2011-10-29

「沖縄の舞踊と染織による、日本・カンボジア文化交流」のご案内

 11月19日と20日に、プノンペンのCJCC(カンボジア日本人材センター/Cambodia-Japan Cooperation Center)で、そして21日にはシエムリアップの日本国政府アンコール遺跡救済チーム事務所で開催される「沖縄の舞踊と染織による、日本・カンボジア文化交流」イベントが開催されます。琉球舞踊とアプサラダンスのパフォーマンス(シエムリアップではビデオ上映)に加え、双方の伝統織物が展示されます。

2011-10-27

12月6日、福山市での報告会・展示会のご案内


 12月6日(火)は、広島県福山市での福寿会館で報告会を行ないます。会場では、IKTTで織られた絹織物の展示等もあわせて行ないます。

【IKTT森本喜久男 活動報告会・絣作品展示会】
《甦る伝統の絣― ‘暮らし’と‘森’の再生によるカンボジア伝統織物の復興》
と き:12月6日(火) 14:00~16:00
ところ:福山市 福寿会館
   (福山市丸之内一丁目8番・Tel:084-922-2117)
   JR福山駅北口徒歩5分・無料駐車場有り
参加費:無料
参加ご予約・お問合せ:@たつみ屋 長谷川 淳
 メール:n.f.tatsumiya@gmail.com 〔@を半角に変えてご送信ください〕
 電話: 0866-62-1851 /080-3012-6636 (携帯)
※席数に限りがございますので、事前にご参加のお申込みをお願いします。


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2011-10-26

11月24日、大東文化大学東松山キャンパスでの講演会のご案内

 大東文化大学国際関係学部創設25周年記念事業の一環として、同大学東松山キャンパスで、森本さんの講演会が開催されます。
 この講演会は、一般からの参加も可能とのことです。

《大東文化大学 国際関係学部 創設25周年記念講演》
「森に守られた伝統の村 ~ 伝統は守るものではなく、創り出していくもの」
と き:11月24日(木)
    13時15分~14時45分(12時45分開場)
ところ:大東文化大学 東松山キャンパス
    図書館AVホール
    〒355-8501 東松山市岩殿560
参加費:無料(事前申し込み不要)
問合先:大東文化大学 国際関係学部 現代アジア研究所
    gendaiasia@gmail.com 〔@を半角に変えてご送信ください〕
    電話:0493-31-1523(受付時間9:00-17:00)

2011-10-25

11月23日-27日、カンボジアシルク展と報告会のご案内

カンボジアで、手織りシルクの村の自立支援を行なっているNPO ShienTokyo との共催で、11月23日から27日まで「伝統のカンボジアシルク展」が開催されます。会場は、国分寺にあるカフェスロー ギャラリーです(ギャラリーの終了時間が曜日によって異なりますのでご注意ください)。
 27日の午後14時からは、森本さんの報告会も行われます。

【カンボジアシルク展】
と き:11月23日(水)から27日(日)まで(展示と販売)
    23日(水)11時30分~19時
    24日(木)11時30分~18時
    25日(金)11時30分~15時30分
    26日(土)11時30分~15時30分
    27日(日)11時30分~16時
    ★報告会は、27日の14時より(要予約)。
ところ:カフェスロー
    国分寺市東元町2-20-10(JR国分寺駅から徒歩5分)
参加費:2000円(参加費はカンボジアの洪水被害の義援金となります)
※参加者20名のため、事前予約をお願いいたします。
申込先:contact@shientokyo.org 〔@を半角に変えてご送信ください〕
 電話:090-3086-7347(竹下まで)

2011-10-24

11月28日、郡上市での報告会・展示会のご案内

 11月28日(月)は、岐阜県郡上市の願蓮寺で報告会を行ないます。会場では、IKTTで織られた絹織物の展示・販売もあわせて行ないます。

【クメール伝統織物研究所(IKTT)報告会】
《森の再生=自然環境の再生・森に守られた村》
と き:11月28日(月)
    19時~21時(18時45分開場)
ところ:願蓮寺
   (岐阜県郡上市八幡町島谷829)
   長良川鉄道郡上八幡駅から徒歩約17分
参加費:300円(中学生以下は無料)
申込先:k.mizuno0802@gmail.com
    〔@を半角に変えてご送信ください〕
 電話:090-2939-7189(平野まで)


