2012-01-29

IKTTで使われている染め材~ラック


(左:木の枝に付着したラックの巣〔スチックラック〕、右:括りを終えた緯糸をラックで染める)
【名称】
日本語:ラック(ラックカイガラムシ)
英語:Lac insect
カンボジア語:リアック・クメール
ラテン語名 [Laccifer lacca (Kerr.)]
【使用部位】
巣(nest)
【染色結果】
明礬媒染で赤、鉄媒染で紫。
【染色方法】
・ラックカイガラムシの巣を細かく刻むように砕き、さらに石臼ですりつぶしたものを水に浸して色素を抽出する。色素を抽出するには、煮出す方法もあるがIKTTでは煮出さずに常温で抽出する。
・タマリンドの実や葉を入れることで、ある種の酸を利用して発色と色素の定着を促す。地方によっては、タマリンドの代わりに蟻塚のかたまりを入れ、蟻酸を利用する方法もあるという。

(ラックの巣を細かく砕き、すりつぶす作業)
photo=(c)Rolex Awards/Xavier Lecoultre

【メモ】
・IKTTで使用する自然染料のなかでは、唯一、植物由来ではない染料である。
・カンボジア語の「リアック・クメール」は、染料一般をも指すため、ときに化学染料を意味することもある。そのため、1995年に行なったユネスコの調査の際に、聞き取り調査のなかで「自然染料と化学染料のどちらを指すのかわからず苦労したことがある」と森本さんは記す。⇒『カンボジア絹絣の世界』p.35
・産地は、ブータン、ネパール、インドのウッタルプラデッシュ州やアッサム州、インドネシア、中国・雲南省、ビルマ、タイ北部、ラオス、カンボジアなど。ラックカイガラムシには繁殖期に新しい枝に移動する習性があり、ラックカイガラムシが移動した後の枝(についた巣)を回収する(枝から回収した状態のものをスチックラックという)。この習性を利用して、村人たちはラックカイガラムシを飼育していた。
・おもに、アメリカネムノキ(別名レインツリー)、セイロンオーク、ハナモツヤクノキ、インドナツメなどに寄生する。
・カンボジアでは、ダムトラン、ダムチュノールと呼ばれる木で飼育されていたという。⇒『カンボジア絹絣の世界』p.35
・ラックは、食品着色料(天然着色料)としても使用される。カマボコの赤い部分、カキ氷などのイチゴミルクの赤、アンパンの餡(あん)の色など。食品の表示ラベルに「ラック色素(ラッカイン酸)」とあることでわかる。⇒渡辺弘之『カイガラムシが熱帯林を救う』p.2-14。
・スチックラックを粉砕しゴミを取り除き、これを熱、アルコール、アルカリなどで加工処理したものをシェラックという。シェラックは、耐酸性・耐油性が強く、その一方でアルコールには容易に溶けるという特性がある。そのため、古くからアルコールに溶かしニスとして使用されてきた。塗料の「ラッカー」は、このラックの名に由来する。⇒渡辺弘之『東南アジア林産物20の謎』p.58-59
・周達観『真臘風土記』の「出産(産物)」の項には、「紫梗(しこう)」の記述がある。
・正倉院北倉には、「紫鉱」の名で、スチックラックが保管されている。
・インドのビハール州には、ラック研究所がある。
・インド北東部、アルナーチャル・プラデーシュ州(アッサム州の北、ブータンの東に位置する)のモンパ族はエリシルクをラックで染めたものを日常的に着ているという。このラックは東ブータンやメガラヤから運ばれてくるという。[岩立広子『インド 大地の布』p.64-67]
・以下は、2004年3月に岩立が観察したラックの染色法。「(ラックを)木の臼に入れて、杵でつく。細かく砕かれたラックを布に包み、熱湯を注いでから絞り出す。同じ工程を20回ほど、2時間の力仕事を繰り返し、染め液を作る。染め液に糸をつけて1時間くらい煮ると赤く染まる」
・ブータンでは、おもにマメ科のブテア(ブータン名は“ツォシン”)と、クロウメモドキ科のナツメ(ブータン名は“カンカルシン”)の2種の樹木がラックの飼育に用いられる。冬の間ナツメの枝で繁殖したラックは、枝ごと収穫されスチックラックとなる。そして5~6月に、このスチックラックをブテアの枝にぶら下げ、ラックカイガラムシを移植させる。10~11月にはブテアの枝を収穫してスチックラックとし、その一部を再びナツメの枝にぶら下げる。こうして、年に2回の収穫を行なう、とある。ラックから得られた染料は“ジャッオ”と呼ばれ、その抽出法は次のとおり。「(ラック)カイガラムシを砕き、熱湯で滲出すると赤い液になり、それを煮詰めてつくる」。「ブラ絹(=現地で“ボラン”とか“ブラ”と呼ばれる、ヒマの葉などを食べる野蚕からとれる絹)などを染色するには“ヒン”という植物の葉の媒染剤をラック染色の前と後の2回使用する。ヒンは3種類あって、ラモシッシマ=ハイノキおよびハイノキ属の未同定種が使用されている」「ブータンのラマ僧の赤い衣はたいていラック染めである」。[中尾佐助・西岡京治『ブータンの花 [新版]』p.138]

関連記事 ⇒ IKTTで使われているおもな染め材 IKTTで使われている染め材~プロフー

2012-01-11

ハーベイ・モリソン氏のWebサイトで、「蚕まつり2011」の様子が紹介されています

昨年9月の「蚕まつり2011」に、アメリカから参加したハーベイ・モリソン(Harvey Morrison)氏のWebサイトRedwood Mountainに、IKTTの「伝統の森」の様子と、ファッションショー当日の様子が紹介されています。

