2010-09-20

「蚕まつり2010」レポート(その5)蚕供養編

 9月12日、「蚕まつり」当日の朝は、食事の準備に始まりました。
 前の晩、ファッションショーを終えた後のステージで、遅くまで踊りまくっていた若者たちも、鶏をさばいたり、米を洗ったり、あるいは来客用テントの下の円卓テーブルを整えたりと、それぞれの持ち場で働いています。その様子を見ていて、森本さんはこう言いました。
「毎年やっているからだとは思うけれど、みんな作業の流れをわかっていて、どんどんテキパキ仕事が進んでいくんだ。ほら、ちゃんと全体を見回して、足りないものを指示するスタッフもいるんだ。すごいよね」
 昨夜、ステージとなった高床式家屋の2階、つまり「伝統の森」のショップ&ギャラリーのフロアに、儀式用のスペースが作られました。そこで、僧侶への捧げ物の準備をするのは、おばあたちです。
 8時を回ったころ、「伝統の森」に僧侶たちが到着し、蚕供養の儀式が始まりました。
 いくつかの読経が行なわれたあと、列席者たちが順に、僧侶に食事を供します。5人の僧侶の前に置かれた鉢に、列席者たちが交代で、ご飯を少しづつよそっていきます(上座部仏教では、僧侶に施しをする行為が自分の徳を積むことになるとされているからだと思います)。これが一巡し、蚕供養は終りました。
 蚕供養を終えた後も、森本さんの周囲はいろいろと忙しそうでした。地元メディアの取材もありました。IKTTに関するドキュメンタリー番組を制作するという前提で、プレ取材にやってきていたTVK(カンボジア国営テレビ)のディレクターとカメラマンは、森本さんと共同呼びかけ人のチアさんを前に、あれこれと質問していました。どんな番組になるのでしょうか。
               *
 その後、しばらくの休憩の後、日本から「蚕まつり」に参加した人たちを前に、森本さんがカンボジアの布の話をしました。IKTTで制作する布はどんなものなのか、なぜIKTTでは布を作るのに桑の木を育てるところからやっているのか。カンボジアでかつて織られていた「すばらしい布」とはどんなものなのか。そして、すばらしい布を織り上げるために、いま必要なものは何なのか。・・・そんなことを、いくつかの布のサンプルを手に、森本さんが語ってくれました。

2010-09-19

「蚕まつり2010」レポート(その4)前夜祭編

【ステージ6】
 いよいよ、最終ステージです。
 皆、ちょっと“大人ゴージャス”な雰囲気の装いでの登場です。
 今回は、このステージでも森本さんの手描きバティックが目立ちます。
 登場するメンバーは、これまでに何度かのファションショーへの出場経験のある女性たちですので、動きにも落ち着きと自信が感じられます。
 なお、このステージのトリを務めたのは(例年どおり)、IKTTの括りの名手、スレンさんです。

【フィナーレ】
 フィナーレでは、再びステージに全員が登場します。
 このステージのBGMには、マイケル・ジャクソンの「ビリー・ジーン」が採用されました。
       *
 例年のことではあるのですが、森本さんは衣装あわせの段階で、着付けにさまざまな工夫を凝らしています。
 とはいえ、素材はみな、一枚の布です。布にハサミは入れません。しばったりクリップで留めることはしても、針と糸も使いません。
 彼女たちがステージ上でまとった布の多くは、水通しをして、数日後には再びIKTTのショップに並ぶ布に戻るはずです。(続く)

2010-09-18

「蚕まつり2010」レポート(その3)前夜祭編

【ステージ4】
 後半のステージは、森本さんの着付け&アレンジの“技”が見どころのひとつです。

 このステージでは、シンプルなTシャツと、絹絣や森本さんの手描きバティック(=ローケツ染めの布)との組み合わせがポイントです。意外なことに、白いTシャツが、かえって絣の柄やローケツ染めの柄を引き立たせる結果になっているように思います。

【ステージ5】
 このステージでも、森本さんの手描きバティック(=ローケツ染めの布)がふんだんに使われました。
 森本さんは、8月も後半になってから、この日のために、何枚もの手描きバティックの制作に取り組んできました。
 ひょっとすると、このステージは、森本さんにとって、その制作発表の場でもあるのかもしれません。
 ステージの上のモデルたちの所作にも、新しい工夫が見られました。(続く)

2010-09-17

「蚕まつり2010」レポート(その2)前夜祭編

【ステージ1】
 さて、いよいよ「蚕まつり2010」前夜祭のメインイベントとなる、IKTTのファッションショーの幕開けです。
 まずは、チャーップという、ヤシの葉で作ったたくさんの小鳥をつけた飾り物を手に持った女性と、生糸と蘭の花を盛ったかごを手にした女性が並んで登場します。
 その後には、竹棹に吊るしたピダン(絵絣)を捧げ持った女性たちが続きます。
 たくさんのライトを浴びた、ピダンの美しさに目を奪われます。普段であれば、壁面に飾られているため動きのないピダンですが、ステージ上ではさまざまな角度から光が当たり、そしてそれが揺れるため、手織りシルクならではの光沢感がいっそう際立ってみえます。

【ステージ2】
 次のステージは、婚礼の行列をイメージしたものです。
 サンポット・ホール(絣布の巻きスカート)と、レースやビーズで飾りつけたブラウス着用が、基本のいでたちです。現在のカンボジアでの、オーソドックスな場での正装といったところでしょうか。
 最後に登場したのは、ひとつの家族のようです。母親と子どもが3人、なぜか父親は登場しません。

【ステージ3】
 続いては、男衆の登場です。
 昨年と同じく、おのおのが酒器や楽器を手にして、ステージの上を練り歩いていきます。
 昨年、肩に掛けていたパムアンの布は、大判のピダンの布になりました。(続く)

2010-09-16

「蚕まつり2010」レポート(その1)前夜祭編

【オープニングアクト】
 9月11日(土)、「伝統の森」で「蚕まつり2010」の前夜祭が開催されました。
 オープニングアクトは、在シエムリアップの日本人を中心としたバンド ‘MILO’ による演奏で、今年も幕を開けました。今年は、ベース、ドラムそしてフルートも加わり、安定した演奏を聞かせてくれました。途中、飛び入りボーカルも加わり、大盛り上がりのうちにステージは終了。
 続いては、日本人アンコール補習授業校の生徒さんたちによる「南の島のハメハメハ大王」の合唱です。

【開会挨拶】
 「蚕まつり2010」の開始にあたり、森本さんがステージ上で挨拶しました。
 クメール語の招待状に、蚕まつり共同呼びかけ人として名を連ねてくれたチア・ノルさんが、同じくマイクを手に横に並びます。
 チアさんが、森本さんの挨拶をクメール語にして、会場に集まったカンボジアの人たちに向けて、「蚕まつり」開催の主旨を説明します。
 こうした姿勢が、森本さんが現地のスタッフや行政関係者からの協力を取り付けていられる理由なのかもしれません。



【寺子屋の子どもたちの日本語発表】
 続いては、「伝統の森」の寺子屋で学ぶ17人の子どもたちによる日本語の発表がありました。
 ひとりひとりが、まず日本語で自己紹介をし、そして絵本「くまさん くまさん なにみてるの?」のストーリーを、クメール語と日本語で順に読み上げていきます。彼らは、「伝統の森」の寺子屋で、毎日45分くらい日本語の授業を受けているそうです。ステージ前列で、長い文章を読んだ子どもたちは日本語の授業を受けはじめて約10か月、後列で短い文章を読んだ子どもたちは約3か月とのこと。
 みんな一生懸命、練習した様子がうかがえました。