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2011-10-22

11月26日、飯田でのピアノリサイタル&展示・報告会のご案内

 長野県飯田市を拠点とするNPO法人「ふるさと南信州緑の基金」の方々からは、2002年からIKTTへのさまざまな支援活動を継続していただいております。
 なかでも「伝統の森」学園の小学校(飯田学校)建設に向けての募金活動の結果、昨年には校舎も完成しました。子どもたちは、新しい学び舎で勉強を続けています。
 こうした活動の一環として、このたび「カンボジアに学校を建てよう」支援プロジェクトと共催で、11月26日(土)、飯田文化会館で、奥村友美ピアノリサイタルが開催されます。このピアノリサイタルにあわせて、展示会と森本さんの報告会を開催させていただくことになりました。

【展示会ならびに報告会】
と き:11月26日(土)
    展示会:11時~17時30分
    報告会:13時~14時
ところ:飯田文化会館(1階展示室)
    長野県飯田市高羽町5-5-1(JR飯田駅から徒歩約10分)
    ※展示会と報告会のみの参加も可能です(入場無料)

【奥村友美ピアノリサイタル】
と き:11月26日(土)
    開場14時30分/開演15時
ところ:飯田文化会館(大ホール)
    長野県飯田市高羽町5-5-1(JR飯田駅から徒歩約10分)
入場料:一般=2500円/高校生以下=1000円

主 催:「カンボジアに学校を建てよう」支援プロジェクト
     NPO法人「ふるさと南信州緑の基金」
問合先:事務局(担当:原、飯田市上村自治振興センター内 0260-36-2211)

2011-10-07

「森に守られた村」の復興にむけて

 10月6日付で配信されたメールマガジン「メコンにまかせ」(vol.258)で、森本さんは、今回の濁流に襲われた「伝統の森」で、10年かけて育った木々への感謝の気持ちを記しています。
 また同時に、この甚大な洪水被害からの復興に関して、みなさまからのご支援を呼びかけています。
 以下、メールマガジンから引用します。