2012-01-09

日本エコプランニングサービス「カンボジアNPOスタディツアー」のご紹介

毎年、カンボジアへのスタディツアーを企画されている(株)日本エコプランニングサービス(JEPS)による、「蚕まつり2012」参加ツアーの募集が始まっています。
 これは、2月と3月に催行される「自立再生の村IKTT・孤児院・日本語学校を訪れる、カンボジアNPOスタディツアー8日間」のうち、3月8日出発のプログラムで、「蚕まつり」に合わせての「伝統の森」滞在が組み込まれたものです。
 詳細については、以下のサイトでご確認ください。

▼日本エコプランニングサービス「自立再生の村IKTT・孤児院・日本語学校を訪れる、カンボジアNPOスタディツアー8日間

2012-01-07

「蚕まつり2012」のスケジュールが決まりました


 「蚕まつり2012」のスケジュールが決まりました。
 昨年9月に「伝統の森」で開催された「蚕まつり2011」は、プリンセスの臨席も予定されていたのですが、濁流と豪雨のために、それもかなわぬままの開催となりました。そのとき、プリンセスからは「皆がたいへんな思いをする雨季に開催することはないのでは?」とのお言葉をいただいたこともあり、今年からは乾季の開催となりました。
 今回の前夜祭は、3月10日(土)の午後3時のスタートです。ファッションショー、子どもたちのダンシング、そしてシエムリアップで活動するバンド“MILO”による演奏などが予定されています。
 翌11日(日)は、朝8時から、仏僧を招いての蚕供養の儀式が行なわれます。



※写真は、昨年「蚕まつり2011」のものです。
※これまでの「蚕まつり」については、このブログサイトの左側サイドバーのラベルのところから、 [蚕まつり] をクリックしていただくと、過去の記事がご覧になれます。

2012-01-06

「伝統の森」にラックカイガラムシが復活

1月5日付で配信されたメールマガジン「メコンにまかせ」(vol.262)で、森本さんは、「伝統の森」にあるダムトランの木の枝に、ラックカイガラムシの巣を発見したことをとても喜んでいらっしゃいます。
 森本さんが、伝統織物の復興のひとつの指針として掲げていた「織り手のすぐ手の届くところに染め材のある暮らし」の実現、その具体化のひとつであり、なおかつ「森」の再生の象徴ともいえる「ラックカイガラムシの暮らす森」への思いは、2001年から森本さんがその実現を願い続けてきたことだからです。
 以下、メールマガジンから引用します。


 かつてカンボジアの各地で産出していたカイガラムシの仲間「ラック」。カンボジアの伝統織物の赤色を染める染料として、古くからその巣は使われてきました。しかし、長引く内戦とその後の混乱の中でラックカイガラムシが寄生していた木が切られ、森がなくなり、ラックカイガラムシはカンボジアから、30年以上絶滅していました。これを取り戻すことが、この「伝統の森」再生事業の象徴でもありました。
 そして10年が経ち、ラックが寄生する木が育ち、「伝統の森」がわずかなりともその姿を整え始めた昨年末。たまたま朝の散歩の途中に立ち寄った、寄生樹ダムトランの木を見上げると、ラックの巣らしきものが。感激しました。村長のトウルさんを呼び、木に上ってもらいました。いや、できていました。昨年の1月、天女が運んできてくれたラックから育ち、巣を作るようになったのです。
 絶滅した昆虫(ラック)を取り戻すことができた。それは、この「伝統の森」の自然環境を育むことで実現できたのです。洪水と濁流から、わたしたちの村を守ってくれた森。そして、そんな豊かな自然があることで、そこから生み出されてくる森の「幸」としてのラック。それは、自然と人の共生によって生み出される、豊かさについて改めて考えさせられる機会でした。織り手の手の届くところにラックの巣がある、その自然環境が鮮やかな赤い色を染めるためには不可欠です。その環境をいま、取り戻すことができたのです。その新鮮なラックで染めた布が、IKTTの店頭に並ぶ日も近いかと思います。


【以上、メールマガジン「メコンにまかせ」掲載記事から再掲】
※メールマガジン「メコンにまかせ」の講読は、こちらからお申し込みください(講読無料)。
関連記事 ⇒ 舞い降りた天使手の届くところに(「伝統の森」にラックをとりもどす)IKTTで使われている染め材~ラック

2011-12-27

12月30日31日、BS-TBS「ローマを夢見たアンコールワット」再放送

12月30日と31日の2日間、BS-TBSで「ローマを夢見たアンコールワット 東南アジア最大覇権王朝の栄光と真実」が再放送されます(これは今年の1月に開局10周年記念番組として放送された番組です)。上智大学元学長の石澤良昭先生の解説とともに、ローマ王朝とアンコール王朝との関連が紹介されます。放送は、ともに19:00~20:55です。

2011-12-26

ブログ「SORAのカンボジア日記」のご紹介

先日、「伝統の森」を訪れた京都の中学生SORAくんのブログ「SORAのカンボジア日記」に、「伝統の森」でのSORAくんの見聞が記されていますので、ご紹介します。

2011-12-15

大正大学人間学部「環境コミュニティコース」のご紹介

大正大学人間学部人間環境学科の環境コミュニティコースの有志の方たちが、11月に「伝統の森」にいらっしゃいました。シェムリアップでの「環境コミュニティ調査」の一環とのことです。
 そのときの訪問の様子が、同大学環境コミュニティコースのサイトで紹介されています。