【子どもダンスパフォーマンス】
 そして「蚕まつり」の定番となった、子どもたちのダンスパフォーマンスです。
 ビートの効いた曲も、民謡調の曲も、みな踊り馴れた様子で元気に踊りまくります。
 腰に赤ちゃんを抱えたままで踊る女の子がいたのには、びっくりしました。(続く)

2010-09-08

山田隆量「悠かなる大地 カンボジアⅡ」日本画展のご紹介

 9月15日(水)から21日(火)まで、松坂屋名古屋店画廊(南館6階)において、日本画家の山田隆量氏による「悠かなる大地 カンボジアⅡ」日本画展が開催されます。
 山田隆量氏は、2008年にプノンペン王立芸術大学の客員教授に就任され、現在は年に3回の集中講義を行なっていらっしゃるそうです。
 しかし、カンボジアを初めて訪れたのは1994年とのことです。そして、森本さんとの出会いは、1999年にシェムリアップ川のほとりでスケッチをしようとしたのが、IKTTのすぐ前だったことから、とのこと。
 なお、9月16日(木)、18日(土)、19日(日)の午後2時からは、山田隆量氏のギャラリートークも開催されます。

と き:9月15日(水)~9月21日(火)
    10:00~17:00(入場は16:30まで)
ところ:松坂屋名古屋店画廊(南館6階)
    名古屋市中区栄三丁目16番1号
    〔アクセス・駐車場案内はこちら〕
問い合わせ先:052-251-1111(代表)

2010-09-05

森本さんの作品「生命の木」で、ファッションショーの衣装合わせ

 先日、制作中だった森本さんの手描きバティックの作品たちも、ファッションショーのステージに向けての衣装合わせが終ったようです(写真はツイッターからの再掲です)。
 ここまで準備がで整えば、あとはウォーキングなどのステージ上の構成に集中できます。舞台づくりは、「伝統の森」の男衆が作業に入ります。
「蚕まつり」まで、あと一週間。 カンボジアのテレビ局が取材に入ることも決まったようです。

2010-08-29

森本さんの作品(生命の木ニューバージョン その2制作中)

 「蚕まつり2010」のファッションショーに向け、さらに友禅染めの「生命の木」の新たな制作に立ち向かう、森本さんの後姿です。

2010-08-27

森本さんの作品(生命の木ニューバージョン)

 ここしばらく、偏頭痛に悩まれながらも制作に没頭していた森本さんの手描き友禅の作品が出来上がったようです。ツイッターにアップされた写真を再掲します。
 これらの布は、9月11日に開催される「蚕まつり2010」の前夜祭のファッションショーで、IKTTのスタッフたちの身にまとわれる予定です。

2010-08-26

「伝統の森」の位置をプロットした地図のご紹介

 シエムリアップにあるIKTT(クメール伝統織物研究所)と、ピアックスナエンの「伝統の森」の位置をプロットした地図をご紹介します。
 「伝統の森」へは、プレアカン(プリヤ・カンあるいはプリア・カンとも)から北上していく、いわゆる左回りルートと、バンテアイスレイに向かう道から途中で脇道に折れる右回りルートのどちらからでもアクセス可能です。
 どちらのルートも、途中までは舗装されていますが、幹線から外れ、「伝統の森」へ向かう脇道は、乾季には土ぼこりだらけになりますし、雨季にはぬかるみができます。
 これは荷重の重い土砂採掘のトラックや、材木を積んだトラックがひんぱんに走っているためで、それゆえ路面の状況は日々変化しています。どちらのルートがお勧めともいいきれませんが、2015年1月現在、IKTTの車は左回りのルートを選ぶことが多いようです。
 ご自身でチャーターしたタクシーやトゥクトゥクで「伝統の森」に向かう場合は、シエムリアップのIKTTに寄り、カンボジア人スタッフに道を確認したほうが間違いないと思います。
 なお、『カンボジア絹絣の世界』p.116 の「シエムリアップ周辺図」にも、「伝統の森」の位置がプロットされておりますので、こちらも参考にしてください。

2010-08-23

9月7日-16日、日本アセアンセンターでのIKTTクメールシルク販売のご案内

 日本アセアンセンターならびに写真家のBAKU斉藤氏のご厚意により、写真展「Devata 女神たちの微笑」の会場で、IKTTのクメールシルクの展示と販売を行なうことになりました。
 今回のクメールシルクの展示と販売は、BAKU斉藤氏の「アンコールの女神たちが身にまとっていたのは、間違いなくクメールシルクですよね」という発言から始まりました。ありがとうございます。
 写真展「Devata 女神たちの微笑」の開催は、9月7日(火)から16日(木)まで(12日は閉館)。開場時間は、9時30分から17時30分までです。

と き:9月7日(火)から16日(木)
    ※9月12日(日)を除く
    9:30~17:30 
ところ:日本アセアンセンター
    東京都港区新橋6-17-19
    新御成門ビル1階
    受付(Tel):03-5402-8001
アクセス:都営地下鉄三田線 御成門駅
     A4出口より徒歩1分
     都営地下鉄大江戸線・浅草線 大門駅
     A6出口より徒歩8分
     JR 新橋駅 烏森口より徒歩10分

2010-08-22

バンテアイ・クデイで再び仏像発掘(上智大学アンコール遺跡国際調査団)

 カンボジアからの報道によると、上智大学アンコール遺跡国際調査団が発掘・調査を続けるバンテアイ・クデイ遺跡で、再び廃仏が発掘されたそうです。
 報道内容につきましては、「アンコール遺跡、受難の仏像発見…上智大調査団」(8月20日付のYOMIURI ONLINE/読売新聞)、「受難語る地中の石仏 上智大のアンコール遺跡調査団」(8月21日付のasahi.com/朝日新聞)、「上智大がアンコール遺跡群で、石仏6体発掘」(8月22日付の産経ニュース/産経新聞)などのニュース記事をご覧ください。
 なお、上智大学アンコール遺跡国際調査団によって、バンテアイ・クデイ遺跡で2001年に発掘された274体の仏像は、現在はシハヌークイオン博物館に保管・展示されています。この2001年の廃仏発掘に関するレポートは、同調査団のWebサイトにある「アンコール・ワット付近から大量の廃仏発見」でご覧いただけます。
 また、このとき発掘された仏像は、写真家の大村次郷氏が撮影を担当し、石澤良昭 監修・著『アンコールの仏像』という豪華写真集として、NHK出版より発刊されています。

2010-08-16

日本アセアンセンター・カンボジア写真展「Devata 女神たちの微笑」のご紹介

 9月7日(火)から16日(木)まで、日本アセアンセンター(東南アジア諸国連合貿易投資観光促進センター)において、BAKU斉藤氏による カンボジア写真展「Devata 女神たちの微笑」 が開催されます。
 また、9月11日(土)には、今川幸雄氏(元駐カンボジア王国特命全権大使)とBAKU斉藤氏の「記念トークライブ」が開催されます(記念トークライブのみ要事前申し込み)。
 記念トークライブのお申し込みは、日本アセアンセンター広報(FAX: 03-5402-8003 あるいは Eメール toiawase_ga@asean.or.jp)までお願いいたします。

と き:9月7日(火)から16日(木)
    ※9月12日(日)を除く
    9:30~17:30 
ところ:日本アセアンセンター
    東京都港区新橋6-17-19
    新御成門ビル1階
    受付(Tel):03-5402-8001
アクセス:都営地下鉄三田線 御成門駅
     A4出口より徒歩1分
     都営地下鉄大江戸線・浅草線 大門駅
     A6出口より徒歩8分
     JR 新橋駅 烏森口より徒歩10分