森に守られた村
 9月10日の「蚕まつり」の頃からわずか2週間の間に、数度にわたって豪雨と洪水、そして濁流に飲み込まれた「伝統の森」。地元のカンボジアの人たちにしても、これは100年に一度あるかないかの出来事だという。
 濁流の激しさの痕跡が、いたるところに残されている。道路は、表土の多くが洗い流され、大きくえぐり取られた痕跡がところどころに。そして、森の木々の幹や根元には、水草が絡みつき、その量と高さで、濁流の様子が手に取るように分かる。高いところでは、1.5 メートルを超えている。森の所々には、木々に遮られるように水草やその他の枯れ枝が絡みつき、小さな壁のようなものができているところも。それは、そのまま濁流の激しさを物語っている。が、同時にその森の木々が濁流の激しい流れを押し留めてくれていたのだと気がついた。でなければ、小さな家など、濁流に流されていたかもしれない。
 村人たちと森の中を歩きながら、作業場から流されていた糸車などの道具類の一部も、木々の間で見つけ、回収することができた。すべて流されてしまったと思っていた染め材として使うライチーの木を切り出した大きな木片も、木々の根元に見つけだし、約半数は回収することができた。そして、沼に面したところに茂っていたマングローブの樹木が、テーブルや机、織り機など、すこし大きなものが流失するのを、ちょうど脇に抱えるようにして防いでくれていた、すごい。
 心配していた桑畑の桑の木も、大きな被害を受けないですんだ。濁流の中で、根こそぎ持っていかれるかもしれないと想像した。しかし、これも、桑畑を囲む森の木々が、桑畑を守ってくれていたのだと気がついた。桑の葉はほとんど流失していたが、そこからわずか数日後にもかかわらず、すでに新しい芽が吹いていた。
 10年前、ここは薪になる木まで伐採された荒地だった。だが、切り株から芽吹いた新芽を育て、下草を刈り、間引きをしてやることを続けた結果、いまでは5~6メートルの高さに育ち、小さな森といえるまでに育っている。その森の木々が、いわば防風林のように、激しい濁流から「伝統の森」の村を守ってくれたのだと、森の中を歩きながら実感した。
 隣接地に、荒地を更地にして豚舎を建て、豚を三千頭ほど飼っていた男性がいる。子豚から育て、もう出荷間近になっていたその豚の多くを濁流で流され失った。彼は泣きながら、呆然と立ちつくしていた。それを見て、自然の木々があること、その大切さをあらためて実感した。
 「伝統の森」には、夜間38家族の家屋に電気を供給するための、自家発電をする2キロワットのディーゼル発電機がある。それも今回、何度か何日間か、冠水していた。これまでにも同じような、これほど水位は高くないが、洪水に見舞われたことがあり、その都度、機械を壊し修理に時間を費やしてきた。今回、洪水が予想できたので、約50センチほどだが、ジャッキを使って据え付け位置を高くしておいた。が、水位はそれを超えてしまった。しかし、発電機が完全に乾くまで数日置き、分解掃除をし動かしてみた。するとなんと復活。2週間以上の夜間も電気のない生活からようやく開放された。発電機は「伝統の森」の設備の中では、高価なものに属するから、もし壊れればと頭を痛めていたから、ほっと一息だった。しかし、予備用の5キロワット発電機や、揚水ポンプの何台かは、分解掃除をするものの、いまだ復活しそうにもない。村の男たちは、機械や設備類の総点検と分解掃除に明け暮れている。
 多くの家は、わずかなりとも高床式の造り。おもな生活の場は二階、そのおかげで救われた。これも昔からの人々の知恵なのだろう。そんな何年かに一度しか来ない洪水や濁流に備えて暮らしているなんてと思うけれど、そのおかげで安心して暮らせる。古くからの高床式の家が、カンボジアでいまも建てられ続けている謎が解けた。
 5年ほど前、「伝統の森」に暮す家族が増えたので新しい家を建てようとしたとき、この場所がよいと何人かが主張したところがあった。「伝統の森」のなかでは中間地点というか、入り口からも工芸村エリアという皆が集まるところからも中途半端なところ。なぜ、そこに家を建てたいのか、彼らの意図がわからなかった。そこに今では4軒の家が建っている。今回、洪水にさらされたとき、そこは周りに水があるときも、一段高く水からの安全圏にあった。昔から村を作るとき、人々は生活用水が確保でき、そして洪水から家を守れる小高い丘に家を建て村を作ってきた。そんな古くからの知恵が、今なお彼らの中に生きていることを知った。今後、「伝統の森」のプロジェクトを進めるには、そんな自然の地形を見直しながら、進めなければならないことを学んだ。
 「伝統の森」は、海抜39-42メートルくらいのところにある。今回、浸水したエリアは39-40メートルのあたり。濁流が襲ったときは41メートルエリアまでも危なかった。しかし、なぜか多くの家は安全圏にあった。一方、今回被害の大きかったショップや作業所などのある工芸村エリアは、じつは39メートルのところがほとんど。そこにあった平屋のスタッフの家では、濁流に、鍋、釜、テレビも流されてしまった。でも、彼らはその話を笑顔でしている。本当にたくましく、しなやかなのだ。どんな苦境にも耐え、自然を受け入れる強さとしなやかさを持っている。
 今回の濁流のなかで、「伝統の森」は、多くの資材や設備を失った。しかし、森の木々のお陰で守られたものも多い。そのことに感謝したい。
 これまでも、いろんなところで激しい濁流を見てきた。その濁流を見ると、それは自然の痛み、叫びなのではないかと思うことがある。そんな自然の山、川、田、畑とともに、自然への感謝の気持ちを忘れないで、これからも暮らしてゆきたい。

2011年10月6日 シェムリアップにて
森本 喜久男

■IKTT「伝統の森」洪水被害への、義援金のお願い■
 このたび激しい濁流のなか、木々に守られながらも「伝統の森」での洪水と濁流による損害は甚大で、施設の回復などのために、ここに皆様のお心を義援金として、支援していただけること、お願い申し上げます。
IKTT(クメール伝統織物研究所) 森本 喜久男
                   