2011-12-07

ギャラリートークの様子が読売新聞で紹介されました

2011年12月6日付の読売新聞ONLINE(広島版)で「カンボジア伝統織物 復興を」と題して、まなびの館ローズコムでのギャラリートークの様子が紹介されました。

森本さんの報告会が中国新聞で紹介されました

2011年12月7日付の中国新聞オンラインで、「カンボジア織物復興活動語る」と題して、森本さんの講演会が紹介されました。

2011-12-06

大東文化大学国際関係学部25周年記念イベントの報告

11月24日、大東文化大学東松山キャンパスで、国際関係学部の25周年記念講演として、森本さんの「森に守られた伝統の村~伝統は守るものではなく創り出していくもの~」が行われました。
 そのときの講演報告が、大東文化大学のホームページで紹介されています。

2011-12-05

福山での写真展と報告会が朝日新聞《マイタウン広島》で紹介されました

2011年12月5日付の朝日新聞デジタル(asahi.com)の《マイタウン広島》で、「『クメール織物』復興への息吹」と題したIKTTの活動を紹介する写真展と、報告会に関する紹介記事が掲載されました。5日付の朝日新聞朝刊でも紹介されていると思います。

2011-12-04

森本さんの報告会が毎日新聞で紹介されました

 福山市にあるまなびの館ローズコム(福山市生涯学習プラザ)4Fの国際サロンで開催されている写真展「カンボジア「伝統の森」の絣布ができるまで」と、明日5日の森本さんのギャラリートーク「森にまもられた村」、ならびに6日の福寿会館で開催されるIKTT森本喜久男活動報告会・絣作品展示会「甦る伝統の絣‘暮らし’と‘森’の再生によるカンボジア伝統織物の復興」に関する記事が、12月2日の毎日新聞朝刊(備後面)で取り上げられました。
 5日のギャラリートークは、18時スタート、6日の福山会館での活動報告会は14時スタートです。
 今回の福山市でのイベントは、岡山県井原市の長谷川淳さんからの提案によるものです。

2011-11-30

「IKTTカレンダー2012」発売開始です



 おまたせしました。「IKTTカレンダー2012」が発売になりました。価格は1000円、A5判(上下に広げ、A4判サイズで使用)という仕様はこれまでと変わりません。
 今回は、これまでIKTTの伝統織物を支えてきたおばあたちを中心に、その作品(絣布)と横顔を紹介しています。
 このカレンダーは、森本さんの報告会会場でもお求めになれます。
 あいにくご来場いただけない方は、information@iktt.orgまでお問い合わせください〔@を半角に変換してご送信ください〕。

2011-11-26

12月2-4日、京都・法然院での展示会・報告会のご案内


 恒例の、京都の法然院での展示会・報告会のスケジュールが決まりました。今年は12月2日(金)から4日(日)の3日間です。森本さんの現地報告会は、3日(土)の午後1時からの予定です。

【とき】
12月2日(金)から4日(日)まで(展示と販売)
10時~16時(ただし、初日の2日は12時から)
※森本さんの現地報告会は、3日(土)の午後1時より。

 《森本喜久男・現地からの報告2011》
  森に守られた伝統の村 ~ 伝統は守るものではなく、創り出していくもの


【ところ】
法然院
京都市左京区鹿ヶ谷御所ノ段町(TEL:075-771-2420)
(京都駅から市バス5番 錦林車庫行 浄土寺下車 徒歩10分)

※この時期の京都は、紅葉の最盛期でもあり、市内の道路事情はたいへん混雑しております。十分な余裕をもって、お越しください。


より大きな地図で 法然院(入口) を表示

主催:IKTT(クメール伝統織物研究所)、IKTT Japan
共催:文部科学省科学研究費補助金若手B「発明と資本主義社会をめぐる思想史的研究―ガブリエル・タルドの理論を中心に」(研究代表者:中倉智徳)

2011-11-23

11月29日、高槻市での報告会と食事会のご案内

関西の方に、朗報です。
 11月29日(火)、高槻総合市民交流センターで森本さんの現地報告会を開催することが決まりました。報告会を準備していただいたのは、高槻でカンボジア料理店「すろまい」を経営する中村さんです。
 大雨のなかで開催された「蚕まつり2011」、その後「伝統の森」を襲った洪水と、その後の復興について、そして2012年に向けての展望などを語っていただきたいと思います。
 なお、報告会の後、IKTTのシルク等の販売を、会場からすぐ近くにあるカンボジア料理店「すろまい」で行ないます(これは高槻総合市民交流センターでの販売行為が認められていないためです)。
 また、18時過ぎからは、カンボジア料理店「すろまい」で、森本さんを交えての食事会も開催されます(食事会は前日までに要予約。1人2500円です)。電話:072-683-2444あるいはメール k.nakamura@suromai.com までご予約願います〔@を半角に変えてご送信ください〕)。

■報告会
と き:11月29日(火) 14:30から(17時まで)
ところ:高槻総合市民交流センター 第四会議室
参加費:無料
住所:大阪府高槻市紺屋町1-2
電話:072-685-3721
アクセス:JR高槻駅南口出て左手方向すぐ

■食事会ならびにIKTTのシルク等の販売
と き:販売は、報告会終了後、会場から移動した後に始めます。
    食事会は、18時から18時30分の間に開始予定。
ところ:すろまい
参加費:食事会は1人2500円(前日までに要予約)
住所:大阪府高槻市紺屋町3−1 グリーンプラザ3号館 地下1階
電話:072-683-2444
アクセス:JR高槻駅南口(2階)の改札を出て右へ。松坂屋の右手にあるビル(グリーンプラザ3号館)の地下1階

2011-11-14

11月15日-17日「第1回 輝け!プラチナフェスタ」のご案内

カンボジアで、手織りシルクの村の自立支援を行なっているNPO ShienTokyo が11月15日から17日まで北の丸公園内の科学技術館で開催される「プラチナフェスタ」に参加されます。会場では、IKTTのシルクと活動も、あわせてご紹介いただけるとのことです。