2010-08-15

ブログ「徒然なるカンボジア - yama's bar」のご紹介

2009年2月に「伝統の森」を訪れたyamaさんのブログに、カンボジアの「本物」復興 - IKTTと題した記事がありましたので、ご紹介します。

2010-08-05

BAKU斉藤「森に守られた都市アンコール」展のご紹介

 開催半ばを過ぎてしまいましたが、8月8日(日)まで、静岡県コンベンションアーツセンター「グランシップ」の6F展示ギャラリーにおいて、写真家BAKU斉藤氏による写真展「森に守られた都市アンコール」が開催されています。
 BAKU斉藤氏は、JSAアンコール遺跡群調査隊などに参加して、アンコール遺跡の撮影を行ない、とくにバイヨン寺院内の尊顔すべてを真正面から撮影するという作業を行なったことで知られています(その結果、バイヨン寺院の尊顔についての図像学的研究が進められていると聞きます)。

と き:7月24日(土)~8月8日(日)
    10:00~17:00(入場は16:30まで)
ところ:静岡県コンベンションアーツセンター
    「グランシップ」6F展示ギャラリー
    静岡県静岡市駿河区池田79-4
問い合わせ先:054-203-5710(代表)
入場料:一般600円 大高生・70歳以上300円

2010-07-28

北星学園大学・内藤順司写真展&講演会のご案内

 8月2日(月)より8月7日(土)まで、札幌の北星学園大学の大学会館2Fホールにおいて、フォトグラファー内藤順司氏による写真展「甦るカンボジア:伝統織物の復興が“暮らし”と“森”の再生に至るまで」が開催されます。
 これに先立ち、北星学園大学の文学部(心理・応用コミュニケーション学科)の公開講座として、8月2日(月)の10時30分より、内藤順司氏の講演会「私はなぜ、海外で活躍する日本人を撮るのか? カンボジア、スーダンでの国際協力」が開催されます。
 なお、2日の当日は、講演会の後に写真展の会場設営を行なうために、写真展会場の開場は16時の予定となっております。ご了承ください。

■講演会「私はなぜ、海外で活躍する日本人を撮るのか? カンボジア、スーダンでの国際協力」
と き:2010年8月2日(月)10:30-12:00
ところ:北海道札幌市厚別区大谷地西2-3-1
    北星学園大学 B館4階 B402号教室
参加費:無料
申込み:事前申込は不要です。当日、直接会場へお越しください。

■写真展「甦るカンボジア 伝統織物の復興が“暮らし”と“森”の再生に至るまで」
と き:2010年8月2日(月)-8月7日(土)
    9:00-18:00(初日は16:00から/最終日は16:00まで)
ところ:北海道札幌市厚別区大谷地西2-3-1
    北星学園大学 大学会館2F ホール
入 場:無料
問合先:北星学園大学エクステンション課 電話:011-891-2731(代表)

2010-07-27

フーリア&サックラー・ギャラリーでのIKTTのシルク展示が紹介されています

 7月23日付のVOA(ボイスオブアメリカ)で、スミソニアン・インスティテューションのフーリア&サックラー・ギャラリーで開催されたトランクショーに関する紹介記事が掲載されています。

(なお、記事中には「現在、彼はアンコール寺院の北に5ヘクタールの土地を取得し」とありますが、2002年にはじめて取得した土地が約5ヘクタールで、現在は約23ヘクタールにまで拡張されていることを付け加えておきます)

2010-07-19

「伝統の森」での、子どもたちの染色体験の感想が紹介されています

 小田原にあるはじめ塾の子どもたちが、5月に「伝統の森」にやってきました。
 JST(=Joint Support Team for Angkor Preservation and Community Development/アンコール遺跡の保全と周辺地域の持続的発展のための人材養成支援機構)が企画したカンボジア体験ツアーの一環として、遺跡見学、カンボジアの子どもとの交流、トンレサップ湖で水上生活をしている村への訪問、地雷博物館の見学、そして「伝統の森」での染色体験など、盛りだくさんを楽しんだツアーであったようです。
 JSTのオリジナルツアーBlogで、ツアーに参加した子どもたちの、「伝統の森」での染色体験の感想がご覧になれます。

2010-07-14

スミソニアンのギャラリーで、IKTTのトランクショー開催中

 ワシントンのスミソニアン・インスティテューションにあるギャラリーのひとつ、フーリア&サックラー・ギャラリーでは、現在“GODS OF ANGKOR”と題したカンボジア国立博物館所蔵のブロンズ像の企画展が開催されています。
 これに連動するイベントのひとつとして、7月16日からIKTTの布のトランクショー&ディスカッションが始まりました(イベントは18日までの3日間です)。
 同ギャラリーのイベント欄に、森本さんが写真入りで紹介されています。

※ワシントンポストに掲載された告知広告の画像が届きましたので、併せて掲載します(使用した写真は、フォトグラファー内藤順司氏によるものです)。

2010-07-10

Mr.John Wongのブログ「TROPIXBLUE」のご紹介

 ベトナムのドキュメンタリージャーナリスト、John Wong氏のブログ(TROPIXBLUE)で、「伝統の森」の写真が紹介されています。

2010-07-09

5月21日付の「the Phnom Penh Post」で森本さんの活動が紹介されています

5月21日付のカンボジアの英字紙「the Phnom Penh Post(プノンペン・ポスト)」に、森本さんが紹介されています。記事のタイトルは、“Temple town fashion reaches the world”です。 森本さんに関しては、5月にシハモニ国王が訪日した際に、鳩山首相(当時)主催の午餐会に招かれたこと、まもなくワシントンDCのスミソニアン博物館のギャラリーでのトランクショーを行なうことなどが書かれています。

2010-07-02

内藤順司写真展「もうひとつのスーダン&カンボジア織物の復興への道程」のご案内

 直前のご案内となってしまいましたが、2月にJICA地球ひろばで開催された写真展「甦るカンボジア」以降、精力的に動いていただいている内藤順司さんの写真展が開催されます。
 今回は、スーダンで医療活動を続けている川原医師への取材と、「伝統の森」の森本さんへの取材をもとに、2つの現場を結ぶ写真展となるとのこと。
 会場は、神奈川県逗子市のカトリック逗子教会です。内藤さんは「教会を迫力ある写真展示で満たしたいと思っています」と、ご自身のブログでコメントされています。
 また、7月11日(日)の13時からは、内藤順司さんのトークショーも開催されます(写真展、トークショーとも入場無料)。

■写真展「もうひとつのスーダン&カンボジア織物の復興への道程」
期間:7月3日(土)~7月11日(日)
   10:00~17:00(日曜のみ12:00から)
会場:カトリック逗子教会
住所:神奈川県逗子市逗子6-8-47(聖マリア小学校隣)
電話:046-871-2009
アクセス:JR横須賀線逗子駅から徒歩約10分/京浜急行新逗子駅から徒歩約5分
※会場には、駐車場はございませんので、できるだけ公共交通機関をご利用ください

 写真展ならびにトークショーの詳細につきましては、内藤順司さんの関心空間と、『もうひとつのスーダン』出版記念ブログも、併せてご覧ください。

2010-07-01

スミソニアンのフーリア&サックラー・ギャラリーでIKTTトランクショー開催

 ワシントンDCにあるスミソニアン・インスティテューションのギャラリーの一つ、アジアの至高の美術品を展示するフーリア&サックラー・ギャラリーでは、現在“GOD OF ANGKOR”と題したカンボジア国立博物館所蔵のブロンズ像の企画展が開催されています。これに連動するかたちで、7月16日から18日までの3日間、IKTTの布のトランクショーが開催されます。
 森本さんは、メールマガジン「メコンにまかせ」(Vol.223)のなかで、「柴又の寅さんではないですが、本当にカバンに布を詰めて出かけます。バナナの叩き売りじゃないから、派手な口上はありませんが、心にしみる口上をワシントンDCでしてきたいと思っています」と期待を込めて語っています。
 スミソニアンでのトランクショー(Cambodian Trunk Show and Discussion at Freer and Sackler Gallery Shop)と、フリア&サックラー・ギャラリーでの企画展(Gods of Angkor: Bronzes from the National Museum of Cambodia)の詳細につきましては、同ギャラリーのサイトでご確認ください。

