2012-07-16
森本さんのプロフィールを更新しました
報告会を主催された方々から「報告会で、IKTTの森本さんがどういう活動をしてきた人なのか紹介したいのだが、森本さんのプロフィールを簡単にまとめたものはないのか」というお問い合わせをいただきました。
森本喜久男(もりもと・きくお)
1948年生まれ。IKTT(Institute for Khmer Traditional Textiles ;クメール伝統織物研究所)代表。1996年にカンボジアの現地NGOとしてIKTTを設立。以来、内戦下で途絶えかけていたカンボジア伝統の絹織物の復興を促すとともに、人びとの暮らしの再生と、人びとの暮らしを包み込む自然環境の再生に取り組んでいる。「伝統の森」とは、シエムリアップ郊外にあるIKTTのプロジェクトサイトである。
著書に『メコンにまかせ 東北タイ・カンボジアの村から』、『カンボジア絹絣の世界 アンコールの森によみがえる村』、ほかに私家版の『Bayon Moon - Reviving Cambodia's Textile Traditions』(英語版)、『森の知恵 The Wisdom from the forest』(クメール語版)など。また、「伝統の森」で開催されたイベントを記録したDVD『IKTT伝統の森 蚕まつり2008』などがある。
第11回ロレックス賞受賞(2004年)、社会貢献者表彰(2010年)、大同生命地域研究特別賞(2012年)。
【略年表】
1948年:京都に生まれる。
1971年:京都にて手描き友禅の工房に弟子入り。
1974年:レイデザイン研究所テキスタイルデザイン科卒業。
1975年:独立して手描き友禅工房(森本染芸)を主宰。
1980年:初めてタイを訪れ、クロントイ・スラムに滞在。バンコクの博物館でカンボジアの絣布に出会う。
1983年:タイのラオス難民キャンプの織物学校のボランティアとしてタイへ渡る。タイの手織物と出会う。
1984年:東北タイの農村での手織物プロジェクトの設立に関わり、その後、草木染めの調査、指導を続ける。
1988年:バンコクに草木染シルクの店「バイマイ(「木の葉」の意)」を開店。
1990年:ワシントンの織物博物館(the Textile Museum)のタイでの調査に協力。「タイ東北地方に於ける伝統的草木染めについて」の報告書を提出(その成果は "Textiles and the Tai Experience in Southeast Asia" に掲載)。
1992年:キング・モンクット工科大学のテキスタイルデザイン科の講師となる。
1995年:ユネスコ・カンボジアの手織物プロジェクトのコンサルタントとして現地調査を実施。「カンボジアに於ける絹織物の製造と市場の現況」調査報告書を提出。カンポット州タコー村で、在来種による伝統的養蚕の復興プロジェクトを開始。
1996年:プノンペン郊外、タクマオ市にIKTT(Institute for Khmer Traditional Textiles ;クメール伝統織物研究所)を設立。国際交流基金アジアセンター主催の、アジア各地の織りの担い手たちとのワークショップに参加。
1998年:第一書林より『メコンにまかせ 東北タイ・カンボジアの村から』を上梓。
1999年:「桑の木基金」設立。地雷被害の大きいバッタンバン州などで養蚕プロジェクトを開始。
2000年:IKTTをシエムリアップに移転し、研修生の受け入れを開始する。沖縄県南風原町主催の「アジア絣ロードまつり」に参加。パネリスト・レクチャラーとしてカンボジア伝統織物についての報告を行なう。
2002年:シエムリアップ州アンコールトム郡に約5haの土地を取得。「伝統の森・再生計画」予定地とする。マサチューセッツ州ノースハンプトンで開催されたテキスタイル・ソサエティ・オブ・アメリカの第8回シンポジウム「Silk Roads, Other Roads」に参加し、カンボジアの伝統織物の現状を報告。
2003年:「伝統の森・再生計画」に着手(その後、対象地は約22haにまで拡張)。「伝統の森」で蚕供養を始める。福岡市美術館「カンボジアの染織」展に招かれ、講演「カンボジアにおける伝統織物の復興」を行なう。在シエムリアップの学術系NGO、センター・フォー・クメール・スタディーズと共催で「ホール(絣):クメールとチャム、2つの美の融合」と題する企画展示ならびに学術セミナーを開催。
2004年:「世界中の新規及び進行中の独創的かつ革新的なプロジェクトを実行している個人」に贈られるロレックス賞(第11回)を受賞。
2007年:プノンペンの王宮にて、研究所の主要スタッフとともにノロドム・シハモニ国王への接見の栄誉を賜る。
2008年:NHKブックスより『カンボジア絹絣の世界 アンコールの森によみがえる村』を上梓。『Bayon Moon - Reviving Cambodia's Textile Traditions』を私家版として上梓。フランスの旅行会社アジア・ボヤージの協力により、パリ・リヨン・トゥールーズにおいて展示会を開催。「伝統の森」にて「蚕まつり2008」を開催(前夜祭としてファッションショーを実施)。
2009年:カナダのバンクーバーで開催されたMaiwa Textile Symposium 2009に招かれ、レクチャーとワークショップを行なう。沖縄・南風原文化センター主催の「アジア・沖縄 織りの手技」展に招かれ、講演を行なう。タイ・テキスタイル・ソサエティの名誉会員となる。
2010年:ノロドム・シハモニ国王の訪日に際し、鳩山首相との午餐会に臨席する栄誉を賜る。公益財団法人社会貢献支援財団より社会貢献者表彰を受ける。
2011年:クメール語の小冊子『森の知恵 The Wisdom from the forest』を上梓。
2012年:クアラルンプールで開催された「ワールド・テキスタイル・シンポジウム2012」で講演を行なう。公益財団法人大同生命国際文化基金による、2012年度の大同生命地域研究特別賞を受賞。
なお、IKTTそのものの活動の経緯については、「IKTT(クメール伝統織物研究所)とは」も併せてご覧ください。
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