※義援金のお振込みは、下記の口座にお願い申し上げます。
  東京三菱UFJ銀行 梅田中央支店
  口座番号(普)1611655
  口座名  森本喜久男

【以上、メールマガジン「メコンにまかせ」掲載記事から再掲】
※メールマガジン「メコンにまかせ」の講読は、こちらからお申し込みください(講読無料)。

 以下、現地からの写真です。修理中の発電機、濁流に削り取られた「伝統の森」の前の道路、回収できた染め材となるライチーの木片、木の根元にからみつくホテイアオイなどの水草の除去。


2011-10-01

「伝統の森」をおそった洪水と濁流

 9月29日に配信されたメールマガジン「メコンにまかせ」(vol.257)のなかで、森本さんは、「伝統の森」をおそった洪水の状況について記しています。
 今回の集中豪雨により、カンボジア各地で河川の氾濫や道路の冠水などが起きています。およそ20万人近い人々が被害を受け、うち死者が約150名、一時的な避難を余儀なくされている人々は2万人に及び、国道や橋梁などのインフラ及び学校や病院などの建物、そして農作物にも大きな被害が出ているとのことです(写真に見るとおり、「伝統の森」では、現在ほとんど水は引いているようですが)。以下、メールマガジンの一部を引用します。

 「伝統の森」に至る、バンテアイスレイ寺院からの道が通行可能だと連絡が入る。いつものアンコールトム郡からの道は、途中約300メートルにわたって道路が決壊し、川になっているため通行不能。米を100キロ、インスタントラーメン3箱、そしてその他の食料品、子どもたちへのお菓子などを買い、村に向かった。
 驚いたことに「伝統の森」のみんなは元気そうだった。顔を合わすと、笑顔が返ってくる。うれしかった。もっと深刻な状態を想定していたから。村の入り口のエリアは、これまでも水が来たことがなく、多くの村人はそこの家々に避難していた。海抜42メートル。今回冠水した所は、海抜39-40メートル。わずか数メートルの違い。
 途中、前回の「蚕まつり」のときに濁流が流れていたところは、そのときよりも激しく渦巻いていた。一緒に行ったドライバーは怖いという。運転を変わり、水没した濁流の中、狭い道路の地形を思い出しながらハンドルを切った。滝つぼから出てきた激しい水の流れを横断するようなもの、気合を入れながらだった。そして、無事、冠水した工芸村エリアに到着。約20人ほどは、そこで頑張っていてくれた。
 水没した面影のように、家の壁は、水位の跡を示すように色が変わっていた。そして、水草が木々に付着し、濁流の激しさを物語っていた。ショップのある作業建屋やわたしの家の階下は、激しい水の流れの痕が、タイルの上に砂の模様となって残されていた。積んであった染色用のライチの木片は多くが流され、一部が植木の根元に転がっている。階下にあった織り機、机や椅子、その他備品類の多くは流されてしまった。しかし、いくつかは、池の周りの木々に引っかかるように残されていた。この木々がなければ、すべて流されていたかもしれない。不幸中の幸い、これも、自然の力なのだろう。飼っていたアヒルは居なくなっていた。逆に、だめだと思っていた鶏は高い木々に避難していたので、大丈夫だという。牛は、幸い入り口に近いところに避難させていたおかげで助かった。
 まだ被害の全体は見えないが、片付けをしながら「伝統の森」の復興事業が始まる。それは決して容易でないことは想像がつく。濁流に飲み込まれ孤立していたときの電話に、人の安全に念を押し、確かめるように話した。もともと、何もないところから、荒地を開墾しながらはじめた事業である。今は、何もないわけではない、経験をつんだ人がいる、すべては人が基本である。そして、土地も家もある。ゼロからの出発ではないと、自分に言い聞かせるように、村人のみんなにも話し始めた。
 今年の「蚕まつり」では、王室や行政からIKTTの活動への感謝のお言葉をいただいた。これは、大きな励みとなる。そして、この洪水を契機に、新しい10年の始まりとしていきたいと、いま思っている。

