2019-01-08

2019年を迎えるにあたってのご挨拶

 ご紹介が遅くなりましたが、2018年最後のメルマガ「メコンにまかせ」から、岩本みどりのご挨拶を再掲します。



 みなさま、IKTT(クメール伝統織物研究所)の岩本みどりです。2018年も暮れようとしています。皆様いかがお過ごしでしょうか。
 2017年7月、森本さんが亡くなって深い深い悲しみと大きな不安に包まれていました。スタッフ約150名、その家族、子供たち、動物たち、IKTTは「働く」だけの場所ではなく「みんなが生きていく」場所でもあります。それは人間だけではなく、動物や自然環境すべてが存在して成り立っています。IKTTのスタッフは、きっとここから離れても強く生きていける人たちです。しかしこの仕事が好きで、IKTTが好きだと言ってくれる、そして「森本に選んでもらってここに来れて、本当に幸せ」といっているおばあたちがまだまだ頑張っている。
 「次の世代へつなげるために」という思いからできた「伝統の森」は、私たち「次の世代」に引き継がれました。そして私たちも「次の世代」へつなげられる「仕事」をしようと、皆で気持ちを入れ替えたのが、2017年9月のこと。
 「美しい布を作ること」全体ミーティングはこの言葉で終わりました。それから本当に地道な作業が始まりました。桑畑、養蚕、糸、細かい作業工程、染め、商品見直し、新作、その他ほんとうにいろいろなことを、それぞれスタッフが協力し改善してきました。もちろん問題もたくさんありました。しかし「一番大切なのは美しい布を作ることだから」という言葉が職人たちの口から出始め、ひとり、またひとりと、意識が変化してく様子を感じました。
 そして今年(2018年)に入り、新しい布が続々と誕生し、以前からあった布もさらにクオリティーが上がり、そんな布たちがたくさんの方々にご購入いただけたこと、本当に感謝いたします。
 そして、多くの方々のご協力のもと、プノンペンでの蚕まつりや展示会も開催することができました。以後、カンボジア人の見学者やFB、カンボジアシルクの調査など、少しずつではありますが当初の目的だった「カンボジアの方々に知ってもらう」ということが実現していきました。
 2019年も「皆が幸せに暮らし、良い布を作る」これをモットーに、良い布を作っていきます。本年もIKTTを応援してくださり本当に有難うございました。皆様、良いお年をお過ごしくださいませ。
「伝統の森」より 岩本みどり


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