太陽は、一瞬の晴れ間を見せてくれますが、いつの間にか雲が広がり、突然のスコールがやってきます。「伝統の森」の入り口から、ファッションショーのステージのある工芸村エリアまでの間に2か所、道が冠水しています。今のところ、車で通過できますが、これ以上、水嵩が増すと難しくなるかもしれません。いざというときに人や荷物を渡すためのボートが用意されました。
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前夜祭開催に向けて最終確認と指示をしてまわる森本さんの作業の合い間をぬって、前日から取材に入っているカンボジア国営テレビ局のクルーによるインタビューが行われています。
昼過ぎ、森本さんの携帯に、シエムリアップで待機していた王室関係者から連絡が入りました。いわく、この天候ではプリンセスが「伝統の森」のあるピアックスナエンまで行くのは困難だと判断した。しかし、この日のための、モニク王妃からの贈り物があるので、それを受け取りに来てほしい――と。
そこで、急遽、森本さんは、シエムリアップへ向かう準備を始めます。同行するのは、ゼネラルマネージャーのバンナランと、今回イベントでの司会進行と通訳を担当するメンアンさんです。メンアンさんは、クメール語の冊子「森の知恵」の翻訳の監修も手がけていただいた方です。
シエムリアップまでとはいえ「蚕まつり」のために足を運ばれたプリンセスにお目にかかるために、「わたしの戻ってくる時間によっては、開始時間を少し遅らせることになるかもしれない」とスタッフに言い残し、水位の上がった「伝統の森」を出発していきました。
その後も雨足は、断続的に強くなるばかりです。大雨のなか、アプサラダンスのグループが到着しました。メイク担当のおネエさまたちは、
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森本さんの帰りを待ちつつ、ステージの進行にかかわるスタッフたちは悩んでいました。じつは、舞台上手の袖と、楽屋としている建物の間には7~8メートルの距離があります。そこには屋根がありません。さらには、そこにも水が溜まりはじめていました。土砂降りのなか、それも水の溜まったところを走り抜けてステージに上がるのは難しい、スタッフ何人かで話し合った結果、そのように判断したようです。そして、上手から舞台に登場するすべての構成を、下手から登場するように変更しました(下手のほうが楽屋に近く、そこにはまだ水がついていなかったのです)。直前での、このような変更をして大丈夫なのか、ちょっと心配ではありました。
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