2010-06-22

團雅司さんによる、IKTT紹介映像のご案内

 昨年、「伝統の森」を訪れた團雅司さんによるIKTTの映像です。



 この動画以外にも、團雅司さんのWebサイト(Camaieu)には、IKTTの写真が紹介されています。

2010-06-21

日本福祉大学による、IKTT紹介映像のご案内

 日本福祉大学国際福祉開発学部のスタディツアーに連動し、「伝統の森」でのIKTTの活動を紹介する映像が、YouTubeにアップロードされました。

2010-06-14

IKTTで使われている染め材~プロフー


(左:乾燥させたプロフーの樹皮、右:写真左側がプロフーの樹皮、右側は樹皮を細かく刻み、染め液を煮出した状態)

【名称】
日本語:ガンボージ(雌黄あるいは藤黄)
英語:Gamboge
カンボジア語:プロフー(Prohut)
ラテン語名 [garcinia vilersiana]
【使用部位】
樹皮(bark)
【染色結果】
明礬媒染で黄、鉄媒染で緑。
【染色方法】
・樹皮を細かく刻み、煮出して色素を抽出する。


(左:育ち始めたプロフーの苗、右:工房に運び込まれたプロフーの幹)

【メモ】
・沖縄で紅型染めに使用されるフクギ(福木)と同じ染め材。
・周達観『真臘風土記』の「出産(産物)」の項には、「画黄(藤黄か)」との記述がある。そしてこの注釈には「藤黄は一種の樹脂で、黄色で絵画・顔料などの用に供する」とある。
・沢地久枝『琉球布紀行』には、城間栄喜の工房の周囲に茂る福木について、こんな逸話が記されている。終戦直後、「焼跡の仮小屋で紅型作家として再起の第一歩を踏み出すとき、栄喜はまず福木を植えようとした。(中略)全島に散らばっていた栄喜の友人たちは、各地からえりすぐりの福木の種子を栄喜のもとに届けたという。樹齢の多い福木の種子からは、つよいいい福木が芽生える。選び抜かれた福木の実が集まった。(中略)福木は春に小さな黄色の花をつけ、秋には丸い実となって生命をつないでゆく。そして樹齢が二百年近くなったとき、王家の色、高貴な色である「黄」の極上の染料をもたらす。」
・有機顔料としてのガンボージは、インドシナ半島のほか、スリランカなどで産する。

(乾燥させたフクギの樹皮、石垣島のギャラリーku-yaにて撮影)

関連記事 ⇒ IKTTで使われているおもな染め材 IKTTで使われている染め材~ラック

2010-06-06

溜息のでる布

 6月4日に配信されたメールマガジン「メコンにまかせ」(vol.219)で森本さんは、次のように記しています。

 ここ数日、なぜかバナナの絵を描きたいと思っている。少しボリュームのあるバナナの赤い花を中心に重なるバナナの葉を、写実というよりは少しモダンなラフなタッチで描きたいと思っている。紙もできれば全紙サイズの大きめの紙に、などと思いを巡らせている。
 でも、あいかわらずのばたばたと過ごしながらの毎日。筆を手にするところまで到達できるかどうかも、まだおぼつかないのだが。
 「お絵書き組」の絵の展示会をシエムリアップで開けるかもしれない、という話が持ち上がっている。それに向けて、というわけではないが、お絵描き組の女性たちに、少し気合いを入れて描くようにと、そそのかしている。いつもだったら、それで描き終えておしまいの絵も、完成度を上げるために、もう一度見直してさらに描き込んでみるアイデアを提案。ここ数週間、そんな彼女たちとのセッションのようなことをやり始めたことが、自分でも描きたいと思ったきっかけかもしれない。
 美しいものを表現するということは、もちろんそんな簡単なことではない。仮にそのイメージが持てたとしても、それを実現する技量や素材がなければ実現しない。そして、なんといってもそれをやり遂げる心が必要である。
 大切なことは、火花が走るような、その美しさを求める心を維持し、切磋琢磨することなのかもしれない。そのことで技術を磨き、正しい素材を求めることができる。世には、数千、数万の、ときには無限の美しいものが存在する。その美しいものと向き合い目眩がしたとしても、なおかつ己自身がそれを超える美を作り出せるのかどうか。そんなことを、ときに自問する。(中略)
 人間国宝級の腕を持つ、「伝統の森」に暮らすIKTTの宝、おばあオムペット。彼女も、100年前のカンボジアの古布を超える仕事に、精を出し始めた。わたしが参考に渡したカンボジアの絣の古布のカタログから、そのエキスを自分の仕事のなかに取り込もうとして、その本を手に「この絣柄をやりたいのだが」とやってきた。70歳を超えてなお持続する、その情熱に頭が下がる。
 そんな、おばあたちをトップに、IKTTは15歳から75歳まで、約300人ほどの三世代が一緒に生活しながら、布を作っている。10代の若い女性たちは、先輩から、その知恵や経験を学ぶ。子どもを抱えながら働く20代後半から30代の女性たちが主力部隊。そして、年配の女性たち。牛の世話をし、牛糞を桑畑に運ぶ男たち。それぞれが役割を持ち、力をあわせ一枚の布を作っている。
 一枚一枚の布に心を込めて織り上げていく。そんな仕事ができること、そしてそんな環境があることが、大切なように思える。それは、量ではなく質の世界、溜息が出るような布を作りたい。そのことを、いま改めてはっきりと自覚し始めた。
 そして、お絵描き組の女性たちが、初めての絵の展示会をシエムリアップで開催できることは、彼女たち自身にとって新しいステージを自らの力で切り開くことになる。ときにわたしに厳しく指摘され苦悩しながらも、夢は高く、誇りを持ってものを生み出していくこと。そんなすばらしい体験のときになればと思う。美の極みを目指すことは、そんな容易なことではないから。

【以上、メールマガジン「メコンにまかせ」掲載記事から抜粋、一部加筆修正】
※オムペットの写真は、「IKTTカレンダー2010」にも使用させていただいている内藤順司氏によるものです。
※メールマガジン「メコンにまかせ」の講読は、こちらからお申し込みください(講読無料)。

2010-06-02

茨城キリスト教大学・内藤順司写真展「甦るカンボジア」始まりました

 茨城キリスト教大学図書館での、フォトグラファー内藤順司氏による写真展「甦るカンボジア:伝統織物の復興が“暮らし”と“森”の再生に至るまで」が始まりました。
 この写真展は、2月に東京広尾のJICA地球ひろばで開催された内藤順司写真展「甦るカンボジア」の大学巡回展という位置づけとなり、5月2日の帝塚山大学に続く、第2弾となります。
 今回の写真展は、茨城キリスト教大学文学部文化交流学科と、同大図書館、ならびに同大言語文化研究所のご協力のもと、実現の運びとなりました。さまざまなご調整にご尽力いいただいた藤田悟先生、そして関係者のみなさま、ほんとうにありがとうございました。

と き:6月1日(火)~6月30日(水)
    月曜~金曜 9:00~17:00/土曜 9:00~11:45
ところ:茨城キリスト教大学 図書館 1F開架閲覧室内
アクセス:JR常磐線、大甕(おおみか)駅隣接
※JR上野駅から約90分(特急利用)

2010-05-26

今井俊博さんとの再会、そして素材を見直すことの大切さ

 5月25日に配信されたメールマガジン「メコンにまかせ」(vol.218)で、森本さんは、日本滞在中に訪れた布の展示会でのことを次のように記しています。少々長いですが、再掲します。