【以上、メールマガジン「メコンにまかせ」掲載記事から再掲】
※メールマガジン「メコンにまかせ」の講読は、こちらからお申し込みください(講読無料)。

 以下、現地からの写真です。ゲストハウスの壁に残る水の跡、織り機の並んでいた高床式建物の階下の状況、木々に引っ掛かり流失を免れた机や備品、牛舎の柵に引っ掛かった水草。

2011-09-25

シエムリアップの増水

 シエムリアップ周辺では、22日から再び大雨による河川の氾濫・増水が起きているようです(写真は、23日にIKTTの入り口で撮影されたものです)。
 同様に「伝統の森」でも、かなりの増水となっているようです。水が引いた後の畑の復旧、故障した発電機など機械類の修復など、想定外の仕事が増えそうです。
 twitterやfacebokで森本さんが書いているように、増水そのものについては、不便ではあるものの、皆あっけらかんとした対応をしているようではありますが。

2011-09-22

「蚕まつり2011」レポート(その8)蚕供養

 翌朝、空が明るくなる頃には、すでに何人かが起き出していました。朝食の準備に取りかかる者、昨夜のゴミを片付る者、それぞれが自分の持ち場で働いています。
 昨夜の大雨でさらに増水し、「伝統の森」のあちこちが水に浸かっています。ゲストハウスは、ポーチのタイルまで水がついたようですが、室内への浸水はかろうじて免れました。
 「伝統の森」のショップのある建物の、仏像を安置した部屋には、供物が運び込まれ、線香が焚かれています。
 蚕供養の読経をするはずの仏僧たちの招聘も、足がないということで中止となりました。読経も、IKTTのスタッフと森に暮らす村びと自身で行ないます。
 日本から参加した人たちに森本さんは、タコー村での養蚕再開プロジェクトとして、タコー村に蚕の繭を届けたのが95年9月のことであり、そしてタコー村から「伝統の森」へと蚕の卵が届けられ、養蚕が始まり、「伝統の森」で生糸が引かれるようになったのが2003年の9月と、IKTTの蚕は9月に縁があったのが、この時期に「蚕まつり」を始めた理由なのだと説明していました。

2011-09-21

「蚕まつり2011」レポート(その7)バックステージ

 ファッションショーが終わり、休憩と食事タイムとなりました。降り続く雨のなかで、小さな舟での機材搬送のリスクとバンドメンバーの深夜の帰路のことを勘案し、森本さんは第2部のミロのコンサートの中止を決めました。
 参加者が食事を始めたことで、ダンシングのステージに登場する子どもたちも夕食を食べに家に戻っていきました。この時間になって、子どもたちに再度の招集をかけることも難しい状況です。森本さんは、第2部そのものの中止を決断しました。たいへん中途半端なかたちではありますが、こうして「蚕まつり2011」前夜祭は終了となりました。
 ところで、森本さんはつねづね「まつりというのは参加するみんなで作り、みんなで楽しむもの」と言っています。ファッションショーのステージでキャットウォークする女性たちだけが主役のイベントではないのです。食事の準備もIKTTのスタッフたちです。この日、食事をテーブルに運ぶ係となったのは「伝統の森」で働く若い男性陣でした。彼ら自身も、このイベントに彼らなりに参加し、楽しんでいるようです。いつもは着ることのないような白いYシャツを着て、胸にはリボンを付け、すっかりウエイター気分です。
 ステージに上がったメンバーの着替えとメイク落しも終わり、食事もおおかた終わった頃、BGMのようにカンボジアの歌謡曲が流れていたスピーカーから、テンポのはやい曲が流れ始めました。例によって、ではありますが、ダンスタイムの始まりです。
 ファッションショーというひとつのイベントを終えた興奮、まだ覚めやらずといったところでしょうか。ステージの上は大盛り上がりです。「蚕まつり」参加ツアーで「伝統の森」に宿泊している日本からの学生さんたちも加わります。森本さんも踊っています。……雨脚の衰えない大雨のなか、12時近くまで、ダンスは続きました。

2011-09-20

「蚕まつり2011」レポート(その6)ファッションショー3

【ステージ6】
 いよいよ、最後のステージです。
 例年どおり、大人ゴージャス系のアレンジが楽しめます。このステージに登場するメンバーも、経験を重ね、落ちついた雰囲気を漂わせています。
 過去2回と比べると、メイクの雰囲気がやや変わり、以前より洗練された印象を受けました。これもシエムリアップの町の発展を反映したものでしょうか?





