【第1回 輝け!プラチナフェスタ】
と き:11月15日(火)から17日(木)まで
    15日(火)12時~19時
    16日(水)10時~19時
    17日(木)10時~16時30分
ところ:科学技術館
    千代田区北の丸公園2-1
アクセス:東西線「竹橋」下車(1B出口)徒歩7分
     半蔵門線「九段下」下車(2番出口)徒歩7分
入場料:当日¥2000(前売り¥1000)

※プラチナフェスタの詳細についてはこちら

2011-11-13

11月24日、高円寺・庚申文化会館での報告会のご案内

11月24日(木)の夜、高円寺の庚申文化会館で森本さんの現地報告会を開催します。
 大雨のなかで開催された「蚕まつり2011」、その後「伝統の森」を襲った洪水と、その後の復興について、そして2012年に向けての展望などを語っていただきます。会場では、IKTTのシルク等の販売も行ないます。

と き:11月24日(木)
ところ:庚申文化会館(高円寺)
住所:東京都杉並区高円寺北3-34-1(茶房 高円寺書林のすぐ隣です)
電話:03-5356-9081

【タイムテーブル】
 19時    開場
 19時30分 森本喜久男・報告会「シエムリアップ 現地からの報告2011」
 20時45分 閉会

アクセス:JR高円寺駅北口の高円寺純情商店街を直進。突きあたりを左折し、すぐに右折。DVDドラマのすぐ先の左側角の建物(フロレスタ・ドーナツの手前)です。

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2011-11-10

12月5日、福山市でのギャラリートークと写真展のご案内

 12月5日(月)に、広島県福山市にあるまなびの館ローズコム(福山市生涯学習プラザ)4Fの国際サロンで、写真展とギャラリートークを行うことが決まりました。
 6日の福寿会館での報告会に先行し、この国際サロンでの写真展《カンボジア「伝統の森」の絣布ができるまで》の開催と、その最終日(12月5日)に森本さんのギャラリートークが行われます。
 桑の苗を育て、養蚕をし、蚕の繭から生糸を引き、その糸を括り、自然染料で染め、織り上げるまでを写真でご紹介しつつ、「伝統の森」での染め織りの作業と暮らしぶりを語っていただきます。

【写真展】
《カンボジア「伝統の森」の絣布ができるまで》
と き:11月25日(金)~12月5日(月)
    9:00~22:00(最終日は17時まで)
ところ:まなびの館ローズコム(福山市生涯学習プラザ) 4F 国際サロン
    福山市霞町一丁目10番1号

【ギャラリートーク】
《森本喜久男「森にまもられた村」》
と き:12月5日(月)18:00~19:30
ところ:まなびの館ローズコム(福山市生涯学習プラザ) 4F 国際サロン
    福山市霞町一丁目10番1号
参加費:無料
参加ご予約・お問合せ:@たつみ屋 長谷川 淳
 メール:n.f.tatsumiya@gmail.com 〔@を半角に変えてご送信ください〕
 電話: 0866-62-1851 /080-3012-6636 (携帯)
※席数に限りがございますので、事前にご参加のお申込みをお願いします。


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2011-11-08

「IKTTカレンダー2012」制作中

 IKTT Japanでは、2006年にIKTTカレンダーの制作をはじめました。IKTTの活動を紹介しつつ、なおかつ販売収益によってIKTTの活動支援となるツールはないものかと考えた結果、カレンダーの制作・販売に取り組むことにしたのです。
 IKTTのシルクをお求めいただいた方のなかには、インターネットやメールをなさらない方もいらっしゃいます。シエムリアップの工房や「伝統の森」をまだ訪れたことがなく、森本さんのtwitterやfecebookをフォローしていない方や、このIKTT Japan Newsにアクセスされていない方たちに、カレンダーという印刷物で、IKTTの絣布や「伝統の森」の様子などをご紹介することもでき、またこのカレンダーをきっかけにして、IKTTの活動に興味を持たれる方もいるのではないかと考えてのことです。
 2012年のカレンダーでは、IKTTの伝統柄の絣布と、その絣布を作り出してきたおばあを中心とする括り手たちを紹介します。この「IKTTカレンダー2012」は、11月下旬には完成予定です(予価1,000円)。
 都内では、例年どおり、神保町のアジア文庫、高円寺の茶房・高円寺書林、西荻窪の信愛書店さんなどに取り扱いをお願いする予定です。また、11月下旬以降、国内各地で開催される予定の展示会・報告会の会場でも販売いたします。
 上記の各会場でお求めになれない方は、information@iktt.orgまでお問い合わせください〔@を半角に変換してご送信ください〕。

2011-10-29

「沖縄の舞踊と染織による、日本・カンボジア文化交流」のご案内

 11月19日と20日に、プノンペンのCJCC(カンボジア日本人材センター/Cambodia-Japan Cooperation Center)で、そして21日にはシエムリアップの日本国政府アンコール遺跡救済チーム事務所で開催される「沖縄の舞踊と染織による、日本・カンボジア文化交流」イベントが開催されます。琉球舞踊とアプサラダンスのパフォーマンス(シエムリアップではビデオ上映)に加え、双方の伝統織物が展示されます。