 わずか数日の日本での滞在だったが、ちょうど千駄ヶ谷で開催されていた「うちくい展」という催しを見に行くことができた。会場は、新宿御苑のすぐ隣、というか新宿御苑の森を借景にした「ラミュゼdeケヤキ」という名前の素敵なお家。この「うちくい展」、おもに沖縄で手作りの布に取り組まれている方々の作品展。風合いのある、素敵な布たちに出会えた気がする。
 そして、そんな布を見て、少しほっとした。というのは、昨年の11月、沖縄の南風原文化センターの「アジア・沖縄 織りの手技」展に招かれたとき、琉球絣の産地で出会った布たちの表情には、少し元気がなかった。なぜかといえば、素材の糸がもつ無表情な印象が気になったのだ。それは多分、中国あたりで機械引きされた無機質な生糸のせいなのだと思う。絣の仕事や織りそのものには手がかけられているだけに、それはとても残念な出来事。沖縄の織り手たちが、その素材としての生糸をもう一度見直す時期に来ているのだと、改めて感じた。でなければ、せっかくの手仕事が浮かばれない。
 素材、それはそのまま風土という言葉に置き換えられる。風と土、それは自然環境そのものである。その土地の生態系を生かした産物、それが素材といえる。しかし、現代の効率化と大量生産の時代のなかで、素材はマーケットから買うのが当たり前になってしまった。でもそれは、誰がどんな風に作っているのかが見えてこない、固有の風土とは無縁なもの。アンデスの山の中で、昔ながらの腰機(こしばた)で織られている布も、その糸はマーケットから買った化学染料で染められた化繊の糸になってしまっている時代である。それは、安全性も含めて、作り手が見えなくなってしまった輸入食料品の世界にも似ている。結果として、それが生み出されている風土とは無縁なものづくりが、当たり前になってしまった。
 「うちくい展」の布を見て、触って、そんなことを考えていたとき、会場に今井俊博さんが現れた。偶然のこととはいえ、本当にびっくりした。今井さんは、目白で「ゆうど」という自然素材にこだわった布などを扱うお店を主宰されている。じつは、わたしが彼から素材の大切さに眼を向けるきっかけをいただいたのは、14年ほど前に、今井さんとお会いしてお話をお聞きしたときだったように思う。もう80歳を超えられているのではないだろうか、でも杖をつきながら、でもお元気な姿を、久しぶりに拝見した。今井さん、展示されている布の前に腰を下ろして一言、「沖縄でも、本当に素材からこだわっている作家が少なくなったんだよね」。
 その今井さん、70年代のファッショナブルな時代の最先端だった広告業界の中で大きな仕事をされてきた方だと聞いている。そして80年代には、インドネシアで手で布を作る人々との出会いがあったという。96年に国際交流基金主催の『アジアのテキスタイル交流プログラム』を企画され、そのときにお会いしたのが最初だった。ラオスやタイ、インドネシアやインドなどアジア各地の布にかかわる人たちと出会い、互いに刺激を受けながら、東京、京都、沖縄と日本の布にかかわる人たちとも交流することができたプログラム。それは、わたしにとっては、ちょうどIKTTをカンボジアで設立した直後のことでもあった。
 西表島の紅露工房を主宰されている石垣昭子さんと金星さんにお会いしたのもそのときだ。お二人の染め織りの素材との自然なかかわり方から、多くのことを学ばせていただいた。わたしにとって大切な出会いのときだった。西表の谷合の沢に自生する琉球藍の葉を収穫しながら、そのいくつかを次のために植え直してゆく。紅露(くーる)という芋の仲間を山から収穫するときも、収穫するのは半分だけ。残りは、土の中に残してやる。それは、風土を愛し、循環と持続可能な自然と付き合うための、基本の作法とでも言えばよいのだろうか。そうしたことをごく普通のことのようにして布を作られている姿を拝見し、そこから学び得たことは多かった。それは、そのまま現在のIKTTの「伝統の森」という、布と布を作る人々にとって大切な、自然環境を再構築する事業の基本の作法にもなっている。
 同じとき、沖縄の織り手で羽衣のような布を織られている方が、そんな羽衣のような布を織るために大切なものは細くてしなやかな生糸だと話されていた。沖縄には志村明さんという、生糸の研究に力を注がれていた方がおられた。しかし、その志村さんが作られるすばらしい糸があるときは、みんながあまり素材のことを気にしていなかった。が、志村さんが沖縄を離れて、そんなすばらしい糸が手に入らなくなり、はじめて志村さんの仕事の意味とその重要さに、みんなの思いが至ったのではないだろうか。石垣島で養蚕が行われているのに、石垣の織り手はその生糸が欲しいと思っても、沖縄には製糸工場がないため、石垣の繭は宮崎の製糸工場に送られ、京都の生糸問屋さんから買わなくてはならない。
 志村さんは、座繰りの生糸が持っている風合いの素晴らしさを、改めて問われている。
 最近、日本の若い織り手の方たちの中で、自分で綿花を栽培して糸を紡ぐ、蚕を飼い始めたという風のたよりを耳にすることが多くなった。それは、素材をもう一度見直すところからものづくりを考える、そんな時期に来ていることを語っている。本来、いい土があるところで焼き物が起こり、いい水のあるところで染色が行われてきた。その基本に帰ること。
 あらためて、伝統は守るものではない、私たち自身の手で作り出していくものが伝統なのである。そのために、素材から見直す。あえて言えば、それを生み出してきた自然環境、風土についてもう一度見直す時期が来ているのではないだろうか。
 IKTTは15年前、戦争の中で失われた伝統を再生するために、カンボジアで自然の再生に取り組み始めた。効率化のなかで失われた伝統と自然と結びついた伝統の再構築が、いまの日本でも必要な時代がやってきているのではないだろうか。それはそのまま、自然の再構築の必要性を意味する。
 日本でも、15年前にわたしがカンボジアで手の記憶をもったオバアたちを探したように、伝統の知恵をもつ人びとと出会う作業が必要なのかもしれない。久しぶりに今井さんと出会えたことで、そんなことを思いめぐらしながら日本を後にした。

【以上、メールマガジン「メコンにまかせ」掲載記事から抜粋、一部加筆修正】
※記事中にある、96年に開催された『アジアのテキスタイル交流プログラム』については、今井俊博氏によるレポートが、国際交流基金の刊行物「アジアセンターニュース(No.2)」に掲載されています。(「アジアセンターニュース」のバックナンバーは、国際交流基金のサイトにPDFデータがありますので、そちらをご覧ください)。また、石垣昭子さんの紅露工房については、Webマガジン「ナチュラルクエスト」での紹介記事もありますので、そちらもご覧ください。
※挿画は、喜多川歌麿「女織蚕手業草 九(繰糸)」です。
※メールマガジン「メコンにまかせ」の講読は、こちらからお申し込みください(講読無料)。

2010-05-21

茨城キリスト教大学・内藤順司写真展「甦るカンボジア」のご案内

 6月1日(火)より6月30日(水)まで、茨城キリスト教大学図書館において、フォトグラファー内藤順司氏による写真展「甦るカンボジア:伝統織物の復興が“暮らし”と“森”の再生に至るまで」が開催されます。
 この写真展は、2月に東京広尾のJICA地球ひろばで開催された内藤順司写真展「甦るカンボジア」の大学巡回展という位置づけとなり、5月2日の帝塚山大学に続く、第2弾となります。
 今回の写真展は、茨城キリスト教大学文学部文化交流学科と、同大図書館、ならびに同大言語文化研究所のご協力のもと、実現の運びとなりました。さまざまなご調整にご尽力いいただいた藤田悟先生、そして関係者のみなさま、ほんとうにありがとうございました。

