台湾で行なわれた染色ワークショップについて、8月26日付で配信されたメールマガジン「メコンにまかせ」(vol.286)からの引用で、ご紹介します。
先日、台湾の国立工芸開発センターの方々に招かれ、5日間のワークショップを開催。講演と、自然染色とロウケツ染めの講習を行なった。主催されたのは、昨年マレイシアのクチンで開催された自然繊維と自然染色のシンポジウムで出会った人たち。
ワークショップの参加者の年代も幅広く、その熱心さに驚く日々を過ごした。わたしが、京都、タイ、カンボジアと40年のうちに培ってきた、その秘伝を伝えることができたと思っている。しかし、基本は自然と向き合う心、その大切さを伝えることができればと願った。
台中の郊外、三義にある「卓也小屋」という琉球藍の農場も訪ねさせていただいた。驚いたことに、本当に大規模に藍の栽培が行われていた。日本の藍の生産地を訪れて学び、試行錯誤のなか、ここまで広がってきたことを聞き、改めて驚かされた。
今回の講習会の中心を担っておられる先生たちも、じつは日本の大学で染織を学んだ人たちが中心となり、台湾の地で根づき、花開いたもの。今回のワークショップは、その恩師である金沢美術工芸大学の城崎先生との合同での開催であった。城崎先生は、ミャンマーでも過去10年間、現地の工芸の発展に寄与されている。素晴らしい活動を継続されてきている、まさに人を育て、種を蒔く仕事。
講習を終え、センターの所長さんや担当の先生から、そして受講生から過分の感謝の心をいただいた。最後の夕暮れ、新幹線に乗り、台中から台北へ移動。台北の国立台北教育大学の、新しく改装されたモダンなミュージアムを訪れた。
ミュージアムの10月に予定されている第一回の展示会、そこでは台湾の工芸の紹介をする予定だとお聞きした。そして驚いたことに、IKTTの活動と絣布の紹介を併せて開催したいと相談された。
「いい布を作るためには、いい土がいる」そのIKTTの心、それを紹介したいと、言っていただいた。嬉しい。しかし、期間は限られている。嬉しく、しかし慌ただしく、その準備に入らなければならない。
【以上、メールマガジン「メコンにまかせ」掲載記事から、一部加筆訂正のうえ再掲】
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