2011-10-27

12月6日、福山市での報告会・展示会のご案内


 12月6日(火)は、広島県福山市での福寿会館で報告会を行ないます。会場では、IKTTで織られた絹織物の展示等もあわせて行ないます。

【IKTT森本喜久男 活動報告会・絣作品展示会】
《甦る伝統の絣― ‘暮らし’と‘森’の再生によるカンボジア伝統織物の復興》
と き:12月6日(火) 14:00~16:00
ところ:福山市 福寿会館
   (福山市丸之内一丁目8番・Tel:084-922-2117)
   JR福山駅北口徒歩5分・無料駐車場有り
参加費:無料
参加ご予約・お問合せ:@たつみ屋 長谷川 淳
 メール:n.f.tatsumiya@gmail.com 〔@を半角に変えてご送信ください〕
 電話: 0866-62-1851 /080-3012-6636 (携帯)
※席数に限りがございますので、事前にご参加のお申込みをお願いします。


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2011-10-26

11月24日、大東文化大学東松山キャンパスでの講演会のご案内

 大東文化大学国際関係学部創設25周年記念事業の一環として、同大学東松山キャンパスで、森本さんの講演会が開催されます。
 この講演会は、一般からの参加も可能とのことです。

《大東文化大学 国際関係学部 創設25周年記念講演》
「森に守られた伝統の村 ~ 伝統は守るものではなく、創り出していくもの」
と き:11月24日(木)
    13時15分~14時45分(12時45分開場)
ところ:大東文化大学 東松山キャンパス
    図書館AVホール
    〒355-8501 東松山市岩殿560
参加費:無料(事前申し込み不要)
問合先:大東文化大学 国際関係学部 現代アジア研究所
    gendaiasia@gmail.com 〔@を半角に変えてご送信ください〕
    電話:0493-31-1523(受付時間9:00-17:00)

2011-10-25

11月23日-27日、カンボジアシルク展と報告会のご案内

カンボジアで、手織りシルクの村の自立支援を行なっているNPO ShienTokyo との共催で、11月23日から27日まで「伝統のカンボジアシルク展」が開催されます。会場は、国分寺にあるカフェスロー ギャラリーです(ギャラリーの終了時間が曜日によって異なりますのでご注意ください)。
 27日の午後14時からは、森本さんの報告会も行われます。

【カンボジアシルク展】
と き:11月23日(水)から27日(日)まで(展示と販売)
    23日(水)11時30分~19時
    24日(木)11時30分~18時
    25日(金)11時30分~15時30分
    26日(土)11時30分~15時30分
    27日(日)11時30分~16時
    ★報告会は、27日の14時より(要予約)。
ところ:カフェスロー
    国分寺市東元町2-20-10(JR国分寺駅から徒歩5分)
参加費:2000円(参加費はカンボジアの洪水被害の義援金となります)
※参加者20名のため、事前予約をお願いいたします。
申込先:contact@shientokyo.org 〔@を半角に変えてご送信ください〕
 電話:090-3086-7347(竹下まで)

2011-10-24

11月28日、郡上市での報告会・展示会のご案内

 11月28日(月)は、岐阜県郡上市の願蓮寺で報告会を行ないます。会場では、IKTTで織られた絹織物の展示・販売もあわせて行ないます。

【クメール伝統織物研究所(IKTT)報告会】
《森の再生=自然環境の再生・森に守られた村》
と き:11月28日(月)
    19時~21時(18時45分開場)
ところ:願蓮寺
   (岐阜県郡上市八幡町島谷829)
   長良川鉄道郡上八幡駅から徒歩約17分
参加費:300円(中学生以下は無料)
申込先:k.mizuno0802@gmail.com
    〔@を半角に変えてご送信ください〕
 電話:090-2939-7189(平野まで)


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2011-10-22

11月26日、飯田でのピアノリサイタル&展示・報告会のご案内

 長野県飯田市を拠点とするNPO法人「ふるさと南信州緑の基金」の方々からは、2002年からIKTTへのさまざまな支援活動を継続していただいております。
 なかでも「伝統の森」学園の小学校(飯田学校)建設に向けての募金活動の結果、昨年には校舎も完成しました。子どもたちは、新しい学び舎で勉強を続けています。
 こうした活動の一環として、このたび「カンボジアに学校を建てよう」支援プロジェクトと共催で、11月26日(土)、飯田文化会館で、奥村友美ピアノリサイタルが開催されます。このピアノリサイタルにあわせて、展示会と森本さんの報告会を開催させていただくことになりました。

【展示会ならびに報告会】
と き:11月26日(土)
    展示会:11時~17時30分
    報告会:13時~14時
ところ:飯田文化会館(1階展示室)
    長野県飯田市高羽町5-5-1(JR飯田駅から徒歩約10分)
    ※展示会と報告会のみの参加も可能です(入場無料)

【奥村友美ピアノリサイタル】
と き:11月26日(土)
    開場14時30分/開演15時
ところ:飯田文化会館(大ホール)
    長野県飯田市高羽町5-5-1(JR飯田駅から徒歩約10分)
入場料:一般=2500円/高校生以下=1000円

主 催:「カンボジアに学校を建てよう」支援プロジェクト
     NPO法人「ふるさと南信州緑の基金」
問合先:事務局(担当:原、飯田市上村自治振興センター内 0260-36-2211)

2011-10-07

「森に守られた村」の復興にむけて

 10月6日付で配信されたメールマガジン「メコンにまかせ」(vol.258)で、森本さんは、今回の濁流に襲われた「伝統の森」で、10年かけて育った木々への感謝の気持ちを記しています。
 また同時に、この甚大な洪水被害からの復興に関して、みなさまからのご支援を呼びかけています。
 以下、メールマガジンから引用します。