と き:6月1日(火)~6月30日(水)
    月曜~金曜 9:00~17:00/土曜 9:00~11:45
ところ:茨城キリスト教大学 図書館 1F開架閲覧室内
アクセス:JR常磐線、大甕(おおみか)駅隣接
※JR上野駅から約90分(特急利用)

5月31日、茨城キリスト教大学文学部文化交流学科オープンクラスのご案内

 茨城キリスト教大学図書館において開催されるフォトグラファー内藤順司氏の写真展「甦るカンボジア:伝統織物の復興が“暮らし”と“森”の再生に至るまで」に先立ち、同大文学部文化交流学科(文化交流論)のオープンクラスとして、内藤順司氏のレクチャー「私はなぜ、海外で活動する日本人を撮るのか?」が開講されます。
 スピッツや浜田省吾をはじめとする、数多くの日本人ミュージシャンのオフィシャル・フォトグラファーを務めている内藤氏が、カンボジアでIKTTを設立した森本さんやスーダンで医療活動を続ける川原尚行医師を撮ろうと思い立ったのはなぜなのか、ファインダー越しのカンボジアやスーダンは、どんな見え方をするのか、興味深いお話がうかがえると思います。
 なお、この日のレクチャーは一般の方にも開放されたオープンクラスとのことです。

と き:5月31日(月)14:20~15:30
ところ:茨城キリスト教大学  1号館 1308教室
ゲストスピーカー:フォトグラファー 内藤順司
タイトル:「私はなぜ、海外で活動する日本人を撮るのか?」

2010-05-20

第1回アセアン検定、「タイ検定(3級)」が実施されます

 英検、仏検、漢検・・・、いろいろな検定がありますが、「アセアン検定」なるものが始まります。その第1回として「タイ検定(3級)」が8月29日に実施されます。タイ語検定ではなくタイ検定。つまり、タイに関するさまざまな知識と理解が問われるようです(ちなみに、問題は日本語で出されます)。
 アセアン検定ということは、そのうち、カンボジア検定も実施されるということなのでしょう。ちなみに、アセアンとはAssociation of South East Asian Nations(東南アジア諸国連合)の略で、現在の加盟国は、ブルネイ・カンボジア・インドネシア・ラオス・マレーシア・ミャンマー・フィリピン・シンガポール・タイ・ベトナムの10か国です。

2010-05-19

日本エコプランニングサービス「カンボジアIKTT “伝統の森” 蚕まつりツアー」のご紹介

 毎年「IKTT “伝統の森” 蚕まつりツアー」を企画されている(株)日本エコプランニングサービス(JEPS)による、今年の「蚕まつり2010」参加ツアーの募集が始まっています。
 ファッションショーをメインイベントとした前夜祭、「伝統の森」での宿泊、翌朝の蚕供養への参加などが組み込まれたスタディツアーです。詳細については、以下のサイトでご確認ください。

▼日本エコプランニングサービス「カンボジアIKTT「伝統の森」蚕まつりツアー

2010-05-18

森本さん雑談会、終了しました

 16日に行なわれた内藤順司氏とのトークショーに引き続き、翌17日にも同じく高円寺の庚申文化会館で行なわれた、森本さんの(なりゆきまかせの)雑談会&IKTTのクメールシルク販売会も無事終了しました。
 前日に、スカーフとハンカチをお求めになった方が「友人にも」と、再度ハンカチをお求めにご来場いただいたりしつつ、こじんまりとした雰囲気のなか、それぞれの参加者の方から森本さんへの質問などを交えながら、いつもとは展開が違うなかで話が進みました。
 終了後、森本さんは「昨日と今日、いろいろな話をしたなかで、前回2月に日本に来たときからなんとなく気になっていたことが、だんだんかたちになってきた気がする。もう少ししたらうまくまとまるかもしれない」と感想を述べていました。そんなことも、近いうちにメルマガ「メコンにまかせ」の巻頭言に載るかもしれません。
 今回、高円寺での2日間でのイベントに関しては、これまでに何度もイベント開催でお世話になっている「茶房 高円寺書林」さんのご協力により、わずか一週間という期間のなかで、なんとかイベント開催に至ることができました。いつもおいしいコーヒーと、辛口ジンジャエールとともに感謝です。ありがとうございました。

森本喜久男&内藤順司トークショー、終了しました

 16日に、高円寺の庚申文化会館で開催された、フォトグラファー内藤順司氏と森本さんのトークショーは、盛会のうちに終了しました。わずか一週間前の告知にもかかわらず、会場に足を運ばれたみなさま、本当にありがとうございました。
 一枚一枚の写真を見ながら、内藤氏が語り、それを受けて森本さんがさらに語る。あるいは、内藤氏から、素朴かつストレートな質問が森本さんに投げかけられる・・・。
 恒例ともいえる森本さんの報告会とは異なる展開のなかで、新たな視点からのIKTTの活動の説明や「伝統の森」の展開などを聞くことができ、たいへん有意義な時間であったように思います。
(写真提供=石川武志)

2010-05-17

杏の「クメール織の『伝統の森』」訪問記のご紹介

 3月28日にBS日テレで放送された番組「世界で勝負!グレートジャパニーズ」のナレーションを務めた女優の杏さんが、その直後、5月4日にJ-WAVEで放送された番組「BLUE PLANET」の取材のためにシエムリアップを訪れ、森本さんへのインタビューを担当されました。
 そのときの「伝統の森」や森本さんに会ったときの印象などが、筑摩書房のウェブサイト(Webちくま)の「杏のふむふむ」の連載第10回 【クメール織の「伝統の森」】 に掲載されています。

2010-05-11

5月17日、IKTTシルクの展示販売と森本雑談会のご案内

 森本さんの突然の帰国にあわせ、前日(16日)の森本喜久男&内藤順司トークショーに引き続き、同じく高円寺の庚申文化会館で、IKTTのシルクなどの展示販売と、(本人いわく)なりゆきまかせの森本さん雑談会を行います。

 と き:5月17日(月)
     18時~20時30分
 ところ:庚申文化会館(高円寺)
     杉並区高円寺北3-34-1
     (茶房高円寺書林のすぐ隣です)
     電話:03-5356-9081
 アクセス:JR高円寺駅北口の高円寺純情商店街を直進。突きあたりを左折し、すぐに右折。左手に高円寺文庫センターを見てDVDドラマのすぐ先。

5月16日、森本喜久男&内藤順司トークショーのご案内

 突然ではありますが、森本さんの帰国にあわせ、フォトグラファー内藤順司氏とのトークショーが、以下のとおり開催されます。みなさま、ぜひともお越しください。
 会場では、IKTTのシルクの展示販売も行ないます。

 と き:5月16日(日)
     18時30分~20時30分
 ところ:庚申文化会館(高円寺)
     杉並区高円寺北3-34-1
     (茶房高円寺書林のすぐ隣です)
     電話:03-5356-9081
 アクセス:JR高円寺駅北口の高円寺純情商店街を直進。突きあたりを左折し、すぐに右折。左手に高円寺文庫センターを見てDVDドラマのすぐ先。

2010-05-06

帝塚山大学「あかね祭」での写真展「甦るカンボジア」・ギャラリートーク終了しました


(左:パネル設営には帝塚山大学の学生さんのご協力もいただきました、右:写真を前に説明する内藤さん)