【フィナーレ】
 フィナーレでは、参加者全員が再びステージに登場します。
 長い竿で、パムアンの布をはためかす演出も加わりました。パムアンとは、経糸(たていと)と緯糸(よこいと)を、それぞれ異なる色で染めた玉虫色に輝く布です。

2011-09-19

「蚕まつり2011」レポート(その5)ファッションショー2

【ステージ4】
 後半のステージは、年ごとに変化する森本さんの着付け&アレンジが楽しみです。
 意外ともいえる、Tシャツと絹絣の組み合わせに加え、今回は肩に掛ける布にもひと工夫ありました。



【ステージ5】
 このステージでは、森本さんの手描きバティック(=ローケツ染めの布)が、ふんだんに使われています。また、これまではゆったりとした着付けタイプが多かったのを、今回はややタイトな感じのアレンジを意図したそうです。


 ステージの上のモデルたちも、若いながらも貫禄を感じさせるような、自信を持った歩き方と表情を見せています。(続く)

2011-09-18

「蚕まつり2011」レポート(その4)ファッションショー1

【ステージ1】
 まず、はじめのステージは、ピダンのデモンストレーションです。チャーップという、ヤシの葉で作ったたくさんの小鳥をつけた飾り物を手に持った女性と、蘭の花を盛った器を手にした女性を先頭に、ピダン(絵絣)を広げた女性たちが登場です。
 ステージ上で、ライトが当たり、揺れて輝く、手引きの生糸ならではの質感と光沢感が際立ちます。

【ステージ2】
 次のステージは、婚礼の行列をイメージしたものです。
 サンポット・ホール(絣布の巻きスカート)と、レースやビーズで飾りつけたブラウス着用が、基本のようです。このいでたちが、現在のカンボジアの正装といったところでしょうか。

【ステージ3】
 続いては、男衆の登場です。
 おのおのが酒器や楽器を手にして、ステージの上を練り歩いていきます。
 大判のピダンの布を見せびらかすように踊っているのは、自分の奥さんが織り上げた絣布を自慢しているのだとか。(続く)

 

2011-09-17

「蚕まつり2011」レポート(その3)開会式そしてアプサラダンス

 3時すぎ、森本さんが「伝統の森」に戻ってきました。いよいよ「蚕まつり2011」の始まりです。
 プリンセスの欠席が決まったことで、州知事ならびにその他の省庁から出席予定だった来賓も欠席となりました。地元代表のアンコールトム郡の郡長と警察署長、そしてピアックスナエン地区の区長が来賓用のひな壇に上がります。
 まずは、メンアンさんによる開会のことばにはじまり、そして郡長による祝辞、森本さんの挨拶を経て、「蚕まつり2011」は始まりました。
 オープニングは、来賓を迎えるためのアプサラダンスです。