森に守られた村
 9月10日の「蚕まつり」の頃からわずか2週間の間に、数度にわたって豪雨と洪水、そして濁流に飲み込まれた「伝統の森」。地元のカンボジアの人たちにしても、これは100年に一度あるかないかの出来事だという。
 濁流の激しさの痕跡が、いたるところに残されている。道路は、表土の多くが洗い流され、大きくえぐり取られた痕跡がところどころに。そして、森の木々の幹や根元には、水草が絡みつき、その量と高さで、濁流の様子が手に取るように分かる。高いところでは、1.5 メートルを超えている。森の所々には、木々に遮られるように水草やその他の枯れ枝が絡みつき、小さな壁のようなものができているところも。それは、そのまま濁流の激しさを物語っている。が、同時にその森の木々が濁流の激しい流れを押し留めてくれていたのだと気がついた。でなければ、小さな家など、濁流に流されていたかもしれない。
 村人たちと森の中を歩きながら、作業場から流されていた糸車などの道具類の一部も、木々の間で見つけ、回収することができた。すべて流されてしまったと思っていた染め材として使うライチーの木を切り出した大きな木片も、木々の根元に見つけだし、約半数は回収することができた。そして、沼に面したところに茂っていたマングローブの樹木が、テーブルや机、織り機など、すこし大きなものが流失するのを、ちょうど脇に抱えるようにして防いでくれていた、すごい。
 心配していた桑畑の桑の木も、大きな被害を受けないですんだ。濁流の中で、根こそぎ持っていかれるかもしれないと想像した。しかし、これも、桑畑を囲む森の木々が、桑畑を守ってくれていたのだと気がついた。桑の葉はほとんど流失していたが、そこからわずか数日後にもかかわらず、すでに新しい芽が吹いていた。
 10年前、ここは薪になる木まで伐採された荒地だった。だが、切り株から芽吹いた新芽を育て、下草を刈り、間引きをしてやることを続けた結果、いまでは5~6メートルの高さに育ち、小さな森といえるまでに育っている。その森の木々が、いわば防風林のように、激しい濁流から「伝統の森」の村を守ってくれたのだと、森の中を歩きながら実感した。
 隣接地に、荒地を更地にして豚舎を建て、豚を三千頭ほど飼っていた男性がいる。子豚から育て、もう出荷間近になっていたその豚の多くを濁流で流され失った。彼は泣きながら、呆然と立ちつくしていた。それを見て、自然の木々があること、その大切さをあらためて実感した。
 「伝統の森」には、夜間38家族の家屋に電気を供給するための、自家発電をする2キロワットのディーゼル発電機がある。それも今回、何度か何日間か、冠水していた。これまでにも同じような、これほど水位は高くないが、洪水に見舞われたことがあり、その都度、機械を壊し修理に時間を費やしてきた。今回、洪水が予想できたので、約50センチほどだが、ジャッキを使って据え付け位置を高くしておいた。が、水位はそれを超えてしまった。しかし、発電機が完全に乾くまで数日置き、分解掃除をし動かしてみた。するとなんと復活。2週間以上の夜間も電気のない生活からようやく開放された。発電機は「伝統の森」の設備の中では、高価なものに属するから、もし壊れればと頭を痛めていたから、ほっと一息だった。しかし、予備用の5キロワット発電機や、揚水ポンプの何台かは、分解掃除をするものの、いまだ復活しそうにもない。村の男たちは、機械や設備類の総点検と分解掃除に明け暮れている。
 多くの家は、わずかなりとも高床式の造り。おもな生活の場は二階、そのおかげで救われた。これも昔からの人々の知恵なのだろう。そんな何年かに一度しか来ない洪水や濁流に備えて暮らしているなんてと思うけれど、そのおかげで安心して暮らせる。古くからの高床式の家が、カンボジアでいまも建てられ続けている謎が解けた。
 5年ほど前、「伝統の森」に暮す家族が増えたので新しい家を建てようとしたとき、この場所がよいと何人かが主張したところがあった。「伝統の森」のなかでは中間地点というか、入り口からも工芸村エリアという皆が集まるところからも中途半端なところ。なぜ、そこに家を建てたいのか、彼らの意図がわからなかった。そこに今では4軒の家が建っている。今回、洪水にさらされたとき、そこは周りに水があるときも、一段高く水からの安全圏にあった。昔から村を作るとき、人々は生活用水が確保でき、そして洪水から家を守れる小高い丘に家を建て村を作ってきた。そんな古くからの知恵が、今なお彼らの中に生きていることを知った。今後、「伝統の森」のプロジェクトを進めるには、そんな自然の地形を見直しながら、進めなければならないことを学んだ。
 「伝統の森」は、海抜39-42メートルくらいのところにある。今回、浸水したエリアは39-40メートルのあたり。濁流が襲ったときは41メートルエリアまでも危なかった。しかし、なぜか多くの家は安全圏にあった。一方、今回被害の大きかったショップや作業所などのある工芸村エリアは、じつは39メートルのところがほとんど。そこにあった平屋のスタッフの家では、濁流に、鍋、釜、テレビも流されてしまった。でも、彼らはその話を笑顔でしている。本当にたくましく、しなやかなのだ。どんな苦境にも耐え、自然を受け入れる強さとしなやかさを持っている。
 今回の濁流のなかで、「伝統の森」は、多くの資材や設備を失った。しかし、森の木々のお陰で守られたものも多い。そのことに感謝したい。
 これまでも、いろんなところで激しい濁流を見てきた。その濁流を見ると、それは自然の痛み、叫びなのではないかと思うことがある。そんな自然の山、川、田、畑とともに、自然への感謝の気持ちを忘れないで、これからも暮らしてゆきたい。

2011年10月6日 シェムリアップにて
森本 喜久男

■IKTT「伝統の森」洪水被害への、義援金のお願い■
 このたび激しい濁流のなか、木々に守られながらも「伝統の森」での洪水と濁流による損害は甚大で、施設の回復などのために、ここに皆様のお心を義援金として、支援していただけること、お願い申し上げます。
IKTT(クメール伝統織物研究所) 森本 喜久男
                   
