以下、その一部を再掲させていただきます。
著者にはスーダンで医療活動をする日本人医師を追った写真集もあるが、医師の表情や子どもたちの笑顔に圧倒された。なぜ彼がこんな活動をしているのか、言葉で説明するまでもなく伝わる。この写真集でも同様に、人間の手が持つ無限の可能性や村人たちの温かなまなざし、織り上げられた布の美しさなどを並べることで森本の世界を描いていく。日頃はミュージシャンの音楽活動を撮っているという、著者の背景がほの見えるようだ。後日、前掲の森本の自伝(=『カンボジアに村をつくった日本人』)を読んでみたが、ああ、きっとこんなシーンだと、この写真集の写真を思い浮かべた。森本の心に焼き付いた過去のイメージを、きっと著者も共有できているのだろう。
印刷も高精細で目を見張らされた。この時代に写真集を出版することの意味を、改めて世に問う意欲作だ。
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