2011-09-16

「蚕まつり2011」レポート(その2)豪雨による予定変更

 9月10日未明、再び激しい雨になりました。朝になると「伝統の森」の沼の水位が上がっています。ここ数日、断続的に降り続く豪雨のため、シエムリアップから「伝統の森」に到る道には車がスタックするポイントがいくつもできていて、マイクロバスで到着した参加者からは「途中でトラックに牽引してもらい抜け出しました」とうかがいました。「伝統の森」のすぐ横を流れる川の水位とともに、沼の水位も上がったようです。
 太陽は、一瞬の晴れ間を見せてくれますが、いつの間にか雲が広がり、突然のスコールがやってきます。「伝統の森」の入り口から、ファッションショーのステージのある工芸村エリアまでの間に2か所、道が冠水しています。今のところ、車で通過できますが、これ以上、水嵩が増すと難しくなるかもしれません。いざというときに人や荷物を渡すためのボートが用意されました。
 前夜祭開催に向けて最終確認と指示をしてまわる森本さんの作業の合い間をぬって、前日から取材に入っているカンボジア国営テレビ局のクルーによるインタビューが行われています。
 昼過ぎ、森本さんの携帯に、シエムリアップで待機していた王室関係者から連絡が入りました。いわく、この天候ではプリンセスが「伝統の森」のあるピアックスナエンまで行くのは困難だと判断した。しかし、この日のための、モニク王妃からの贈り物があるので、それを受け取りに来てほしい――と。
 そこで、急遽、森本さんは、シエムリアップへ向かう準備を始めます。同行するのは、ゼネラルマネージャーのバンナランと、今回イベントでの司会進行と通訳を担当するメンアンさんです。メンアンさんは、クメール語の冊子「森の知恵」の翻訳の監修も手がけていただいた方です。
 シエムリアップまでとはいえ「蚕まつり」のために足を運ばれたプリンセスにお目にかかるために、「わたしの戻ってくる時間によっては、開始時間を少し遅らせることになるかもしれない」とスタッフに言い残し、水位の上がった「伝統の森」を出発していきました。
 その後も雨足は、断続的に強くなるばかりです。大雨のなか、アプサラダンスのグループが到着しました。メイク担当のおネエさまたちは、出演者へのメイクに取りかかっています。来賓席とテントの設営も完了間近です。テントの下には、繭から生糸を引き、その糸を括り、織り上げるまでの作業工程を実演するスペースも作られました。シエムリアップ市内からやってきた、前夜祭の当日見学組もようやく到着しました。一方、森のなかの低い土地のところには水が広がり始めていました。
 森本さんの帰りを待ちつつ、ステージの進行にかかわるスタッフたちは悩んでいました。じつは、舞台上手の袖と、楽屋としている建物の間には7~8メートルの距離があります。そこには屋根がありません。さらには、そこにも水が溜まりはじめていました。土砂降りのなか、それも水の溜まったところを走り抜けてステージに上がるのは難しい、スタッフ何人かで話し合った結果、そのように判断したようです。そして、上手から舞台に登場するすべての構成を、下手から登場するように変更しました(下手のほうが楽屋に近く、そこにはまだ水がついていなかったのです)。直前での、このような変更をして大丈夫なのか、ちょっと心配ではありました。

2011-09-15

「蚕まつり2011」レポート(その1)森本さんの思い

 ファッションショーを翌日に控えた夜遅く、森本さんはこう語ってくれました。
「今回2つのことが実現できることが、とてもうれしいと思っているんだ。ひとつは、モニク王妃の代理としてプリンセスが来席されること。
 これはすごいことだよね。16年前に僕個人が始めた養蚕再開プロジェクトが、IKTTという組織での伝統織物の復興という活動となり、そして織り手となる女性たちの生活支援と、染め織り技術の継承と発展へとつながり、その後もたくさんの人たちと関わるなかで、自然環境の再生と村づくりへと展開していった活動が、カンボジアの王室にまで伝わり、それが認められたということだからね。
 そしてもうひとつは、今回、ファッションショーのために制作した草木染めのバティックで、これまでとは違う技法を実現してしまったこと。普通、手描き友禅の手法は、裏返してみると、どうやって描いたかがだいたい想像がつくはずなんだが、今回のはどうやったのかわからないかもね。自分でも、ひょっとしたらこうなるんじゃないかと予想してはいたんだけれど、それが思った以上にいい効果がでているんだ」
 森本さんが「自分でも思ってもいなかった」という結果を生んだ技法で染めたバティックも、ファッションショーの衣装のひとつとして、明日のステージでIKTTのスタッフのひとりが身にまとうことになります。

 
■写真は、ともにプリンセスが臨席される雛壇に掲げられたパネル

2011-09-10

「蚕まつり2011」ファッションショーのための最後の通し稽古

 シエムリアップ周辺ではここ数日、たいへん雨が多いようで、日中も夜中も長めのスコールにおそわれます。そんななか「伝統の森」では、明日のステージ本番に向けて、最後の通し稽古が行なわれました。