※義援金のお振込みは、下記の口座にお願い申し上げます。
  東京三菱UFJ銀行 梅田中央支店
  口座番号(普)1611655
  口座名  森本喜久男

【以上、メールマガジン「メコンにまかせ」掲載記事から再掲】
※メールマガジン「メコンにまかせ」の講読は、こちらからお申し込みください(講読無料)。

 以下、現地からの写真です。修理中の発電機、濁流に削り取られた「伝統の森」の前の道路、回収できた染め材となるライチーの木片、木の根元にからみつくホテイアオイなどの水草の除去。


2011-10-01

「伝統の森」をおそった洪水と濁流

 9月29日に配信されたメールマガジン「メコンにまかせ」(vol.257)のなかで、森本さんは、「伝統の森」をおそった洪水の状況について記しています。
 今回の集中豪雨により、カンボジア各地で河川の氾濫や道路の冠水などが起きています。およそ20万人近い人々が被害を受け、うち死者が約150名、一時的な避難を余儀なくされている人々は2万人に及び、国道や橋梁などのインフラ及び学校や病院などの建物、そして農作物にも大きな被害が出ているとのことです(写真に見るとおり、「伝統の森」では、現在ほとんど水は引いているようですが)。以下、メールマガジンの一部を引用します。

 「伝統の森」に至る、バンテアイスレイ寺院からの道が通行可能だと連絡が入る。いつものアンコールトム郡からの道は、途中約300メートルにわたって道路が決壊し、川になっているため通行不能。米を100キロ、インスタントラーメン3箱、そしてその他の食料品、子どもたちへのお菓子などを買い、村に向かった。
 驚いたことに「伝統の森」のみんなは元気そうだった。顔を合わすと、笑顔が返ってくる。うれしかった。もっと深刻な状態を想定していたから。村の入り口のエリアは、これまでも水が来たことがなく、多くの村人はそこの家々に避難していた。海抜42メートル。今回冠水した所は、海抜39-40メートル。わずか数メートルの違い。
 途中、前回の「蚕まつり」のときに濁流が流れていたところは、そのときよりも激しく渦巻いていた。一緒に行ったドライバーは怖いという。運転を変わり、水没した濁流の中、狭い道路の地形を思い出しながらハンドルを切った。滝つぼから出てきた激しい水の流れを横断するようなもの、気合を入れながらだった。そして、無事、冠水した工芸村エリアに到着。約20人ほどは、そこで頑張っていてくれた。
 水没した面影のように、家の壁は、水位の跡を示すように色が変わっていた。そして、水草が木々に付着し、濁流の激しさを物語っていた。ショップのある作業建屋やわたしの家の階下は、激しい水の流れの痕が、タイルの上に砂の模様となって残されていた。積んであった染色用のライチの木片は多くが流され、一部が植木の根元に転がっている。階下にあった織り機、机や椅子、その他備品類の多くは流されてしまった。しかし、いくつかは、池の周りの木々に引っかかるように残されていた。この木々がなければ、すべて流されていたかもしれない。不幸中の幸い、これも、自然の力なのだろう。飼っていたアヒルは居なくなっていた。逆に、だめだと思っていた鶏は高い木々に避難していたので、大丈夫だという。牛は、幸い入り口に近いところに避難させていたおかげで助かった。
 まだ被害の全体は見えないが、片付けをしながら「伝統の森」の復興事業が始まる。それは決して容易でないことは想像がつく。濁流に飲み込まれ孤立していたときの電話に、人の安全に念を押し、確かめるように話した。もともと、何もないところから、荒地を開墾しながらはじめた事業である。今は、何もないわけではない、経験をつんだ人がいる、すべては人が基本である。そして、土地も家もある。ゼロからの出発ではないと、自分に言い聞かせるように、村人のみんなにも話し始めた。
 今年の「蚕まつり」では、王室や行政からIKTTの活動への感謝のお言葉をいただいた。これは、大きな励みとなる。そして、この洪水を契機に、新しい10年の始まりとしていきたいと、いま思っている。

【以上、メールマガジン「メコンにまかせ」掲載記事から再掲】
※メールマガジン「メコンにまかせ」の講読は、こちらからお申し込みください(講読無料)。

 以下、現地からの写真です。ゲストハウスの壁に残る水の跡、織り機の並んでいた高床式建物の階下の状況、木々に引っ掛かり流失を免れた机や備品、牛舎の柵に引っ掛かった水草。

2011-09-25

シエムリアップの増水

 シエムリアップ周辺では、22日から再び大雨による河川の氾濫・増水が起きているようです(写真は、23日にIKTTの入り口で撮影されたものです)。
 同様に「伝統の森」でも、かなりの増水となっているようです。水が引いた後の畑の復旧、故障した発電機など機械類の修復など、想定外の仕事が増えそうです。
 twitterやfacebokで森本さんが書いているように、増水そのものについては、不便ではあるものの、皆あっけらかんとした対応をしているようではありますが。

2011-09-22

「蚕まつり2011」レポート(その8)蚕供養

 翌朝、空が明るくなる頃には、すでに何人かが起き出していました。朝食の準備に取りかかる者、昨夜のゴミを片付る者、それぞれが自分の持ち場で働いています。
 昨夜の大雨でさらに増水し、「伝統の森」のあちこちが水に浸かっています。ゲストハウスは、ポーチのタイルまで水がついたようですが、室内への浸水はかろうじて免れました。
 「伝統の森」のショップのある建物の、仏像を安置した部屋には、供物が運び込まれ、線香が焚かれています。
 蚕供養の読経をするはずの仏僧たちの招聘も、足がないということで中止となりました。読経も、IKTTのスタッフと森に暮らす村びと自身で行ないます。
 日本から参加した人たちに森本さんは、タコー村での養蚕再開プロジェクトとして、タコー村に蚕の繭を届けたのが95年9月のことであり、そしてタコー村から「伝統の森」へと蚕の卵が届けられ、養蚕が始まり、「伝統の森」で生糸が引かれるようになったのが2003年の9月と、IKTTの蚕は9月に縁があったのが、この時期に「蚕まつり」を始めた理由なのだと説明していました。