 5月2日に、帝塚山大学「あかね祭」で開催された内藤順司写真展「甦るカンボジア:伝統織物の復興が、“暮らし”と“森”の再生に至るまで」、ならびに内藤さんによるギャラリートークは、盛況のうちに終了しました。関係者のみなさま、そしてご来場いただいたみなさま、ありがとうございました。
 今回、写真展開催にあたってご尽力いただいた帝塚山大学現代生活学部居住空間デザイン学科の植村和代先生は、90年代後半から、カンボジアの織物文化に関するフィールドワークをなさった方でもあります。会場では、植村先生が持参されたカンボジアで入手したアンティークの絣布と、ごく初期の頃のIKTTで制作された絣布も展示されたとのこと。その2つの布を触ってみて、内藤さんは、「森本さんが、IKTTのつくる布をかつてあったすばらしい絹絣と同じレベルにまで持って行きたい、と言っている意味がよくわかった」と言っていました。
 当日の様子については、内藤順司の関心空間も、併せてご覧ください。

2010-05-02

「蚕まつり2010」のご案内

 お待たせしました。 今年の「蚕まつり2010」の開催日程について、森本さんからのアナウンスがありました。

 今年の「蚕まつり2010」の、ファッションショーを含む前夜祭は、9月11日(土)の開催です。翌12日(日)の早朝に、蚕供養を行ないます。
 今回は、いくつかの都合が重なり、満月の日ではなく、日程を少し繰り上げての開催となりました。
 すでに、いくつかの日本からの「蚕まつり」参加ツアーの打診をいただいております。ありがとうございます。また、海外からの開催問い合わせも入り始めました。
 今回は、日本から若手の雅楽楽団の参加も予定されております。できれば、アプサラダンスの踊り子たちとのジョイントを・・・・と考えてみたりと、前夜祭のさらなるバージョンアップに向けて、あれこれ構想を練っているところです。お楽しみに。

【以上、メールマガジン「メコンにまかせ」掲載記事から抜粋、一部加筆修正】
※写真は昨年の「蚕まつり2009」のときのものです。
 「蚕まつり2009」については、このIKTT Japan Newsの2009年9月のところにある「蚕まつり2009」レポート(その1)前夜祭編から、(その6)の記念撮影編までをご覧ください。

2010-04-26

5月2日、帝塚山大学「あかね祭」での写真展「甦るカンボジア」と、ギャラリートークのご案内

 フォトグラファー内藤順司さんの写真展「甦るカンボジア:伝統織物の復興が、“暮らし”と“森”の再生に至るまで」、ならびに内藤さんご自身のギャラリートークが、5月2日(日)に帝塚山大学の「あかね祭」で開催されます。
 今回の写真展ならびにギャラリートークの開催は、帝塚山大学現代生活学部居住空間デザイン学科と日本織物文化研究会との共催により実現しました。開催に向けてご尽力いただきました植村和代先生、そして関係者のみなさま、ありがとうございました。

【写真展】
 と き:5月2日(日) 10時~17時
 ところ:帝塚山大学 学園前キャンパス 奈良市学園南3-1-3
     16号館2階エントランスホール
 アクセス:近鉄奈良線「学園前」駅下車(大阪難波から約28分)。南出口徒歩約1分
     ※駐車場はございませんので、公共交通機関をご利用願います。
なお、ギャラリートークは、写真展会場(2階エントランスホール)で、14時からです。
会場では、IKTTで織り上げられたスカーフやハンカチなども販売する予定です。
  

2010-04-25

5月4日放送のJ-WAVE特別番組、“BLUE PLANET”で森本さんの活動が取り上げられます

 5月4日(緑の日)に放送予定のJ-WAVE(FM放送)の特別番組“BLUE PLANET”で、カンボジアのシエムリアップが取り上げられます。そのなかで、森本さんへのインタビューも紹介される予定です。
 現地に飛んだのは、モデル・女優として活躍中の杏。彼女は、3月28日にBS日テレで放送された「世界で勝負!グレートジャパニーズ」のナレーションも務めています。それゆえ、森本さんとは初対面にもかかわらず、「(すでに)映像で見ていたので(IKTTの活動に)とても興味がありました」とのことでした。
 放送は、5月4日(火)の18時から19時55分までです。
 なお、J-WAVEの番組ホームページから、番組へのメッセージや感想をお寄せくださった方の中から抽選で5名に、クメール伝統織物研究所のシルクスカーフと日本興亜損保のエコキャラクター「エコラッタ」のぬいぐるみ&携帯ストラップをセットにしたプレゼントがあるようです。

2010-04-12

写真集『もうひとつのスーダン』と、フォトグラファー内藤順司氏お話会in高円寺書林のご紹介

 写真展「甦るカンボジア:伝統織物の復興が“暮らし”と“森”の再生に至るまで」の開催にご協力いただいた内藤順司さんは、スピッツや浜田省吾などのミュージシャンのオフィシャル・フォトグラファーとして活躍のかたわら、カンボジアの森本さんや、アンコール小児病院の赤尾和美さん、そしてスーダンで医療活動を行なっている川原尚行医師の継続取材を行なっています。
 その川原医師への取材成果が1冊にまとまり、写真集『もうひとつのスーダン 日本人医師川原尚行の挑戦』として現在発売中です。
 この写真集発売を記念して、本日から茶房 高円寺書林で写真展が始まりました。そして18日(日)には、内藤さんのお話会も予定されています。
 じつは、茶房高円寺書林さんと、内藤さん・森本さんは、なかなかのご縁があります。
 内藤さんが、はじめて森本さんに会ったのは、2年前の2月に開催された『カンボジア絹絣の世界』出版記念トークショーのときでした。そして、その数か月後には「伝統の森」での取材を開始、昨年(2009年)には、蚕まつりとその前夜祭のファッションショーの取材も行なっています。内藤さんからは、スーダン写真展の次は、IKTTの写真展も行ないます、とのメッセージをいただきました。



写真展『もうひとつのスーダン 日本人医師川原尚行の挑戦』in茶房高円寺書林
期間:4月12日(月)~4月18日(日)
場所:茶房 高円寺書林
住所:東京都杉並区高円寺北3-34
電話:03-6768-2411
営業時間:11:30~21:00(日曜と月曜は20:00まで)
※写真展期間中に写真集をご購入の方には、特典として内藤サイン入りのスーダンの写真(2Lサイズ)が付きます。

■フォトグラファー内藤順司によるお話会
 ~スーダンの写真をプロジェクターでご紹介しながら話を進めます~
開催日:4月18日(日)15時~16時30分
場所:茶房 高円寺書林
住所:東京都杉並区高円寺北3-34
電話:03-6768-2411
会 費:1000円(ワンドリンク付き)
定 員:20名(スペースの都合上、できるだけご予約をお願いいたします)
ご予約・問合せ:info@junji-naito.com〔@を半角変換して送信願います〕
※写真とDVD映像とともに、内藤氏のお話があります。
※当日、ご希望があれば写真集にサインをいたします。
※当日、写真展期間中に写真集をご購入の方には、特典として内藤サイン入りのスーダンの写真(2Lサイズ)が付きます。また、当日5冊まとめて購入していただいた方には、特別にA3ノビ(48cm×33cm)のプリントをサインをしてプレゼントいたします。

2010-04-03

5月15日、石澤良昭先生講演会のご紹介

 中近東文化センター附属三笠宮記念図書館主催の春の特別講演会として、上智大学の石澤良昭先生の講演会が開催されます。演題は「世界遺産アンコール・ワットの謎に挑戦」です。

と き:5月15日(土)14時~15時30分(開場は13時から)
ところ:中近東文化センター(東京都三鷹市大沢3-10-31)
定 員:150名(要申し込み)
聴講料:1000円
申し込み・問い合わせ先:中近東文化センター
(電話:0422-32-7111/fax:0422-31-9453)

2010-03-31

養蚕の村の変化

 3月25日に配信されたメールマガジン「メコンにまかせ」(vol.208)で、森本さんは、養蚕の村プノムスロックから届いた黄色い繭について、次のように記しています。