2011-09-09

Mr.John Wongのブログ「TROPIXBLUE」のご紹介

 ベトナムのドキュメンタリージャーナリスト、John Wong氏のブログ(TROPIXBLUE)で、"Kikuo Morimoto - Wisdom from the Forest"と題した「伝統の森」の写真とレポートが紹介されています。John Wong氏は以前にも、「伝統の森」についての写真を掲載されています。

2011-09-08

「蚕まつり2011」の開始時間について

 10日(土)の前夜祭(第1部)の開始時間が、当初の15時30分から、15時開始に変更になりました。

====================================
【前夜祭】9月10日(土)
    15時00分~ 《第1部》アプサラダンスそしてファッションショー
       (休憩/食事)
    18時~     《第2部》子どもたちのダンシング、そしてMILOによる演奏
【蚕供養】9月11日(日)
     8時~  仏僧を招いての蚕供養の儀式
====================================

2011-09-07

ファッションショーのためのステージが完成

 「蚕まつり2011」のファッションショーのための特設ステージが、「伝統の森」に完成しました。

2011-09-06

Amazonの著者ページに、森本さんのプロフィールが掲載されました

 Amazonの著者ページに、森本さんのプロフィールが掲載されました。

森本喜久男(もりもと・きくお)
 IKTT(Institute for Khmer Traditional Textiles ;クメール伝統織物研究所)代表。1948年生まれ。
 1996年にカンボジアの現地NGOとしてIKTTをプノンペン郊外のタクマオ市に設立。以来、内戦下で途絶えかけていたカンボジア伝統の絹織物の復興と、伝統的養蚕の再開に取り組む。2000年、IKTTをシエムリアップに移転。工房を開設し、研修生の受け入れを開始し、伝統的な絹織物の制作と並行して、若い世代への染め織り技術の継承に努める。2002年、シエムリアップ州アンコールトム郡に約5ヘクタールの土地を取得し、「伝統の森」予定地とする(後に23ヘクタールにまで拡張)。2003年、IKTTのプロジェクトとして「伝統の森・再生計画」に着手。荒れ地を拓くところから始め、小屋を建て、井戸を掘り、畑をつくり、野菜・桑・綿花を栽培し、養蚕をし、自然染色の素材となる木々を植え、自給的な染め織りが可能な工芸村を立ち上げた。自然染料による染織を核にしつつも、人びとの暮らしの再生と、人びとの暮らしを包み込む自然環境の再生に取り組むIKTTのプロジェクトサイトを「伝統の森」と呼ぶ。この「伝統の森」は、現在では、敷地のほぼ半分を木々の再生エリアとして保全・育成しつつ、約200人が暮らす「新しい村」として行政的認可を得るまでに成長。
 著書に『メコンにまかせ 東北タイ・カンボジアの村から』、『カンボジア絹絣の世界 アンコールの森によみがえる村』、ほかに私家版の『Bayon Moon - Reviving Cambodia's Textile Traditions』(英語版)、『森の知恵 The Wisdom from the forest』(クメール語版)など。また、「伝統の森」で開催されたイベントを記録したDVD『IKTT伝統の森 蚕まつり2008』などがある。
 第11回ロレックス賞受賞(2004年)、社会貢献者表彰(2010年)。
 日本国内での、講演会や「伝統の森」で制作された絹織物などの展示販売イベントなどの詳細は、メールマガジン「メコンにまかせ」(http://www.mag2.com/m/0000070073.html)や、ブログサイトIKTT Japan News(http://ikttjapan.blogspot.com/)で随時更新中。

2011-09-05

ファッションショーのための手描き草木染めバティック

 「蚕まつり2011」前夜祭のファッションショーのために、森本さんが制作した手描きの草木染バティックをご紹介します。


2011-09-04

「蚕まつり2011」ファッションショーのリハーサル



 「伝統の森」で開催される「蚕まつり2011」の前夜祭のメインイベントともいえる、ファッションショーのリハーサルの様子が届きました。屋外のステージの開放感が感じられます。
 直前になっての、日本からの「蚕まつり」参加表明が増えているそうです。