや精緻な柄のピダンも、ラックや藍などの自然染料による染色も、もはや身近な存在ではありません。「伝統の森」を視察した政府の役人やNGOのローカルスタッフのなかに、なぜIKTTが化学染料を使わず、自動織機の並んだ工場も作らず、高床式家屋の階下で昔ながらの機織りをやっているのか、不審に思った人がいてもおかしくないのです。
カンボジアのたくさんの人たちに、カンボジアの伝統織物のすばらしさ、伝統の技を受け継ぐことの意味、染め織りの作業がその土地の自然と密接な関係があることなどを伝え、IKTTの活動の意図を理解してもらうためにも、この小冊子の発行は意味あるものとなるはずです。
以下、森本さんからみなさまへの呼びかけを、一部修正のうえ掲載いたします。
《クメール語小冊子『森の知恵』発行へのご寄付のお願い》
当初、この『森の知恵』の出版は、IKTTの自費で出せる範囲で、と考えておりました。しかし、できるだけたくさんのカンボジアの人たちに、このクメール語小冊子『森の知恵』を届けたいという思いのなか、もし可能であれば、出版に必要な費用をみなさまのご支援・ご協力によって実現できればと考えるようになりました。カンボジアの若い世代にこの本を届ける、その一助をここにお願い申し上げます。
発行部数は1000部を想定しておりますが、資金的に可能であれば部数を増していきたいと考えております。寄付金は、一口3000円から、とさせていただきます。
なお、ご寄付をいただいた方々のお名前を、この小冊子の末尾に記載し、これは日本の方々からの贈り物であることを伝えたいと思っております。お手数ですが、森本(iktt.info@gmail.com)までメールで〔@を半角英数に変換してご送信ください〕、ローマ字でのお名前の表記と併せて、お申し込み口数と入金予定日のご連絡をいただきたく、ここにお願い申し上げます。折り返し、振込先のご案内を送らせていただきます。
IKTT(クメール伝統織物研究所) 森本喜久男
※クメール語小冊子『森の知恵』が出版にいたる経緯は、メールマガジン「メコンにまかせ」のvol.160とvol.161に掲載されました。vol.160ならびにvol.161の該当部分は、以下をご覧ください。
▼クメール語の小冊子 ~「メコンにまかせ」vol.160より
▼続・クメール語の小冊子 ~「メコンにまかせ」vol.161より
※森本さんのメールアドレス変更に伴ない、文書中にあったメールアドレスを旧来のホットメールから、現在のグーグルメールに差し替えました(2010/11/7)。
2 件のコメント:
クメール語の最終原稿のチェックに時間をかけているため、当初の発行予定からはだいぶ遅れています。そのため、《ご寄付のお願い》の文面を一部修正させていただきました。
森本さんのメールアドレス変更に伴ない、文書中にあったメールアドレスを旧来のホットメールから、現在のグーグルメールに差し替えました。
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