 バンティミィエンチェイ州のプノムスロックの村から、いつものように鮮やかな黄色い繭が20キロほど届いた。
 去年までは生糸に引かれたものが届いていたのだが、最近では繭のまま届くようになった。フランス系の企業が操糸機械で引くために、村びとから繭のままで大量に買うようになった。その結果、手引きの手間をかけないで換金できたほうがいいから、という簡単な理由だ。安易さに走る。やはり、人間は怠惰な動物なのだろうか。こうして何百年の伝統は、いともたやすく崩壊しそうだ。
 繭のまま届いたプノムスロックの蚕は、「伝統の森」の蚕よりも、孵化するサイクルが一週間ほど早い。蚕のライフサイクルは45日。それを繰り返す。だから、年にほぼ8回の繁殖を繰り返すことになる。しかし、ときに気温が40度を超す4月の酷暑の時期と、10月の雨季の最後の湿度が高くなる時期は、蚕も弱り、病気になりやすい。
 今はまだ3月。でも、今年はいつもより暑さが早くやってきた。そして、蚕も元気がない。暑さに負けて病気になり、死んでいく蚕の数が例年よりも多い。
 蚕は生き物。自然の変化に対応して、蚕が住みやすい環境を工夫しつつ暑さをしのいでやる。蚕を飼う家は、木々の陰になって、半日陰ぐらいがちょうどいい。逆に、完全な日陰にあると、雨季の時期に湿気にやられてしまう。

【以上、メールマガジン「メコンにまかせ」掲載記事から抜粋、一部加筆修正】
※黄色い繭の写真が届くと思っていたら、蘭の花を持つ女の子の写真が届きました。
※メールマガジン「メコンにまかせ」の講読は、こちらからお申し込みください(講読無料)。

2010-03-24

3月25日発売の「クロワッサン」778号に森本さん登場

 3月25日発売の「クロワッサン」(778号)の巻頭インタビュー「あなたに伝えたい」に森本さんが登場します。先日のJICA地球ひろばで開催された内藤順司写真展の会場で、取材が行なわれました。
 なお、「クロワッサン」は隔週の発売です。表紙に〔3|25〕とあるのは3月10日発売の777号ですのでご注意ください。

2010-03-23

3月28日、BS日テレで、森本さんの取り組みが紹介されます

 BS日テレ開局10周年を記念して、3月28日(日)夜7時からの2時間枠で「世界で勝負!グレートジャパニーズ」という特別番組が放送されます。この番組の中で、森本さんの取り組みが紹介される予定です。
 以下、BS日テレの番組概要からの引用です。

【世界で勝負!グレートジャパニーズ】
 世界には意外なところで活躍しているすごい日本人(=グレートジャパニーズ)がいます。遠い異国の地で、地元より活躍している日本人。その姿はまさに“スーパー日本人”!
 外国人のハンディ。それをものともせず夢を実現する挑戦者たち!彼らは日本を背負うのではなく、自分の夢を叶えるために努力してきたのです。
 そんなまっすぐに生きる人たちの姿を通して、夢を持ち続けることの大切さ、夢を持つ事の尊さを知ってもらう番組を目指します。
 ■エジプトを代表する日本人プロダンサー・木村カスミ(KASUMI)さん
 ■カンボジアの伝統織物クメール織物職人・森本喜久男さん
 ■タンザニアで漁業革命に挑戦する日本人・島岡強さん

2010-03-20

3月19日付の「the Phnom Penh Post」で森本さんの活動が紹介されています

3月19日付のカンボジアの英字紙「the Phnom Penh Post(プノンペン・ポスト)」に、森本さんが紹介されています。記事のタイトルは、“A man of the cloth”となっています。

2010-03-19

ドイツの雑誌「natur+kosmos」でIKTTが紹介されました

ドイツの雑誌「natur+kosmos」でIKTTが紹介されました。(残念ながら、ドイツ語の記事内容をご説明はできません。悪しからず)。

2010-03-11

IKTTで使われているおもな染め材

 IKTTで使われているおもな染め材(自然染料)を、IKTTのシルクスカーフを使ってご紹介します。


 左から順に、黒(インディアン・アーモンド+鉄媒染)、グレー(ライチ+鉄媒染)、茶(ココナッツ+石灰媒染)、薄茶(ココナッツ+明礬媒染)、淡いベージュ(ブーゲンビリア+明礬媒染)、緑(プロフー+鉄媒染)、黄(プロフー+明礬媒染)。
 この他に、赤(ラック+明礬媒染)、紫(ラック+鉄媒染)、淡いベージュ(バナナ+明礬媒染)、青(藍)、白(生成り)などもあります(ブーゲンビリアとバナナ、どちらも淡いベージュとしていますが、染め材は異なるものの、染め上がりはほとんど同じになっています)。
 絹絣のための絣糸を染める場合には、同じ色を染め重ねることでの濃淡や、他の色との重ね染めなどの工夫をすることで、もっと多彩かつ微妙な色彩が生まれることになります。


関連記事 ⇒ IKTTで使われている染め材~ラック IKTTで使われている染め材~プロフー

2010-03-05

NHK WORLDで森本さんの取り組みが紹介されています

 先日のJICA地球ひろばで開催された内藤順司写真展「甦るカンボジア:伝統織物の復興が、“暮らし”と“森”の再生に至るまで」の会場で、森本さんはNHK国際放送局からインタビュー取材を受け、その内容が本日(5日)の海外向け放送のNHK WORLD(英語放送)で放送されました。
 タイトルは、Threading the Future with the Past(伝統を踏まえて未来へつなぐ)です。
 番組のなかでは、内藤順司さんの写真のほか、一昨年に「伝統の森」で開催された蚕まつりをビデオ撮影した寺嶋修二さんの映像も使われています(DVDビデオ『蚕まつり2008』に収められている映像です)。
 この番組内容は、NHKのWebサイト上のNHK WORLD (Threading the Future with the Past)で公開されています(映像の公開は一週間とのことです)。ぜひとも、ご覧ください。

2010-03-01

報告会レポート~2月19日、尾州テキスタイルデザイナー協会

 2月19日に、一宮地場産業ファッションデザインセンターで開催された、尾州テキスタイルデザイナー協会主催のセミナーでの森本さんの講演会の写真が届きました。

 

 尾州(尾張平野周辺)は、もともと織物が盛んな地域で、古くは絹織物や麻布で知られ、安土桃山時代に綿花栽培が広まると綿織物が絹織物を凌ぐまでに成長し、江戸時代には桟留縞(さんとめじま)が、尾州特産として広く名を馳せました。その後、明治期に入ってからは綿織物から毛織物へと生産の主軸を移すことに成功します。
 このように織物と深いかかわりを持ってきた尾州産地の方々が、今回のセミナーのテーマに掲げたのは、「技術の継承」と「産業復興」でした。カンボジアの伝統織物復興に携わってきた森本さんの話から、新しい時代におけるものづくりへの取り組みのきっかけをつかみたいと、講演依頼が入ったそうです。
 当初、森本さんは「カンボジアでの自分ひとりの経験が、産地の方々にとって意味があるのだろうか」と講演を引き受けるのに躊躇したのだといいます。しかし、「作りたいモノ、自分が納得できるいいモノを作りきらなければ」という自分の言葉に深くうなずいてくれた人たちを見て、安心したそうです。
 また、藍染めを例に出しての「急いで染めた色は、急いで落ちる」という話には、講演後の歓談のなかで「機械織りの毛織物であっても、スピード(=生産性)を考えるのではなく、機械をゆっくり動かして織ったものはいい風合いがでるんだよ」という話が返ってきたことで、ものづくりをきちんと考えている人たちの思いを共有できたのではないか、と感想を述べていました。