2011-09-21

「蚕まつり2011」レポート(その7)バックステージ

 ファッションショーが終わり、休憩と食事タイムとなりました。降り続く雨のなかで、小さな舟での機材搬送のリスクとバンドメンバーの深夜の帰路のことを勘案し、森本さんは第2部のミロのコンサートの中止を決めました。
 参加者が食事を始めたことで、ダンシングのステージに登場する子どもたちも夕食を食べに家に戻っていきました。この時間になって、子どもたちに再度の招集をかけることも難しい状況です。森本さんは、第2部そのものの中止を決断しました。たいへん中途半端なかたちではありますが、こうして「蚕まつり2011」前夜祭は終了となりました。
 ところで、森本さんはつねづね「まつりというのは参加するみんなで作り、みんなで楽しむもの」と言っています。ファッションショーのステージでキャットウォークする女性たちだけが主役のイベントではないのです。食事の準備もIKTTのスタッフたちです。この日、食事をテーブルに運ぶ係となったのは「伝統の森」で働く若い男性陣でした。彼ら自身も、このイベントに彼らなりに参加し、楽しんでいるようです。いつもは着ることのないような白いYシャツを着て、胸にはリボンを付け、すっかりウエイター気分です。
 ステージに上がったメンバーの着替えとメイク落しも終わり、食事もおおかた終わった頃、BGMのようにカンボジアの歌謡曲が流れていたスピーカーから、テンポのはやい曲が流れ始めました。例によって、ではありますが、ダンスタイムの始まりです。
 ファッションショーというひとつのイベントを終えた興奮、まだ覚めやらずといったところでしょうか。ステージの上は大盛り上がりです。「蚕まつり」参加ツアーで「伝統の森」に宿泊している日本からの学生さんたちも加わります。森本さんも踊っています。……雨脚の衰えない大雨のなか、12時近くまで、ダンスは続きました。

2011-09-20

「蚕まつり2011」レポート(その6)ファッションショー3

【ステージ6】
 いよいよ、最後のステージです。
 例年どおり、大人ゴージャス系のアレンジが楽しめます。このステージに登場するメンバーも、経験を重ね、落ちついた雰囲気を漂わせています。
 過去2回と比べると、メイクの雰囲気がやや変わり、以前より洗練された印象を受けました。これもシエムリアップの町の発展を反映したものでしょうか?





















【フィナーレ】
 フィナーレでは、参加者全員が再びステージに登場します。
 長い竿で、パムアンの布をはためかす演出も加わりました。パムアンとは、経糸(たていと)と緯糸(よこいと)を、それぞれ異なる色で染めた玉虫色に輝く布です。

2011-09-19

「蚕まつり2011」レポート(その5)ファッションショー2

【ステージ4】
 後半のステージは、年ごとに変化する森本さんの着付け&アレンジが楽しみです。
 意外ともいえる、Tシャツと絹絣の組み合わせに加え、今回は肩に掛ける布にもひと工夫ありました。



【ステージ5】
 このステージでは、森本さんの手描きバティック(=ローケツ染めの布)が、ふんだんに使われています。また、これまではゆったりとした着付けタイプが多かったのを、今回はややタイトな感じのアレンジを意図したそうです。


 ステージの上のモデルたちも、若いながらも貫禄を感じさせるような、自信を持った歩き方と表情を見せています。(続く)

2011-09-18

「蚕まつり2011」レポート(その4)ファッションショー1

【ステージ1】
 まず、はじめのステージは、ピダンのデモンストレーションです。チャーップという、ヤシの葉で作ったたくさんの小鳥をつけた飾り物を手に持った女性と、蘭の花を盛った器を手にした女性を先頭に、ピダン(絵絣)を広げた女性たちが登場です。
 ステージ上で、ライトが当たり、揺れて輝く、手引きの生糸ならではの質感と光沢感が際立ちます。

【ステージ2】
 次のステージは、婚礼の行列をイメージしたものです。
 サンポット・ホール(絣布の巻きスカート)と、レースやビーズで飾りつけたブラウス着用が、基本のようです。このいでたちが、現在のカンボジアの正装といったところでしょうか。

【ステージ3】
 続いては、男衆の登場です。
 おのおのが酒器や楽器を手にして、ステージの上を練り歩いていきます。
 大判のピダンの布を見せびらかすように踊っているのは、自分の奥さんが織り上げた絣布を自慢しているのだとか。(続く)

 

2011-09-17

「蚕まつり2011」レポート(その3)開会式そしてアプサラダンス

 3時すぎ、森本さんが「伝統の森」に戻ってきました。いよいよ「蚕まつり2011」の始まりです。
 プリンセスの欠席が決まったことで、州知事ならびにその他の省庁から出席予定だった来賓も欠席となりました。地元代表のアンコールトム郡の郡長と警察署長、そしてピアックスナエン地区の区長が来賓用のひな壇に上がります。
 まずは、メンアンさんによる開会のことばにはじまり、そして郡長による祝辞、森本さんの挨拶を経て、「蚕まつり2011」は始まりました。
 オープニングは、来賓を迎えるためのアプサラダンスです。